<9th Dec Wed>
ROHのMusic Directorカスパー・ホルテンが2017年3月に退任して、故郷コペンハーゲンに帰るんだそうです(→こちら )。パッパーノ大将がいなくなったら困るけど、ホルテンのプロダクションは飽きたし、ま、いいか。
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11月30日、そうです朝から着物であちこち回って忙しかった日ですが(→こちら )、ROHのオペラのリハーサル、金ぴか御殿カフェ・ロイヤルのアフタヌーン・ティの後の最後の目的地はウィグモア・ホールでした。
今月はカウンターテナーを聴く機会が多かったのですが(イエスティン君のファリネッリ&王様、不思議の国のアリスのスーダン人、グラインドボーンどさ回りのクリス・エンズリー、イエスティン君とアンドレアス・ショルのデュエット、タメルラーノのチェンチッチとサバタ)、この日は最後を飾るに相応しい実力派アメリカン人のビジュン・メータ。 父親はインド人、母親は西洋人なようで一体どこの人なのかルックスからはわかりませんね。昔から坊主頭だったので年齢も不詳ですが、47歳ですって。でも、10年前とちょっとも変わってないけど(でも、老眼鏡が必要になりかけてるようです)。
そんな謎のカウンターテナーですが、一番不思議なのは、一体どうやってこんな声を出すのだろうかということで、どうしても裏声には聞えない芯のある力強い声は驚異的。ROHにはモーツァルトのミトリダーテと現代オペラWritten on Skinで聴いてますが、大劇場でも彼の声は他の人たちに劣ることなくスコーンと突き抜けます。
La Nuova Musica
David Bates director
George Frideric Handel (1685-1759)
Cantata: Siete rose rugiadose HWV162
Siete rose rugiadose
Cantata: Mi palpita il cor HWV132c
Henry Purcell (c.1659-1695)
King Arthur z628
A Symphony, A Song and Chaccone
Alessandro Scarlatti (1660-1725)
Cantata: Perchè tacete, regolati concenti?
interval
Johann Christoph Bach (1642-1703)
Ach, dass ich Wassers gnug hätte (Lamento)
Antonio Vivaldi (1678-1741)
Pianti, sospiri e demandar mercede RV676
Heinrich Biber (1644-1704)
Mensa Sonora Suite III in A minor
Melchior Hoffmann (c.1679-1715)
Schlage doch, gewünschte Stunde
George Frideric Handel
The Choice of Hercules HWV69
Part 2 No. 10 Yet can I hear that dulcet lay
アンコールはなんだったか忘れてしまいましたが、イタリア語とドイツ語でたっぷり歌ってくれて、最前列ど真ん中で彼の声を全身に浴びて、幸せ~ 私は、ヨーロッパ系の華やかでケレンミたっぷりのCTよりも、英米系の清々しいすっきり系が好みなんです。
あまり口を開けない歌い方はイタリア語の歌で少々気になりましたが、それは別にしてもストレートでシャープな彼にはドイツ語の方が合ってると思いました。
終了後は舞台裏のグリーンルームに突進して、他の人が詰め掛ける前にツーショットを確保。
歴代の出演有名アーチストのサイン入り写真がたくさん飾ってあり、小さいけどこのホールのステータスの高さをまざまざと見せ付けるグリーンルームはこんな感じで、控え室にもなってるので楽器や着替えも散らばってます。あっ、隅っこに英国CTのティム君が。
ティム・ミードはよく他の人のコンサートに行ってるようで、よく会うのですが、この日は同じカウンターテナーということもあって話題は尽きず、二人でじっくり話し込んでました。二人とも歌ってるCTにとっては大役のWritten on Skinのことも喋ってました。
でも、盛り上がってるのは結構なことですが、長い間メータを独占するのはここではちょいとルール違反では? 実際、順番を待っててもちっとも終わりそうにないので諦めて帰った人も何人がいましたよ
ここに来る前にカフェ・ロイヤルでアフタヌーン・ティ(→こちら )をご一緒したCさんも私の薦めでこのコンサートの切符をお求めになったのですが、割と直前だったにも拘わらず、2列目の真ん中近くが買えたのはラッキー。それはリターンだったのかもしれませんが、切符の売れ行きがイマイチだったのは残念。こんなに凄いCTなのに。
先月のフランコ・ファッジョーリもたしか売り切れてなかったし、ウィグモア・ホールの常連さんのお年寄りにはまだカウンターテナーに対する認識が浸透していないのでしょうか? 昔から人気のアンドレアス・ショルは別格としても、最近は売り切れるイエスティン君が頑張って偏見は減ってきたと思ってたんですけどね。
12月28日のマックス・エマニュエル・チェンチッチ(→こちら )なんかどっさり余ってますから、行ってあげましょうよ。私はもちろん行くし、まだ良い席が残ってたのでトーチャンのも追加で買ってあげました。
その前に、今月は15日にバービカンでメサイヤ(→こちら )と18日のKings Place(→こちら )にイエスティン君が出ますので、こちらもどうぞ。