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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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Written on Skin 現代オペラの名作 by Benjamin(3年前の写真も)

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<27th Mar Sun>

このイースター4連休、北海道旅行の写真選びに頑張ってますが、旅行のことばかりではナンですので、時折オペラやコンサート記事も混ぜますね。

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3月19日、バービカンでセミステージ方式のWritten on Skinがありました。


ジョージ・ベンジャミンのこのオペラ、3年前にロイヤル・オペラ・ハウスで2度観ましたが、初日は仕事で疲れてたのでうつらうつらして、「こういう時にこの前衛さは辛い・・ショック!」と苦しんだのですが、2回目は少し耳が慣れたのか(現代曲にはこれが大事かも)、「あら、結構良いじゃないの」、と思ったことでした。


そして、今回の3回目は傑作現代オペラの呼び声高いこのオペラの良さが更にわかっだけでなく、セットは無いけど細かいところまできっちりした迫真の演技と素晴らしい歌唱で感動しましたクラッカー

休憩なしの一時間半でしたが、一瞬たりともゆるまない緊張感であっという間に過ぎ、細かいところもしっかり見えて、この熱演を最前列真ん中で観られて本当にラッキーだとつくづく思ったことでした。


クリップどんなお話かと言うと、


本作りを依頼した若者と自分の妻が恋仲になったのを嫉妬した金持ち男が彼を殺したばかりでなく、彼の心臓を妻に食べさせ、妻は自殺するというグロテスクな中世のお話ですが、若者は時代を超越する天使でもあり、前衛的かつシュールな展開。ROHの舞台セットと衣装を思い浮かべながら聴いていたのが少しは助けになったかな?

クリップ












George Benjamin Written on Skin
Text by Martin Crimp
Concert performance
Directed by Benjamin Davis

Mahler Chamber Orchestra
George Benjamin conductor
Christopher Purves The Protector
Barbara Hannigan Agnès
Tim Mead Angel 1 / The Boy
Victoria Simmonds Angel 2 / Marie
Robert Murray Angel 3 / John


夫婦役のバーバラ・ハニガンクリストファー・パーヴィスは最初からずっとこの役を3年間あちこちで演じてきたので安心して観ていられたし、期待通りの素晴らしさでしたが、今回初めてこの役で聴くカウンターテナーのティム・ミードを一番楽しみにしてました。


ティム君は、調子の良い時と悪い時の差が大きくて、悪いときも結構ある上に、この日に至るまでにヨーロッパ大陸で5回ハードスケジュールで移動しながら歌っているので、デリケートなCTのこと、疲れてるかも、と心配でしたが、濁りのない美声で素晴らしかったです。


英語圏のCTにとっては大役のこの役を立派にこなして、プレミエのビジュン・メータ、その後のイエスティン・デイヴィスと比べてもひけを取らないくらいに成長したティム君、今年夏のグラインドボーンでBブリテンの真夏の夜の夢で聴くのがますます楽しみになりました。



  


ちょい役の二人も良かったです。

ROH版にも出てたヴィクトリア・シモンズは地味ながら着実に英国では活躍してるメゾ・ソプラノで、去年はカドガンホールのミニヨンの主役だったし、今年はホランド・パークでチェネレントラの主役だそうです。

テノールのロバート・マリーは、ROHでは一流テノールが出られない時に主役級をやったこともあり、いつも「輪郭のはっきりしない声だし、なんだかなあ・・」という印象でしたが、今日はシャープな声で見直しました。やればできるじゃないの! これからは彼が出てるから行くのを辞めようとは思わずに済みそうです。


      




     


指揮は作曲家ご本人のジョージ・ベンジャミン氏でしたが、こないだバービカンのカフェで隣にいた時のにこやかにリラックスした姿とは打って変わったシャキンとした姿が格好よかったです。 


このオペラはこれからも上演されるでしょうが、私自身が又聴きたいのももちろん、現代オペラには珍しく人様にもお勧めできます。 


ROHがコミッションしたベンジャミンの新作オペラももうすぐ聴ける予定なのが楽しみです。



                  


ひらめき電球

さて、


2013年3月にROHで2度観たのに忙しくて記事にはしてなかったので、遅まきながらここに写真もアップして記録しておきます。今回と違うのはCTのビジュン・メータとテノールのアラン・クレイトンですが、どちらも素晴らしかったです。





director Katie Mitchell

composer George Benjamin

text Martin Crimp

designs Vicki Mortimer

lighting design Jon Clark


conductor George Benjamin

Agnes Barbara Hannigan

protector Christoper Purves

first angel/Boy Bejun Mehta

second angel/Marie Victoria Simmonds

third angel/John Allan Clayton





演出家のケィティ・ミッチェル女史は、もうすぐROHで始まる新プロダクションのランメルモールのルチアはの演出もしてるのですが、舞台セットの写真を見ると、分断された複数のスペースがWritten on Skinに似た感じだわ。

それも含め、ROHであった彼女のトークイベントがROHオンラインで見られます(→こちら )。




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