4月11日、リゴレットに又しつこく行きました。
3分の2しか観られなかったリハーサルも入れるとこれで5回目
ここまで来ると、実は、そろそろ違うジルダを聴きたいかな~、と秘かに望んでいたところ、エカリリーナ・シウリーナが喉を感染したとかでドタキャン。こんなこと言ってはナンですが、なんてラッキーなんでしょ
そう思えるのも、念の為に数回分確保しておいたからですが、これで代役公爵のフランチェスコ・メリと代役ジルダのルーシー・クロウLucy Croweを聴くことができたわけだから、甲斐があったというものです。こんなことができるのも切符代が安いからですが、今回もストールサークル4回とバルコニー席のリハーサルで5回分計56ポンド。
いつものことながら、私のような貧乏人オペラファンにとってロンドンは世界中で一番恵まれた街と感謝
イギリスで若いソプラノ一番手のルーシーちゃんは、「ダイドーとエネアス」と「薔薇の騎士」でROHにはすでに出ているのですが、昨日は彼女としては声もよく出て好調だったと思います。それでも、ジルダならこの人という名人エカテリーナ・シウリーナとは比べ物になりませんが、今までの他のジルダと比べても決してひけを取らないくらい立派な代役ぶりでした。
シウリーナ嬢のピュアで滑らかな歌唱と余裕のある演技と比べると、若いルーシーちゃんは緊張してるせいか歌も演技も硬かったけど、そこが新鮮と思えなくもないし、大健闘ぶりには好感が持てました。声に個性がないので大スターになれるとは思えませんが、大劇場でそこそこ貴重な存在にはなれるでしょうから、イギリスを代表して頑張って頂きたいものです。
グリゴーロ君を見るのもこれがこのリゴレットで4回目で、さすがに新鮮味に欠けるわけですが、はじめて逆側の席だったので、違う角度からグリゴーロ君からを愛でることができたので満足。酒場のおねえちゃんマッダレーナをかき抱く場面、こちら側からだとその過激さがよくわかり、マッダレーナはスカートめくられてパンチラだったし、嘗め回すようなねっとりキスもしてました
パフォーマンスはいつも通り元気一杯でしたが、カーテンコールのグリゴーロ君はいつもより控え目だったような気がします。17日は世界中の映画館で生中継されるので、きっと大はしゃぎで、なにかあっと言わせるようなことしてくれそうですが、残念乍ら私はその日は行きません。知ってたらその日の切符も確保しておいたのですが、中継には興味ないので(切符代も高そうだし)。
リゴレットだけが5回ずっと同じ歌手で聴いたのですが、ディミトリ・プラタニアス君は私が不満だった演技面も徐々に改善し、この日はちゃんと悪い姿勢を保った場面が多かったし、彼に段々慣れてきて他のリゴレットと比べることが減ったせいか、だいぶしっくりしてきました。
そうなると歌も更に上手に聴こえて、5回目でも「あ~、飽きた」とは思いませんでした。他のバリトンで聴いてみたい気もちょっとしましたが、彼より上手な代役などいるわけないから、これで良かったんでしょう。
というわけで、何度聴いても素晴らしい名作リゴレットを素晴らしい歌手で心ゆくまで堪能できましたが、これでお終い。でも、17日の世界中への生中継までにはシウリーナ嬢が回復してくれることを祈ってます。
先回までの感想をまとめた記事の動画数件を、無名時代からグリゴーロ君の大ファンでらっしゃるkeyakiさん(グリゴーロ君応援ブログは→こちら )がYouTubeにアップして下さったので(→こちら )、そちらもご覧下さいですが、この日の動画はこちら。