<11th Jun Sat>
昨日、ロイヤルバレエの昇進が発表になり、20年以上ぶりに日本人プリンシパルが誕生したことは日本の方がニュースになってたようです。高田茜さんと平野亮一さんと二人もだし。毎年仲間たちと「今年も日本人は誰もプリンシパルになれなかったね、あんなに活躍してるのに」、と言い合っていたので、これで不満解消。ユーフィー・チョーさんも一緒に昇進できたらもっと良かったですけどね。
3日前に日本から戻ってから仕事で時差ボケ感じてるヒマもなかったんですが(昨夜のピアノリサイタルは半分寝ちゃったけど)、やれやれ、やっと週末に。ご一緒した方々に御礼と写真を送らなければならないのですが、楽しい思い出に浸りつつブログも少しづつ更新できるかな。まずはこの旅行のきっかけとなったローエングリン。
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写真はクリックで拡大します
日本到着翌日の5月26日、新国立劇場にローエングリンを観に行きました。
お連れの方は着物でいらして下さいました。他にも着物の方がたくさんいらしてて心弾む良い雰囲気の新国。
このお二人はもうすぐロンドンにいらっしゃるのでその時は着物でオペラにご一緒するのですが、今回私は着物を持ってないので洋服で。黄色のジャケットとスカートは皺にならないように機内で着てましたが、ほとんど全てを行方不明になったスーツケースに入れてしまったので、黒のトップとネックレスと化粧品も泊めて頂いてる友人に借り、靴はここへの途中で買ってなんとかサマになったかしら。
日本で初めて観るオペラ、縦書きの字幕に最初は面食らいましたが、やっぱり母国語はすんなり頭に入るし、なによりもサムライ言葉になってるのが面白くて、何度も観てるオペラだしご贔屓が歌ってるパスしようと思ったのに、つい全部読んでしまいました。文体によって設定と雰囲気が表現できる日本語って凄い
ワーグナーでこんな薄い音のオケは始めてだったし、コーラスも厚味不足、他の主役級の歌手たちもどうってことなくて、予想通りクラウス君(クラウス・フロリアン・フォークト)の独り舞台でしたが、目的は彼だけだったし、隅っことは言え前から2列目からクラウス君が拝めて充分幸せな私
クラウス君のローエングリンはミュンヘン(→こちら )とベルリンで2回(こちら とこちら )、他にも何度か主にドイツに追っ掛けしてますが、今回は一番シャープな声に聴こえ、ソフトさに少々欠けた気もしましたが、こうして鋭く突き刺さってくる彼の声も良いもので、時差ボケも全く感じず、うっとり聞惚れました
プロダクションもドラマとしてわかりやすくてなかなか良かったし、小柄な日本人の中でクラウス君はさらに背が高く見えてますます魅力的
日本ではカーテンコール写真が撮れないのも気楽でよかったです。海外では上手く撮れるかしらと緊張するし、劇場によっては注意されることもあるのでドキドキなんですよ、いつも。そして、なによりもクラウス君の嬉しそうな顔を生で見ながら感動して拍手できるのも新鮮でした。この方が思い出に残るってもんでしょう。
終了後はステージドアに行きましたが、お行儀よく列を作るのもさすが日本人と感心したし、クラウス君の丁寧な対応も素晴らしくて、和やかで一体感のある今まででベストな出待ちでした。
時々列から離れて彼を横から撮りましたが、足元の彼のバッグの横に私の椿柄バッグ(中にもう一つバッグが入ってる)を寄り添わせてツーショットしちゃお (ファンサービスで忙しいクラウス君はアホなことしてる私には気付かなかったと思いたい)。
私の番が来て、「ベルリンの暗闇で声掛けたこともあるのよ」(→こちら )と言ったら、そんな筈ないのに「覚えてるよ」、と言ってくれるサービス満点のクラウス君、疲れてるだろうに皆に素敵な笑顔を振りまいて本当にチャーミングったら オペラ歌手でなくても惚れるわ。
いいなあ、Nさんの生紬、クラウス君のシャツの色とマッチしてますよ。
悪女オルトルート役のペトラ・ラングにもご挨拶。「8月にバイロイトで貴女のイゾルデを聴くのよ」、と言ったら喜んでくれました。
その後5人でオペラシティ上階にある東天紅の個室でゆったり夕食しましたが、素晴らしいオペラの後に仲間と感激を共有できるのは格別。 おまけに綺麗な夜景 最高に幸せ
というわけで、これに合わせて日本に来てよかった、間に合ってよかった、とつくづく思った幸せな日本滞在のスタートでした。
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