<26th May Fri>
会社帰りの午後に久し振りにバラ・マーケットにでも行こうかと思ってたんだけど、こんなに暑くては外を歩きたくないのであっさり帰宅。満開の我が家の庭のバラの花を何本か切って花瓶に刺したんですが、バラって棘があるんだったわ・・。痛い (あっ、バラ・マーケットとバラの花って、日本語にすると洒落になってる?)
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ドニゼッティの愛の妙薬のリハーサルに昨日行ってきました。
9公演あって、切符販売時の予定ではテノールが3人(ヴィラゾン4回、マグリ1回、アラーニャ4回)、ソプラノは二人(ヨンデ5回、クルザック4回)でしたが、かなり早くヴィラゾンが降りて、代役がリパリット・アヴェティスヴァンという全く無名のアルメニア人に。ゲジゲジ眉毛ことヴィラゾンは嫌いだけどいまや大活躍のプリティ・イェンデは逃せないのでマグリと共演する日の切符買っておいたのに、リサイタル(→こちら)でのマグリのあまりにも濁ったに失望してこれも避けなきゃいけなくなり・・・、と問題含みの前半チーム。幸いリハーサルの良い切符が取れたので、プリティ嬢だけを目的に昨日行ってみたところ、これが嬉しい驚きで、テノール君が凄く上手だったので、インターバルにボックスオフィスに走り(工事中なのでボックスオフィスは少し離れた所にあるんです)、初日の切符を買いました(新に放出されたばかりの舞台脇のお得な席を狙って)。
L'elisir d'amore
Music Gaetano Donizetti
Libretto Felice Romani
Director Laurent Pelly
Set designer Chantal Thomas
Costume designer Laurent Pelly
- Conductor Bertrand de Billy
- Adina Pretty Yende
- Nemorino Liparit Avetisyan
- Dulcamara Alex Esposito
- Belcore Paolo Bordogna
- Giannetta Vlada Borovko
内容については過去記事でご覧頂くとして(→こちら)、要するにアホな田舎のニイチャンが高嶺の花のお嬢様のハートをゲットしようとしてインチキ妙薬を飲むというコメディですが、なんか心温まるラブストーリーで、甘く弾けるドニゼッティの音楽は素晴らしいし、ローラン・ペリーの1950年代のフランスの田舎の雰囲気もほのぼのとして素敵なんです。
経歴はしょぼいしYoutubeでも全く良いと思わなかったテノールのリパリット君(苗字は難し過ぎる)でしたが、くるくる動いて生き生きとした演技がナチュラルで素晴らしかったです。アラーニャやグリゴーロも上手だったけど、他の役でも見てるし「上手に演じてる」と感じてしまうのに対し、リパリット君はROHには椿姫で出たことあるけど私は聴いてないこともあって、ネモリーノそのもの。 ご覧の通り、小柄で顔もこんなですからシリアスな二枚目役ではぱっとしないでしょうが、歌も上手だし、ネモリーノだったらどこの大劇場に出ても立派に通用します。 歌も上手。 一番大きな拍手をもらって自信をつけたリパリット君が明日の初日にどう弾けてくれるか楽しみ。
既に大活躍の南ア出身のプリティ・イェンデ、これがROHデビューですが、期待以上の澄み切った美声が実に素晴らしいので、例えテノールがひどくても彼女を聴くだけでももう一回行く価値あり。 お茶目なクルザックに比べると演技がおとなし過ぎてつまんないと最初は思ったのですが、大袈裟なネモリーノとこれはこれでバランスが取れてるし、こういうおっとり上品なアディナ嬢も良いかも。
先回の恋愛中のアラーニャとクルザックのような熱々は期待できないですが、二人のケミストリーは回を重ねるごとに増していくのでしょう。
ベルコーレ軍曹がこれまた爆笑もの。歌は特に感心する程じゃないけど、コメディセンス抜群のキザ男はこのオペラの重要な要素ですから、このバリトンは大正解。
ネモリーノ坊やとベルコーレ軍曹の明るさの影で少々存在感薄かったのはエスポジートのインチキ薬売り。 芸達者な彼は勿論すごく上手いのですが、なんか雰囲気暗くてシニカル過ぎ。今までのドゥルカマーラが可愛げのあるちょい悪オヤジだったのに比べると、クールで頭が良さそうな本当の悪漢という感じ。もうちょっとポワーンとした方が好みなんですけど。
明日の初日が終わってから今までの歌手たちと比較しますね。