<28th July Fri>
昨夜観たイギリス人の白鳥の湖の王子様がマリインスキー・バレエのプリンシパルに昇格したことが話題になってますが、それについては少々お待ち頂くとして、2週間前にコンサートのことををまず。バレエはおまけで、一応オペラ中心のブログなんで。と言いながら、これから暫くバレエ漬けになりそうです。
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7月14日、ROHのアラーニャ夫婦のトゥーランドットの切符を始末してまで聴きに行ったカドガン・ホールのコンサート。お目当てはテノールのマイケル・スパイヤーズ。
40年程前から埋もれている作品の発掘に熱心なOpera Raraのコンサートらしく、聴く機会が少ない演目が中心で、この日もいつくかはイギリスで初めて演奏されるものだそうです。
オケは1858年創立でマンチェスターが拠点のハレ管弦楽団The Hallé。指揮はカルロ・リッツィ。
アメリカ人のマイケル・スパイヤーズはこないだROHのミトリダーテ(→こちら)のタイトルロールで4回聴き、長いオペラなのでさすがに「病欠して代役で聴きたいかも」、と思った歌手も多かった中、彼だけは何度聴いても飽きず、始終うっとりしました。テノールにとっては命である高音がうまく出ないこともあって世界一のテノールとは言えませんが、特に中低音がなめらかで細過ぎない艶のある声が大好き。 今ミュンヘンのオペラ・フェスティバルでホフマン物語に出てるんですが、カウフマンやポレンザーニという名だたるテノールと比べても(ルックスとスターとしての素質で劣るのは別とすれば)歌唱力ではそんなにひけを取らないと思うんですよね。来月エジンバラ・フェスティバルで「ファウストの劫罰」を聴くのが楽しみ
スパイーヤーズだけでたっぷり歌ってくれたらもっと嬉しいのですが、残念乍らこの日はソプラノとの共演。アンジェラ・ゲオルギュー似の美人であるジョイス・エルコーリーは今年2月のROHの椿姫(→こちら)で観たのですが、ルックスも含めた総合点ではまあまあであっても歌唱面では特に印象に残らなかったレバノン系カナダ人。 この日は「風邪ひいてるけど歌います」ってことで、ますますがっかりでしたが、具合悪くてもちゃんと歌えた上、下手でも不快な声でもないしテクニックはしっかりしてるし、なんと言っても美人なので良しとしましょう。知名度も大したことないむさくるしいテノールだけじゃあ切符も売れないでしょうからね。
さあ、週末だ!
明日もバレエだ! 4回目のマリインスキーだ!