<30th July sun>
ムスメが今1週間程南仏旅行に行ってて、トーチャンは猫の世話係としてムスメのフラットで過ごすことが多いので、彼がいるとやりにくいことを優先しなければ(例えば整理整頓とか)。 ブログなんか書いてる場合じゃない。
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ザンダー・パリッシュXander Parishという31歳のヨークシャー出身のバレエダンサーがロシアのマリインスキー・バレエのプリンシパルに昇格したことが一般紙でも取り上げられてニュースになりました
イギリス人入団すら初めてなのに外国人では二人目のプリンシパル(最初は韓国人のキミン・キム君)で、12歳からロンドンのロイヤルバレエで学び、ロイヤルバレエに入団したのに数年間脇役ばかりだったところをマリインスキーの監督に見出され、そこで花開いたというシンデラレ物語は勿論めでたいのですが、昇格発表のタイミングがロンドンでの引越公演初日の「白鳥の湖」終了直後って、ロイヤルバレエに対するあてつけとしか思えませんよね。
ロシアかイギリスかザンダー君が迷っている時に「ロンドンでもっとやりがいのある役をやりたい」と懇願したのに冷たくあしらわれたといういきさつから、異国で頑張った結果の今回の昇格は最高のリベンジなわけで、それはそれは劇的で面白いのですが、私は昇格自体に大いに驚きました
以下、私の率直な意見(顔がダンサー評価の重要なポイントになってるかもと自分でも思うド素人感想ですけど)。
ザンダー君は背が高くて美男子で上手という評判だったので、7月27日の白鳥の湖の初日を楽しみにしていたのですが、故郷に錦を飾った彼が舞台に登場して拍手が起こった時そこにいたのは、期待してた「立ってるだけでオーラを放つ王子様」ではなく、なーんか地味で貧弱な男。 うーん、顔が地味なのが華やかさに欠ける理由かなあ。 背もそんなに高くないし(キム君より小さいと思う)、踊りも特に上手とも思えず・・・(このバージョンはきっと昔からほとんど変わっていないのでしょう、王子様はほとんど踊らず主に女性のサポート役なので踊りの実力はわからないのですが)。
で、それならお芝居が一層大事なわけですが、地味な顔立ちの彼が一生懸命恋する王子様を演じてもぱっとしなくて・・・。せめて他のダンサーのようにもっと濃い化粧しないと。
こんな退屈な白鳥の湖は初めてとすら思ったのは、その時は古めかしい振り付けのせいだと思ったのですが、二日後に違うキャストで又観たら、今度は可愛い役者顔の若い王子様がとても良かったっせいか、とても楽しめたんです。 ランクの低い子に全ての面で負けてしまい、プリンシパル昇格がますます疑問に思えます。
でも、まあ、この日は緊張し過ぎて踊りも芝居も硬くなったのかも知れず、このパフォーマンスだけで判断してはいけないでしょうから、もう少し様子を見ましょう。 あと再び白鳥の湖とアンナ・カレーニナで彼を観ますからね。 でも、正直、楽しみではなく、他のダンサーじゃないのが残念で・・
白鳥オデットと黒鳥オディールはプリンシパルのヴィクトリア・テリューシキナでしたが、ドン・キホーテ初日(→こちら)よりはずっと彼女のキャラに合ってます。 二つの役のコントラストをもっと強く出したら盛り上がったと残念だったのですが、他の日のオデット/オディールも似たようなものだったので、ここはそういう志向なんでしょうか?
因みに、ザンダー君、カーテンコール写真ではよく顔がわからないでしょうが、こんな顔。今はもうちょっと老けて頬もこけて劣化してるかな。整ってはいるけど、どうってことないでしょ。少なくとも私の好みではないわ。