<29th May Tue>
そろそろバカ陽気も終わると言われてますが、今日はまだなんとか保ちました。明日もまだ夏服が着られるかしらん?
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バレエにまで何度も行きだしたひにゃ、ROHにほとんど毎日行かなくちゃならなくなるので、ぐっと我慢してるわけですが、でも、折角高いお金出してサポートフレンズになってるんだから、バレエ予約にも利用しなくちゃ勿体ないと思ってしまうセコイ私。
それなら、一応有名なバレエくらいはカバーしておこうと、5月21日と26日の2回、シルフィードを含む二本立てに行きました。
しかし、写真は動画は撮ったものの、さてレポートを書こうとすると、バレエには疎い私のこと、困ってしまうばかりで、また書かず終いになってしまうのかな、と思っていたら、強力な助っ人が
以前も代わりに記事を書いて下さったバレエに詳しい会社の同僚が2回とも同じ日にご覧になったので、今回も図々しくお願いしたら、私とは格段に違う知識とバレエに対する愛情に満ちたレポートを素晴らしい文章でさっと作ってくれました。感謝しつつ、以下、そっくりそのまま使わせて頂いたいちゃいましょう。
シーズンもいよいよ終盤に差し掛かったロイヤルバレエ団は、ジョージ・バランシンの小品Ballo Della
Reginaと三大バレエブラン(白いバレエ)のひとつであるブルノンビルのLa Sylphideを上演しました。(白いバレエのあと二つは白鳥の湖とジゼル)
シーズンも後半である為、例年のごとくプリンシパルの故障者が続出。加えてバレエ団は、今シーズン前半に突然退団したセルゲイ・ポルーニンの穴埋めもしなければならず、プリンシパルキャストは幕開け寸前まですったもんだしましたが、私たちが見に行った初日と週末のマチネ公演は、とりあえずお目当てのアリーナ・コジョカル(初日)とタマラ・ロホ(マチネ)は無事に登板でほっとしました。
Ballo Della Reginaはわずか18分の小品です。
水の中をイメージした振付は、バランシンの作品の中でも最も難しいと言われており、特に女性リードはかなり高度なテクニックを持ち合わせていないとこの役は踊れません。それになにしろスピードが速い!!よくシャンパンに例えられます。弾けるように軽やかに踊る、と。
初日(ファーストキャスト)は女性リードをマリアネラ・ニュヌス、男性リードをネマイヤ・キッシュが踊りました。
マリアネラは、もう全てが素晴らしい!!!この一言に尽きます。
ステップの正確性、18分間最後まで落ちないスピード、踊りこんでいくうちにこれらはむしろどんどんパワーアップするくらい!!!
ポワントでジャンプしてポワントで着地なんていう凄いことも可愛い笑顔で難なくこなしてしまって本当に凄い!!!
反面、相手のネマイヤ・キッシュはというと・・・・・うーん、なんなんでしょうか、この人は。
どのステップも大雑把でキレはないし、軽やかに、からは程遠く、なんだかもっさりした感じ。
唯一彼のセールスポイントである安定したサポートも、この日はいまいちだったし・・・・。
前回はマリアネラの相手はセルゲイ・ポルーニンが務めたのですが、他人(キッシュ)の舞台を見ながら、こんなにもセルゲイを懐かしく思い出したことは未だかつてありませんでした。
それほどまでに前回踊ったセルゲイは強烈で素晴らしく、今回代役で登板となったキッシュは残念ながら情けなかった、と言うことです。
マチネ(セカンドキャスト)は女性リードをラウラ・モレラ、男性リードをフェデリコ・ボネリが踊りました。
もともと女性リードはローレン・カスバートソンでしたが、彼女は足の故障の為残念ながら降板。ピンチヒッターとなったラウラは、技術的にはロイヤルのプリンシパルでも異議は無いのですが、こういったモダンバレエの、身体の線をあらわにさらしてさらにそれを強調するようなコスチュームを身に着けると、やや見栄えが悪く、よってそのビジュアル的不利な面が踊りにまで影響してしまって残念な結果に。
相手のフェデリコは、お昼の公演だったからなのか、まだ半分寝てるの???と、ちょっと疑いたくなるような、普段のフェデリコを思えば信じられないようなちょっとしたミスを連発。ダンサーはみんな夜型だから仕方ないかな~。
ファーストキャストに比べ、ややパワーダウンの感あるセカンドキャストのリード2人に反し、この日は群舞の中の4人のリードを踊ったメリッサ・ハミルトン、ヘレン・クロフォード、イッツァール・メンディザバル、小林ひかるちゃんがそれぞれソロを踊っても4人で踊ってもバランシンのバレエを体現していて素晴らしかったです。
La Sylphideはロイヤルバレエ団で上演されるブルノンビル振付の数少ない作品のひとつで、2幕構成の1幕目は、主役シルフィード以外の舞台に上がるキャストのほとんどがスコットランソの民族衣装であるキルト着用という珍しいバレエです。ま、これは物語がスコットランドの農村、ということだからなのですが。赤系、青系、黄色系と微妙に色調の違うキルトの衣装は男性女性共にとても可愛らしく、私がこのバレエが大好きな理由のひとつでもあります。子供のカップルが3組出てくるのですが、子供のキルト姿もこれまためちゃくちゃ可愛い!
21日の初日はシルフィードをアリーナ・コジョカル、ジェームスをスティーブン・マクレー、エフィをエマ・マグワイアー、ガーンをバレンチーノ・ズチェッティ、マッジをクリスティン・マクナリーが踊りました。
シルフィードはアリーナの18番のひとつ。怪我で長期休養を余儀なくされる前は、小枝のように細くて小さくって今にも折れてしまいそうな華奢な容姿が妖精そのものだったアリーナですが、大きな怪我から復帰後は、心なしか身体が一回りくらい大きくなって(と言っても、一般人のレベルからしたら充分に細いのは変わりませんが)、久々のシルフィードはどうだろう?と思いきや、こんな思いは杞憂でして、アリーナは踊っても、演技しても、佇んでいても、とにかく存在そのものがシルフィードでした。
2幕目でシルフィードはエフィを捨てて彼女を捕まえようとするジェームスを散々翻弄するのですが、その
時の表情がコロコロと可愛らしく7変化し、こんなに可愛い妖精が目の前に現れて自分に誘いを掛けたなら、大抵の男性はコロッと自分を見失うだろうな~と、同性の私でも思ったほど。
終盤ジェームスが持っている魔法のショールをシルフィードが欲しがる場面があるのですが、その時のおねだりポーズもアリーナでなければあんなに可愛らしく出来ません!
アリーナの相手ジェームスを踊ったスティーブンはこの日がこの役のデビュー。
今でも日々上達しているんじゃないかな?と思わせるほどの技術と、バレエ団で一番と評される音楽性を持ち合わせたスティーブンが踊るジェームスは、期待が大きすぎたせいか、うーん、あと一歩!ブルノンビルスタイルと呼ばれるフットワークは完璧で、踊りの部分では失点付けがたかったけれども、演技の部分でもうちょっとメリハリがあっても良かったかなー。特に2幕目はシルフィードの虜になって、ただただでれでれするだけに見えてしまったんだもの・・・。
とは言っても、セルゲイ無き今、ロイヤルバレエの看板男性プリンシパルはスティーブンだから、来シーズンもどんどん新しい役に挑戦して欲しい!!!
初日は、準主役のエマ(エフィ)とバレンチーノ(ガーン)も好キャストでした。
エマはソリストになってからますます成長著しい若手のホープ。可愛い顔立ちと容姿にも恵まれているので、これからの成長が楽しみ。
バレンチーノはファーストアーチストというソリストよりもひとつ下のランクに在籍ながらこのところソリスト、いや時にはそれ以上の役をもらっているこちらも期待のホープ。1幕目でジェームス役のスティーブンと掛け合いのように踊る場面があるけれど、スティーブンのオーラに押されること無く、彼の舞台での存在感もばっちり。跳躍はもしかしたらバレンチーノの方が高かったんじゃない?
最近は踊りと平行して振付にも興味があるみたいだけれど、間違っても振付一辺倒になって欲しくないなー。もしそうなったらあまりにももったいない!
26日のマチネの方はシルフィードをタマラ・ロホ、ジェームスをダヴィード・Trzensimiech(←読めません)、エフィをロマニー・パダック、ガーンをヨハネス・ステパネク、マッジをギャリー・エイビスが踊りました。
この日はタマラのシルフィードも目当てでしたが、それよりもルパート・ペネファーザーのジェームスが見たくてチケットを予約していたのですが、ルパートは怪我の為降板。残念。
一体誰が代わりに踊るのかしら?とやきもきしていたところ、シーズン当初にこの役にキャストされていたセルゲイの代役で抜擢されたダヴィードが、ルパートの分もカバーするということが土壇場で発表になり、うーん、やや複雑な気持ちで見に行きました。
彼ダヴィードは決して嫌いじゃないけれど、まだ彼目当てでオペラハウスに通うほど見たいダンサーではないし、第一タマラとのペアって合うのかな???と、猜疑心の方が強く、でもそんな気持ちで望んだせいか、舞台を見た後の感想は、案外悪くはないんじゃないの?!?
彼がロイヤルで主役を踊ったのはこれが初めてではなく、去年上演されたくるみ割り人形では高田茜ちゃんの相手を務め、この時の印象は非常に控えめで好感の持てる青年。
今回のジェームスも印象はまあ同じ。踊ればそれなりにフォームは綺麗だし、正統派のダンスールノーブルなんでしょうが、うーん、残念なことにいまいち華がないのです。
まあ、生まれながらのスターというのはなかなかいないので、ダヴィードもただ標準的なだけかと思いますが・・・。
で、その彼が演じたジェームスなんですが、結婚式の当日に可愛い花嫁を捨てて妖精シルフィードに心変わりする浮気なジェームスを演じるには真面目すぎる!!!しっかり踊れても、微妙な心の動きを演じるまでには到底至らず、彼も次回に期待!
一方タマラはアリーナが演じた真の妖精とは違い、ずっと生身の人間っぽい。だけど子悪魔のような魅力に満ちたタマラはそれはそれでとても可愛く、最後に呪いのショールに巻かれて息絶えるシーンでは、女優バレリーナそのもので、観客を完全に舞台に引き込んでしまいました。その力はやっぱり凄い。
来シーズンタマラがいなくなっちゃって寂しいな、としみじみ思いました。
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