<14th Jan Sun>
明日から又忙しくなるので、この週末に来週末のパリ小旅行の準備開始。ご贔屓テノールがずっと前、ユーロスター確保前にキャンセルしたので凄く迷ったけど結局行くことにしたこのパリ旅行、オペラ遠征前の「キャンセルされたら悲しいわあ・・」とハラハラしなくても良いので気がすごく楽だし、時間も経ってショックからも立ち直り、折角だからパリをしっかり楽しもうというポジティブな気持ちだけになってます。 で、その延長で、半年以上も迷ってた5月のオペラ遠征も駄目元で行く決心がついて、フライトを購入しました。ウィスバーデンのタンホイザー(勿論クラウス君)ですが、迷い疲れてたのがすっきりできただけでも嬉しい
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3年前のROHとラウンドハウスの初コラボレーションのオルフェオに続くモンテヴェルディ第二弾の初日(1月10日)に行ってきました。Roundhouseの様子などはその時の記事(→こちら)でご覧下さいですが、電車のエンジンを倉庫内の色んな場所に収納するために使われていた丸いターンテーブルをそのまま舞台にしてます。
今回のウリッセの帰還(英語だとThe Return of Ulysses、原題は Il ritorno d'Ulisse in patria)、古代ギリシャの英雄ユリシーズが長い流浪の末に戻ってきて、西洋では身持ちの硬い女性の代名詞である妻ペネロピーと再会する夫婦愛の物語
真ん中で演奏するオーケストラも円形の舞台もゆっくり回転します。
私の席はかなり後ろで(それでも30ポンドもした・・)、スピーカー使用なので音はちゃんと聞えますが、なんだか全て遠くで起こっているようで臨場感は無し。 でも、実はペネロピーのクリスティーン・ライスが体調悪くて口パク演技だったので、そんな不自然なのを近くで観なくて済んで良かったかも。
- Music Claudio Monteverdi
- Libretto Giacomo Badoaro
- Director John Fulljames
- Set designer Hyemi Shin
- Costume designer Kimie Nakano
- Lighting designer Paule Constable
- Movement director Maxine Braham
- Translator Christopher Cowell
Conductor Christian Curnyn
- Ulysses/Human Frailty Roderick Williams
- Penelope Caitlin Hulcup (Christine Riceの代役)
- Telemachus Samuel Boden
- Minerva/Fortune Catherine Carby
- Eurycleia Susan Bickley
- Melantho/Love Francesca Chiejina
- Eurymachus Andrew Tortise
- Eumaeus Mark Milhofer
- Irus Stuart Jackson
- Amphinomus Nick Pritchard
- Peisander Tai Oney
- Antinous/Time David Shipley
- Orchestra Early Opera Company
私の好きなイギリス人若手テノール総出演だったので(サミュエル・ボーデン、アンドリュー・トーティス、ニック・プリチャード、スチュアート・ジャクソン)、彼らが歌ってる間はとても楽しめましたが、なんせちょい役ばかりでワクワクできた時間はあまりにも短い。 その中では、ユリシーズの息子役のサミュエル・ボーデンが得な役で目立ち、小柄ながらマッチョな上半身裸がビジュアル的にこの日のハイライト
ユリシーズ役のローデリック・ウィリアムスはベタ褒めされて上手だったけどちょっと線が細すぎ。 代役のペネロピー役が心配でしたが(「歌ったことないけど、この週末に覚えました」ってアナウンスあったし)オケピットの中で譜面を観ながら歌ったケイトリン・ハルカップは深みのある声で立派に急場を救ってくれました。黒人のアメリカ人カウンターテナーのタイ・オネイは全く駄目。
レビューはこちら(クリックで記事に飛びます)。直前に40%オフのオファーも出て、今もたくさん売れ残ってるけど、レビューさえ良ければ成功ってことでしょうか?
Independent ★★★★★
Arts Desk ★★★★
Telegraph ★★★★
What's On Stage ★★★★
Bachtrack ★★
脇役に至るまで充分に練習して臨んだのは明らかな熱演で、概ね良いレビュー通り歌も演技も良かったのですが、オペラ自体には惹かれませんでした。 音楽は典雅で美しいけれど、ゆったりし過ぎて退屈なのは古いスタイルに慣れてないせいでしょうから仕方ないとして、なんだか本筋のストーリーに関係ない展開が多くて凄く退屈。 インターバルでトンズラした人が続出したのも頷けます。 英語翻訳なのも私は嫌(字幕あり)。
衣装担当は中野キミエさんという日本人女性なのですが、初日なのに演出チームがカーテンコールに出てこなかったのも残念。 セットが全くないのでいわば衣装が主役なわけですが、時代を特定しない新旧混じりがタイムレスでなかなか良かったです。
オペラの元祖を言われるモンテヴェルディ、ここで3年前のオルフェオの他にバービカンでポッペアの戴冠を聴いたことがありますが(→こちら)、今回のが一番冗長で楽しめませんでした