<25th Jan Thus>
バービカンの来シーズン、一昨日発表になったばかりなのに早くも今日販売開始とは、今年は余裕がないこと。慌てて一年分選んで今朝は会社を休んでバトル参戦しましたが、早かったおかげで一年のメンバーシップが切れる直前に買うことができたのはラッキー。しょぼいラインナップなのに(→こちら)、良い席が選び放題だったので調子に乗って18回分も買ってしまい、半分くらい一緒に行くトーチャンの分も入れると軽く千ポンド。 パリのことを書き始める前に、書き掛けだったオペラ記事をまず片付けましょう。
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1月17日に行ったRシュトラウスのサロメですが、まずどんな話かと言うのを以前の記事からコピペしましょう。(フルタイムで働いて今よりずっと忙しかっただろうに、以前は頑張ってたのね)。
(登場人物はヘロデ(古代パレスチナ王)、ヘロディアス王妃(ヘロデの妻。前はヘロデの兄と結婚していた)、サロメ(ヘロディアス王妃の娘)、預言者ヨカナーン(キリストに洗礼を授けた預言者で捕らわれの美男子))
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サロメ 「いやだわ、継父のヘロデ王のエッチな目つきったら。パーティから抜け出しちゃおうっと。ほれ、家来ども、井戸にとらわれてる妙な男、王が恐れているようだけど、一体どんな人?醜い爺さん?」
家来 「サロメ王女、救世主がどうとかこうとかわけのわからんことばかり言う囚人はまだ若い男でありまする」
サロメ 「声が素敵だわ。その男に会わせておくれ。すぐ連れてくるのよ」
ヨカナーン 「汚れた異教徒の女なんか見たくもないぞ、俺は。シッシ、あっち行け~」
サロメ 「まあなんて美しい男! 気に入った! ねえ、キスして頂戴」
ヨカナーン 「お前の母さんで~べそだぞ、どいつもこいつも堕落してやがる。救世主に救いを求めななさい」
サロメ 「ねえ、キスしてったら~~、して~、して~、イケメーン」
ヨカナーン「わしはイケメーンではなくてヨカナーンじゃ。やな女だな、シッシ、」
ヘロデ王 「サロメちゃーん、こんなところに隠れてたのね。どうじゃ、わしのためにストリップしてくれたら、なんでも欲しいものあげるよーん」
サロメ 「何でも欲しいものを? 本当ね。 わかったわ、パパ、踊ってあげる」
ヘロデ王 「キャヒーン、グフフ、興奮~ 」
(チャンチャラチャーンと官能的な「七つのベールの踊り」)
ヘロデ王 「サロメちゃん、最高! さあ何欲しいの? 宝石かな、ドレスかな?」
サロメ 「この銀のお盆にヨカナーンを首をのせて持ってきてちょうだい」
ヘロディアス王妃 「おお我が娘よ、よく言った!私の悪口ばかり言うあの男には死んでもらったほうがいいわ」
ヘロデ王 「ぎょっ、そ、それは勘弁してくれんかの。異教徒であっても聖人を殺したら災いが起きると困るし」
サロメ 「エロ親父、何でもあげるって言ったじゃんよ~。ヨカナーンの首が欲しいったら欲しい!頂戴!」
ヘロデ王 「仕方ない。首をちょんぎって、サロメに渡すように」
サロメ 「わーい、ヨカナーン、やっと私のものになったのね、これでキスできるわ。ブチュブチュブチュー」
ヘロデ王 「こ、怖い変態女め。死刑!」
Music Richard Strauss
Libretto Hedwig Lachmann
Director David McVicar
Designer Es Devlin
Lighting designer Wolfgang Göbbel
Choreography and movement Andrew George
Video designer 59 Productions
Conductor Henrik Nánási
- Salome Malin Byström
- Jokanaan Michael Volle
- Herod John Daszak
- Herodias Michaela Schuster
- Narraboth David Butt Philip
- Page of Herodias Christina Bock
以下の通り、なかなか良いレビューでしたが(クリックで記事に飛びます)、それは主にサロメ役のスェーデン美人マリン・バイストロムによるところが大きいでしょう。
Telegraph ★★★★
Bachtrack ★★★★
Guardian ★★★★
Evening Standard ★★★★
Financial Times ★★★★
What's On Stage ★★★★
Music OMH ★★★★
Times (£) ★★★
Arts Desk ★★★
The Stage ★★★2008年のプレミエのナジャ・ミヒャエルズ(→こちら)、2010年と2012年のアンゲラ・デノケ(こちら→こちら)に続く3人目のサロメはオペラ界のバービー・ドールであるのマリン嬢。
コジ・ファン・トゥッテのROHデビュー以来(→こちら)、ここにはたくさん出てくれて、いつもその美しさと個性的な声に魅せられますが、このサロメは綺麗なだけでなく、歌も演技もワイルド過ぎたナジャ、歌唱力は凄いけどお上品過ぎたデノケと比べると適度な狂気と厚味のある声のマリン嬢がベスト。案の定、着替える時にスリップの紐が外れましたが、オッパイ丸出しになったデノケの失敗から学んだのか、ちゃんとガードしてあり、心配なく激しいアクションが出来たことでしょう。
- サロメが恋焦がれるヨカナーン役はミヒャエル・フォッレの再登場。色白の美男子という設定からは程遠い体格ですが、いつものように迫力ある声が響き渡りました。
サロメの母親役のミヒャエラ・シュスターはねっとりした目付きは良かったけど、少々不調だったのか、声が乾いてて声量も彼女にしてはイマイチだったのが残念ですが、その分、夫役のスケベ継父のジョン・ザスザックが、芝居はあっさり目だったけど、私好みの澄んだテノール声で穴埋めしてくれました。