今日はマクベスのリハーサルでした。
2011年のプレミエ(→こちら)以来だと思うのですが、今回はROHとしては豪華な面子を揃えてくれ、リハーサルでも撮影してたし、皆さん気合が入って、素晴らしいパフォーマンスでした。 日曜日が初日ですが、5ツ星ももらえるでしょう。
Music Giuseppe Verdi
Libretto Francesco Maria Piave
Director Phyllida Lloyd
Designer Anthony Ward
Lighting designer Paule Constable
Choreography Michael Keegan-Dolan
- Conductor Antonio Pappano
Macbeth Željko Lučić
- Lady Macbeth Anna Netrebko
- Banquo Ildebrando D'Arcangelo
- Macduff Yusif Eyvazov
- Lady-in-waiting Francesca Chiejina
- Malcolm Konu Kim
ネトコちゃんなんて呼ぶのが憚られるような貫禄たっぷりのアンナ・ネトレプコですが、彼女が女性歌手の中で一番切符争奪戦が激しいのは当然です。 演技は予想したより控え目で歌で勝負したのでしょうが、暗めの美しい声が、細く太く、高く低く突き抜けて、大胆で繊細で完璧ですから。
今までネトコちゃんがROHで歌ってくれたのは、ドン・ジョヴァンニ(2003年&2007年)、リゴレット(2005年)、椿姫(2008年)、カプレッティ&モンテッキ(2009年)、マノン(2010年)、ラ・ボエーム(2015年)、ですが、激しいマクベス夫人は今のネトコちゃんにぴったり。
ご主人のユシフ・エイヴァゾフ(って読むのかしら?)の唯一のアリアは既に18日のホロ様メモリアル・コンサートで聴いてますが(→こちら)、立派な声量と真摯な演技が衣装を付けると更に感動的で、彼が誰だか知らない人もその迫力に圧倒された筈。 パッパーノ大将も、スケールの大きいユシフのためにゆったりテンポで歌わせてくれたみたい。 美男子ではないけど背丈があって堂々としてるので遠目には二枚目だし。
彼が歌う間、ネトコちゃんはすぐ後ろでベッドに横たわっているのですが、成長した夫の様子に満足してたことでしょう。彼のおかげでネトコちゃんと息子ちゃんも幸せそうだし、二人で更に高めあって欲しいものです。
マクベス役のジェリコ・ルチッチは三日前のメモリアル・コンサートを病欠でしたが、元気に回復してくれて、今までのROH出演の中でベスト。そりゃ、演技はプレミエのサイモン・キーンリーサイドに比べると表面的で変化に乏しいですが、いつもはソフト過ぎる声が今日はちゃんと芯があってしっかりした歌声でよかったです。
早くに殺されてしまうバンクォー役にイルデブランド・ダルカンジェロが出てくれたって豪華でしょ? ダークな深い声と存在感のある容貌で、チームの厚味に貢献してくれました。
ということで、今シーズンの目玉のマクベスは期待以上で大満足。初日も盛り上がるでしょう。