<25th June Mon>
写真は今日初日のトロイヤ人ですが、仕事の都合で行けなかった私の代わりに行ったトーチャンが撮ったものです(カメラはいつもの私のボロいやつ)。カーテンコールで一番拍手が多かったのはマクヴィッカー率いる演出チームだったそうです。歌手の中ではウエストブルックとアントナッチ。ってことは、カウフマンの代役のハイメルはリハーサル同様下手だったってことか。ほんと、カウフマンが抜けて一気にテンション下がったこのプロダクション、平日は5時開演なんですが、休暇を費やして何度も行く価値はなさそうなので、4回分切符を持ってましたが、結局全部観るのは週末1回だけにしとこ。
トーチャンがオペラを観てる間に、私はストックホルムのトスカがやっと書けました。
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6月9日、ストックホルム王立歌劇場Kungliga Operanでプッチーニのトスカを観ました。
トスカってどんな話?と首かしげる方は以前の記事→こちら をご覧下さいさいですが、一日のうちに主役3人がナイフ殺人、銃殺、飛び降り自殺するというサスペンスで、ドラマも音楽も無駄なくわかりやすくて良く出来ているので初心者にもお勧めです。
オペラハウスについては、同じ日の午後に見学ツアーにも参加したので、その時の記事→こちら をご覧下さい。
Tosca Emma Vetter
Cavaradossi Jose Cura
Scarpia Fredrik Zetterstrom
Angelotti Anton Eriksson
ストックホルムは観光が目的だったので、オペラはその一貫として何か観られればいいわ、としか思ってなくて、失礼ながら、どうせヨーロッパの北の果てのこんなオペラハウスは大した歌手など出ないだろうと思っていたので、切符買った時もホセ・クーラが出ることすら気付きませんでした。
そのクーラだって最近はあまり名前も聞かないから、きっともう落ち目なんだわと期待してませんでした。
だけど、意外にも全体として水準の高いパフォーマンスだったんですね、これが
この前夜にばったり会ったクーラは白髪がどっと増えて老けてたのには驚いたのですが(→こちら )、舞台に上がればさすがの風格で華があるし、声も以前と変らずちゃんと出てました。
あまり好みの声ではない上に、カヴァラドッシはもっと甘い声のテノールに歌って欲しいと思っているので(カウフマンを聴いた時もそう思った)、うっとり聞惚れるという程ではなかったけど、もし誰だか知らないで聴いたら「あら、このテノール、かなり上手じゃないの!」と思ったでしょう。
トスカ役はスェーデン人ソプラノのエマ・ヴェッター。
全然聴いたことない名前ですが、ワーグナーやエレクトラを歌う人のようで、しっかり身の詰まった力強い美声と声量。最近トスカはROHでか細いゲオルギューばかり聴いていたので、久々に本来のドラマチック・ソプラノの太い迫力に圧倒されました。素手でもスカルピアを殺せそうな立派な体格もクーラとはお似合いのカップル。やせれば美人なのに勿体ないけど、もっと大きな舞台でも声もルックスも映える人です。
これで悪役スカルピアも上手なら言うことないんですが、そこまでマイナーなオペラハウスに期待するのは無理ってことでしょうか、こんなバリトンしかいないの?という全く迫力不足でがっかり。おそらくスェーデン人なんでしょうが、主役カップルとあまりの差。
でも、感心したことがもう一つあり、それはオーケストラ。流れるような弦が真下から美しく響いて感激。トーチャンが「ROHのオケより上手だね」と言ってましたが、同感です。イタリア人とおぼしき若い指揮者の名前(モランディ)、覚えておこうっと。
セットと衣装はまとも過ぎて面白くないですが、まあそこまで贅沢は言うまい。この優雅なオペラハウスにはすっ飛んだプロダクションは似合わないし。
というわけで、ストックホルム・オペラは侮れませんよ
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