<20th Jan Sun>
こないだ交通事故で奇跡的に無傷だった97歳のエジンバラ公、さすがに運転はもうしないと思ったら、なんど翌日には新しい車を手に入れて運転したそうだ。困った頑固爺め。彼らしいけど。
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1月13日(日)午後3時、スペードの女王の新プロダクションの初日に行きました(→こちら)。
プーシキンの原作とどう違うのかわかりませんが、貧乏仕官ゲルマンはカード賭博で勝つために、絶対に勝てる3枚のカードの秘密を知る老伯爵夫人をピストルで脅すと、夫人はショックで死亡。幽霊になった老婦人から3枚のカードを教えてもらって喜ぶゲルマンに恋人である伯爵夫人の孫リーザは「私じゃなくてお金目当てだったのね」と悲しんで入水自殺。ゲルマンは大博打を打つが、最後にエースの代わりにスペードの女王が出て負けてしまい、ナイフで自殺。 まるでトスカみたいに主役3人がころころ死んでしまうストーリーで、チャイコフスキーだから美しい音楽ですが、私はオネーギンの方が全ての面でずっと好き。
まず、レビューはこちらですが(クリックで記事に飛びます)、
Evening Standard ★★★★
MusicalOMH ★★★★
Arts Desk ★★★
Bachtrack ★★★
Financial Times ★★★
Independent ★★★
Telegraph ★★
Guardian ★★
The Times ★★
The Stage ★★
Broadway World ★
4ツ星から1ツ星まで評価が分かれるという極端さから、きっと初日のカーテンコールは喝采とブーイングが入り混じって賑やかだった思うでしょうが、さにあらず、こんな冷ややかなカーテンコールは見たこともないくらい静かで、演出チームが登場しても誰もブーイングもしない代わりに大した拍手も起こらないという不思議な反応でした。
私の評価は2ツ星。 役者が演じるチャイコフスキーが出ずっぱりで登場人物と絡んだり一人で曲作りに悶々としたりして気が散るったらありゃしない風変わりな演出で、ちょっとだけなら面白いでしょうけど、まるで彼が主役なのはしつこいし、話の展開には大いに邪魔。美しいプロダクションだけど、他の男性もチャイコフスキーの格好してるのもやり過ぎでわかりにくいぞ。ご興味ある方は日本各地で3月15日から一週間、シネマビューイングもありますからどうぞ(→こちら)。お勧めはしませんが。
ウエストブルックの前の短足にみえるノルウェー人演出家のStefan Herheim
The Queen of Spades
Music Pyotr Il’yich Tchaikovsky
Director Stefan Herheim
Designer Philipp Fürhofer
Lighting designer Bernd Purkrabek
Dramaturg Alexander Meier-Dörzenbach
Conductor Antonio Pappano
Gherman Aleksandrs Antonenko
Prince Yeletsky Vladimir Stoyanov
Liza Eva-Maria Westbroek
Countess Felicity Palmer
Count Tomsky John Lundgren
Chekalinsky Alexander Kravets
Paulina Anna Goryachova
Surin Tigran Martirossian
Governess Louise Winter
Major-domo Harry Nicoll
Prilepa Jacquelyn Stucker
Chaplitsky Konu Kim
Narumov Michael Mofidian
妙なプロダクションでも歌手が素晴らしければお勧めするんですが、これがねえ・・。
期待はしてなかったので大してがっかりもしなかったけど、縦横でかいアントネンコとウエストブルックは物理的な存在感はあってお似合いのカップルだけど、チャイコフスキーが邪魔なだけじゃなくて、アントネンコは高音になると蓋をしたような歌い方になって苛々するし(彼はもう終わってると思う)、ウエストブルックは無難にまとめたけど声に魅力ないし、聞き飽きてるので・・。
伯爵夫人のフェリシティ・パーマーは、やたら大声だったのが70代半ばになってさすがに衰えて普通の声量になり、迫力がなくなった代わりに他の人達とバランスが取れるようになって、なかなかよかったです。
プロダクションもパフォーマンスも「なんかなあ・・」とがっかりだったので、パッパーノ大将指揮のオケもそりゃ上手には聞えないわよね。