<19th Feb Tue>
暖かい日が続いたロンドン、黄色い喇叭水仙や薄いピンクの小さな桜のような花も咲き出して、すっかり春の雰囲気です。
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2月13日はパリのバスティーユでドヴォルザークのルサルカを観ました。人魚姫のお話です。
プロダクション
演出家ロバート・カーセンはイギリスでもお馴染みで、ROHの最近だけでも薔薇の騎士、ファルスタッフ、カルメル派修道女の対話があったし、グラインドボーンの現代の高校が舞台の茶目っ気たっぷりのリナルドも好きでしたが、このパリのルサルカが一番素晴らしいと思います。新プロダクションではないので、パリのオペラ座のサイトに映像がありますが(→こちら)、本物はもっときれいな色で変化に富み、照明がポイントの美しい舞台で、すっきりモダンでありながらクラシックで、幻想的でロマンチック。遊び心もあるし設定のひねりも面白いです。
フォークト様をまじかで見るのがなにより大切なので、舞台の真ん中の四角い水溜りが見えないのは承知で前から3列目のど真ん中をゲットしましたが(145ユーロ)、それが見えたら色んなものが反射してもっと綺麗だったかも。2012年にやったROHのくそプロダクション(→こちら)とはなんという違いでしょう。
Music :Antonín Dvořák
Libretto :Jaroslav Kvapil
Conductor :Susanna Mälkki
Director :Robert Carsen
Set design :Michael Levine
Costume design :Michael Levine
Lighting design :Robert Carsen /Peter Van Praet
Choreography :Philippe Giraudeau
Chorus master :Alessandro Di Stefano
Le Prince :Klaus Florian Vogt
La Princesse étrangère :Karita Mattila
Rusalka :Camilla Nylund
L'Esprit du lac :Thomas Johannes Mayer
Ježibaba :Michelle DeYoung
La Voix d'un chasseur :Danylo Matviienko
Le Garçon de cuisine :Jeanne Ireland
Première nymphe :Andreea Soare/Deuxième nymphe :Emanuela Pascu/Troisième nymphe :Élodie Méchain
Le Garde forestier :Tomasz Kumiega
3人が同じ衣装なのでわかりにくいですが、左から魔法使い、ルサルカ、王子様、王女様。 長身の女性たちがハイヒール履いてるのでフォークト様が小さく見えてしまったけど。
パフォーマンス
私のお目当ては勿論クラウス・フロリアン・フォークト様で、出番も少ない上に一番向いてる役とも思えないけど、数少ないクラウス君のレパートリーの一つですから一度は追っ掛けして観ようと思っていたんです。彼のおかげでこんな素晴らしいプロダクションに遭遇できたわけですから感謝です。最初、彼が登場した時は一気にレベルが上がったとは言え、なんか声が太くてぼやけててがっかりでしたが、段々彼らしい細い清らかな声になってうっとりでした
人間の王子様に恋する水の精ルサルカは、いつもクラウス君と共演してるのでおなじみ過ぎる顔は美人だけど体は太目のフィンランド人ソプラノのカミラ・ニールント。3人の女性の中ではもっともコントロールが効いてこまやかな歌唱でした。有名な月に寄せる歌はドラマが盛り上がる前に歌っちゃうし、声が温まってなかったのでハイライトにはなれませんでしたが。
口がきけないルサルカに退屈して王子が心を移す王女様は、これまたフィンランド人のカリタ・マッティラ。老けたのはルックスだけではなく声もお婆さんみたいで、ドラマにはマイナス要素でした。もう終わってますかね、彼女。
魔法使いはアメリカ人のミシェル・ドヤング。40歳だけど3人の中では一番年下で若々しい艶のある声で声量も立派。華がありました。
去年は日本で3回、ロンドンで5回、ドイツにも追っ掛けて、まさにクラウス君イヤーでしたが、今年はこれだけかもしれないので、キャンセルせずに出てくれて本当によかったです。だぶだぶの背広姿は見惚れるほどではないけど体型は隠せるし、又ちょっと太ったみたいで二重アゴが目立ちましたが、もちろん連写でどっさり撮ってしまいました。 彼のだけはなかなか削除できなくてトーチャンも呆れてることでしょう。