2年程掛けて改装したROH地下のリンバリー劇場Linbury Theatre、滅多に使われてないので、去年秋に見学(→こちら)してから半年以上経って、やっとパフォーマンスを観ることができました。
ずっと楽しみにしてたロンドン・ヘンデル・フェスティバルと提携したヘンデルのベレニーチェBerenice。 ROHフレンズ予約でもヘンデル・フェスティバルのオンライン予約でもほとんど切符が出てないという不透明さで腹が立ちましたがImage may be NSFW.
Clik here to view.、なんとか手に入れて、3月27日の初日を横から、4月1日を正面から観ました。
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Music George Frideric Handel
Libretto Antonio Salvi
Director Adele Thomas
Designer Hannah Clark
Adaptation Selma Dimitrijevic
Lighting design D.M. Wood
Movement director Emma Woods
- Conductor Laurence Cummings
Berenice Claire Booth
- Selene Rachael Lloyd
- Alessandro Jacquelyn Stucker
- Demetrio James Laing
- Arsace Patrick Terry
- Fabio Alessandro Fisher
- Aristobolo William Berger
- Orchestra London Handel Orchestra
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Clik here to view.始まる前にソファでお茶すすってるの図。
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Clik here to view. - The Times ★★★★
- The Guardian ★★★★
- The Evening Standard ★★★★
- The Arts Desk ★★★
ROHの前身であるコベントガーデン劇場で1737年に初演されたのがヘンデル存命中唯一のパフォーマンスで、今回はそれ以来ロンドンでは初めてという歴史的な出来事だったわけですが、良いレビューからもわかる通り、素晴らしいパフォーマンスだったのは救いでした。ヘンデルらしさ満載の良いオペラですから、これから上演機会も増えるでしょう。
古代エジプトの女王であるベレニーチェと妹王女セレーネと各国の王子たちの恋愛物語で、政治的思惑と本人たちの恋愛感情が見事に食い違い、あーだこーだですったもんだし、最後は相思相愛の2カップルが出来てめでたしめでたし。ヘンデルにはよくある話ですが、
イタリア語ではなく英語翻訳で、しかも字幕が出なかったのはレビューでもマイナス点だったようです。芝居に力を入れたのでわざと字幕なしにした演出だったようですが、それは成功したような、やっぱりないと困るような・・。
マリーアントワネット風の衣装は洒落てる氏、カーブしたソファを効果的に使って動きのある演出は素晴らしく、ドタバタ喜劇仕立ての芝居の練習をみっちりやったのは明らかな程面白かったし、皆さん歌も上手だったので、2回共しっかり楽しめました。
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中心となるベレニーチェ女王のクレア・ブースは大袈裟な演技で大熱演し、彼女がいたからこそドラマチックな展開になったわけですが、残念ながら美声ではなく、こういう人にヘンデル歌って欲しくないなあと思ってしまいました。
妹王女のレイチェル・ロイドはランメルモールのルチアの女中さんでお馴染みの人ですが、すらっと美しくて控え目な歌唱も好印象。
ベレニーチェに嫌われても愛し続け、結局は想いが叶うローマの王子アレッサンドロはジャクリン・スタッカー。ROHの若手アーチストとしてでちょい役で色々出てた時にはどうってことなかったですが、今回の凛々しいズボン役で一気に花開きましたね。
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妹王女と愛し合ってるのにベレニーチェ女王に好かれて迷惑なマケドニアの王子ディミトリオはカウンターテナーのJames Laing。初日は不安定で、これで毎日歌えるのかしらと心配でしたが、2回目は絶好調。背丈もあるし、化粧してるので顔がよくわからないけどきっとハンサムでしょうから、CT好きの私には今回の嬉しい発見でした。
もう一人のカウンターテナー、パトリック・テリーはROH初めてのCT若手アーチストとしてお馴染みですが、道化役をコミカルに演じて大受けでした。低音が充実したまろやかな声。彼を2年間アーチストとして雇ったということは、他にもCTが必要なオペラが予定されてるってことでしょうか? 前衛的な新作じゃなくて、バロックオペラだと嬉しいですが。
デブだけどクリアな美声で、彼が言ってることだけはよく理解できたテノールのアレッサンドロ・フィッシャーも大いに気に入りました。
バロック専門のローレンス・カミングス指揮のロンドン・ヘンデル・オーケストラも素晴らしく、ヘンデルの本拠地であるロンドンではもっとヘンデルをやってるでしょうから探して行かなくては。バレエなんて観てる場合じゃない笑? そう言えば、一昨日バービカンのかぶりつきでセメレを聴いたわ。腹ぼてのセメレ・・。
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女性ばかり4人の演出チームには暖かい拍手が送られましたImage may be NSFW.
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ストライプのタイツの3人はミュージシャン。
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去年9月に見学した時の写真。バロックオペラにうってつけの大きさなので、ここでヘンデルをどっさりやって欲しいが、言語&字幕着きでお願いします。