<3rd June Mon>
トランプ大統領が国賓として本日ロンドンに到着。お母さんがスコットランド出身ということでイギリスに愛着のある彼、今日は王室にもてなしてもらって嬉しそうでした。もちろん問題も大有りですが。
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昨夜無事にフランクフルト一泊旅行から戻りました。土曜日に朝一番早いフライト(7時発)で行って日曜日の最終便(夜8時半着)に戻るという欲張りプランでしたが、幸い日本人の入国審査が簡単になったので列に並ばずに済んで、目一杯楽しめて実に充実した週末でした。
追々、記録残しておきますが、まずは目的だったオペラ観賞について。
6月1日のヘンデルのロデリンダはお目当ての歌手達がちゃんと出てくれた上に、一名を除いては皆さん上手だったので、お金と時間を使って行った甲斐がありました。
どんなお話かは→こちらをご覧下さいですが、ロンゴバルド王国(ミラノ)の権力争いと夫婦愛のお話で、前夜のアグリッピーナよりはうんとわかり易い上にぐっと来る美しいアリアもいくつかあり、ヘンデルの中でも好きな作品なので遠征までしたわけですが、特に前半は約一名の下手くそが歌う場面が多くて、その間は「あれー、こんなつまんなくて冗長なオペラだったっけ?」、と冷房の効いてない客席で暑さにうだりながら退屈でした。
フランクフルトオペラのサイトは→こちらですが、キャストはこちら。
- Conductor Andrea Marcon
- Director Claus Guth
- Rehearsed by Axel Weidauer
- Set & Costume Designer Christian Schmidt
- Video Andi A. Müller
- Lighting Designer Joachim Klein
- Choreography Ramses Sigl
- Dramaturge Konrad Kuhn
- Rodelinda Lucy Crowe
- Bertarido Andreas Scholl
- Grimoaldo Martin Mitterrutzner
- Eduige Katharina Magiera
- Unulfo Jakub Józef Orliński
- Garibaldo Božidar Smiljanić
- Flavio Fabián Augusto Gómez Bohórquez
- Frankfurter Opern- und Museumsorchester
はい、足を引っ張ったのは、明らかに予想通り、ロデリンダ役のルーシー・クロウ。 イギリス人だからロンドンで嫌という程聴いてる上も全く好きな声じゃないので、なぜ遠くまで出掛けて彼女を聴かなくちゃいけないの、と彼女のせいで行くかどうか随分迷ったんです。他のソプラノだったらもっと早く切符を買って最前列ゲットできたでしょうから口惜しいですが、結局ぽつんと一枚余ってた3列目の真ん中近くの105ユーロが買えたのでいいことにしましょうかね。 ルーシー嬢は数年前に人気が出始めたときは濁りのない細い声で素敵だったんですが、売れっ子になって歌い過ぎたんでしょうか、すっかり声がつぶれてしまい、このままだとしたら(きっとそうでしょう)、可哀相で勿体無いことです
お目当てのドイツ人カウンターテナーのアンドレアス・ショルは、最初は必死に声を張り上げてる感じがしてちょっと痛ましくて、やっぱり彼はコンサートで聴く方がいいかなとも思ったのですが、後半はリラックスして持ち味である甘さも充分出たし、心配した程劣化してなくて安心しました。年恰好も役にぴったりで、贔屓目かもしれないけど演技も悪くなかったので、今迄に聴いた中でベストではなかったけど、やっぱりここまで来てよかったとしみじみ幸せでした
若くていつも張り切ってるカウンターテナーのJJオルリンスキーが芝居は上手でオペラでこそ映えるカウンターテナーであることはよく知ってるので安心して見られました。執事風のいでたちと演技でちょび髭は似合わないけど、地味な役だけど彼だと華やかで、最後にちょっとお得意のブレイク・ダンスもご披露してくれてやんやの喝采
めっけものはロデリンダに迫る現国王役のテノール、Martin Mitterrutznerで、最初は声量が乏しくてぱっとしなかったけど、段々良くなって、歌も演技も良い感じでした。個性がなくて地味だけどハンサムだし、好青年の彼が演じるとこの役がかなり善人にみえたのも新鮮。
もう一人の女性、アルトのKatarina Magieraは長身の美人で、迫力のある深い声も粋で色っぽい演技も魅力的。
悪役バリトンも充分水準に達してて、ルーシー嬢以外は穴のない立派なチームでしたが、実は息子役の超小柄な俳優が実はかなり不気味で・・。 歌わないけどいつもちょろちょろしつこい演技で、遠くからでも子供にはみえないでしょうが、近くからだと中年だということがわかり、男性なのか女性なのかわからないのも気になって・・(超小柄な男性でした)。
セットは白い家が回転して全ての場面に使われるので少々退屈。でも、すっきりしてるし、衣装も美しいので(秋田の「なまはげ」みたいな仮面を被った人達がなんなのか理解できませんでしたが、ドイツの歌劇場の演出にしてはうんとまともな方でしょう。
前日のバービカンのアグリッピーナでも3人のカウンターテナーを聞いたし、連ちゃんで個性ある5人のCTが聞けて幸せな二日間でした。