<27th Oct Sun>
ラグビーW杯準決勝はウェールズが南アフリカに惜敗。悔いが残る口惜しい負け方だったわぁ・・。来週の決勝でイングランドはこの敵討ちして、勝ってちょーよ
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ROHでは13年振りのドン・パスクワーレ(→こちら)、10月12日(リハーサル)と14日(初日)に行きました(最終日にもう一度行きます)。
ドニゼッティ作曲の1843年初演のこのオペラは、若い女性と結婚しようとする爺さんをコテンパンにやっつけて笑い者にする喜劇で、プロダクション等ついては2006年7月のブログ記事(まだ始めたばかりで張り切ってた頃ね)をご覧下さいですが(→こちら)、ストーリーをコピペすると、
ローマの金持ち老人ドン・パスクワーレはもうすぐ70歳。甥が然るべきお嫁さんをもらったら財産を譲ようと思っているのだが、甥エルネストには一文無しで未亡人の恋人ノリーナがいて、叔父の薦める縁談は拒否。仕方ないので、パスクワーレは自分で嫁をもらって子供を作ろうと決心。私はリーズナブルな解決策だと思うのですが、若い人たちは「えーっ、うっそー!」と仰天して、爺さんをこらしめる作戦に出ます。
パスクワーレ爺さんの主治医でエルネストの友人の医師マラテスタはエルネストの恋人ノリーナを自分の妹と偽ってお嫁さん候補として紹介。ノリーナは超ブリッコで純真無垢なおぼこ娘を目一杯演じ、ころっと騙された爺さんは即プロポーズ即結婚。
途端にノリーナは大豹変してじゃじゃ馬になり暴れ(これが作戦なんですけどね)。勝手に召使を数倍に増やすは、家は改装するは、買い物三昧で大散財。文句を言う旦那には「うるさい!」と怒鳴りつけて、平手打ちまで食らわす始末。とどめはわざと落とした恋人との密会の約束の手紙。
庭で(エルンストと)密会するノリーナを捕まえたパスクァーレは離婚を言い渡し、「わしゃ結婚は懲りた。甥に恋人と結婚させて財産も相続させることにするわい」と宣言。そこへエルンストが現れて恋人ノリーナを紹介すると、なんとそれはわが妻! パスクァーレは騙されたことに気づくが、若者たちを許して祝福する。(良いおじいさんじゃあないですか)
ノリーナも芝居とは言え申し訳ないと思って爺いじめをしてはいるんだけど、「でもさあ、やっぱり爺さんが若い女と結婚したいなんて思うだけでけしからんことよね~」というのが本音のようで、そう言われちゃああんまりよね。
私も結構年取って人生が少しはわかってきたような気もするんだけど、年配だって恋愛するし、若者より元気な爺さんだっているでしょ。(婆さんはもっと元気だと思いたい)
↑先回のジョナサン・ミラー演出は3階建てのドール・ハウスに登場人物はお人形さんという可愛いプロダクションで大好きでしたが、今回はダミアーノ・ミキエレットの現代版。 まあ洒落てて悪くないのですが、一回目は面白かったけど、二回目は映像とかが鼻についたかな。やっぱり古典的なドールハウスが懐かしい。
レビューは以下ですが(クリックで記事に飛びます)、5ツ星から2ツ星まで意見が分かれたのは、プロダクションに対する好き嫌いが分かれたからでしょう。
The Times ★★★★★ Plays to See ★★★★★
The Stage ★★★★ Financial Times ★★★★
Culture Whisper ★★★ Evening Standard ★★★ The Guardian ★★★ The Telegraph ★★★
Bachtrack ★★
ComposerGaetano Donizetti
Libretto 1Giovanni Ruffini
Libretto 2Gaetano Donizetti
DirectorDamiano Michieletto
Set designerPaolo Fantin
Costume designerAgostino Cavalca
Lighting designerAlessandro Carletti
Video designer rocafilm
Conductor: Evelino Pidò
Don Pasquale: Bryn Terfel
Norina: Olga Peretyatko
Ernesto: Ioan Hotea
Doctor Malatesta: Markus Werba
過去のキャスト
2004年12月 2006年7月
Conductor Bruno Campanella Bruno Campannela
Don Pasquale Simone Alaimo Alessandro Cobelli
Ernesto Juan Diego Florez Eric Cutler
Norina Tatiana Lisnic Aleksandra Kurzak
Doctor Malatesta Alessandro Corbelli Christopher maltman
演出チームにはブーイングは起こらず、好意的な暖かい拍手でした。オルガ嬢の隣がダミアーノ・ミキエレット。
パペットが出てきたのは先回のプロダクションへのオマージュ?
タイトル・ロールのブリン・ターフェル、聴き飽きてるしあまり好きではないのですが、こういうコメディ役は向いてるので、なかなか良かったです。過去の人たちに比べるとイタリアンっぽさがなかったのがイマイチだったけど。
ノリーナはやっとROHに来てくれたオルガ・ペレチャツコ。 美人だし上手だし、テノールがしょぼかった分を彼女が補ってくれました。13年前のアレクサンドラ・クルチャクと同じくらい素敵で、3回目も行くことにしたのは彼女が目的。
一人だけ格下だったのはエルネスト役のイオアン・ホテアで、絶不調のアラーニャが途中で降りたために代役テノールが乱立してメチャクチャになった愛の妙薬に代役で出た時もぱっとしなかったので期待はしてませんでしたが、大事な新プロダクションの二枚目にしてはあまりにも魅力不足。 フローレス王子と比べるのは残酷だけど、もうすぐ新国立でやる時は去年ロッシーニフェスティバルで私の大のお気に入りになったハンサムで甘い声のマキシム・ミノロフなんですってね(→こちら)。羨ましい過ぎて腹が立つわ。
二枚目役はマラテスタ医師のマルクス・ウェルバ(降板したマリウシュ・クヴィエチェンの代役)に持っていかれてわけですが、先回の魔笛でチャーミングだったパパゲーノ以来またロンドンに来てくれて嬉しいです。 「ノリーナさん、プータローでルックスもぱっとしないエルネストよりも、マラテスタの方がハンサムだし歌上手だしお医者さんだし、絶対良いわよね」って言いたくなるわ。
以下、似たような写真もありますが、折角たくさん撮ったのでずらっと並べておきます。左側からがリハーサル、右側からが初日です。