<25th Jan Sat>
昨日のコンサートまでの時間潰しは、チャイニーズニューイヤーで賑わうチャイナタウン近くで映画「天気の子」Weathering with You 。トーチャンとムスメは来週吹替版で観るのですが、私はやっぱり日本語で聞きたいので一人で字幕版。「君の名は」と比べるとスケールも出来も劣るけど、東京の風景もたくさん出てくるし充分楽しめました。照る照る坊主の由来は知らなかったけど。
--------------------------------------
先週と今週一回づつ、Wigmore Hallで人気カウンターテナーのリサイタルがありましたが、まず1月16日はフランス人のフィリップ・ジャルスキー(→Wigmore Hall Site)。
CT好きの私はジャル君がロンドンに来てくれたら絶対行ってますが、今回はなんとフランス人でバロック歌手のドイツ語でシューベルトの歌曲を歌うというので、どうなるのか想像できなくて、楽しみよりも心配の方が先立ちました。
アンコール シューベルトのセレナーデ (こないだゲオルギューも歌ってけど、皆が知ってるシューベルトと言ったらこれなんでしょう。私は大好き)
T列しか買えなかったので遠いですが。
で、やっぱり、と言うか、小回りがきかないわカウンターテナーは歌曲の微妙なニュアンスを出すことが難しいので、どうしても一本調子になってしまい・・。実は皮肉なことに、ドイツ歌曲の王者とも言うべきクリスチャン・ヘルハーハーのリサイタルがここで前日と翌日にあり(びびったでしょうね、ジャル君、それだけで)、続けて聴いた人はあまりの違いに愕然としたことでしょう(私はここで彼のシューベルト聴いたことありますが、まさに歌曲のお手本ですから。今回はリターン切符出たけど、ちょっと前にRAMのマスタークラスで彼の歌をたっぷり聴いたし、今回はマーラーということであまり惹かれなくてパス)。
それに、やっぱりドイツ語に聞えませんでした。マスタークラスでドイツ語の発音にとても厳しかったゲルハーハー先生が聴いたら卒倒するかも・・。 私の先入観かもしれませんけどね。マスタークラスで駄目と言われた生徒と完璧と褒められた生徒の違いが全くわからなかったし。(もしかしたらヘルハーハーが聴きに来てるかなと探してみましたが、見当たりませんでした)。
でも、その二つの欠点が私にとっては新鮮で、言わばゲテモノなのでしょうが、一生懸命なジャル君(時折音符みながら)の健気な態度とも相まって、とても楽しめました。「こんなシューベルトは我慢できん」、と怒って途中で去った人もいたと聞き、その気持ちもわかりますけどね。ゲルハーハー先生には聴いて欲しくなかったような、ジャル君にアドバイスして欲しかったような(厳しい評価になるでしょうけど)。
尚、シューベルト歌曲を歌うのが最近CTの間で流行っているのか、イエスティン君は2年半前に美しいMiddle Temple Hallで「水車小屋の娘」を既に歌ってくれてなかなか良かったのですが(→こちら)、それを今度はいよいよ歌曲リサイタルの殿堂であるWigmore Hallに引っ下げて登場(6月13日→こちら)。ここでは絶大な人気のイエスティン君、リターン切符を狙うしかないでのですが。
二人目のCTは昨夜のアンドレアス・ショルでしたが、これも意外な驚きに満ちたリサイタルでした。
もうすぐ42歳。かつての紅顔の美少年だったジャル君も寄る年波には勝てず、耳の上がちょっと白髪で、前髪の上の部分がかなり薄くなってました。顔の皺はほとんど気になりませんでしたが。