<27th Mar Sun>
今日から夏時間。その途端、昨日までの夏のような日は去り、ぐっと普通に涼しくなりました。うんと日が長くなったので、夕陽がきれいな日は夕食後に散歩に行こう。
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ベンジャミン・ブリテンの傑作と称されるけど少年虐待で村八分にされるとい孤独な漁師の思い切り暗い内容のピーター・グライムスに、結局、4回も行ってしまいました。3月15日(リハーサル)、17日(初日)、20日、23日。
少々前衛的だけど不快感はなくてイギリスのグレーの海を表すオーケストラ部分が美しくて心に迫ります。
新プロダクションですが、値段を安くしないとお客が来ないと思ったのか普通よりうんと安い設定で、売れ行きは上々。男性の割合が高くいつもより通っぽい観客が多かったような気がしましたが、切符の売れ行きは上々な上に抜群のレビューが出て大ヒット。
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The Guardian ★★★★★
The Times ★★★★★
The Telegraph ★★★★★
Culture Whisper ★★★★★
iNews ★★★★★
Evening Standard ★★★★
The Arts Desk ★★★★
11年前に観た原作に近い設定と暗い海そのもののプロダクションの方が私は好きかな(→こちら)。今回はちょっと前の現代に読み替えられて、村人がジーンズ姿とかは構わないし、群集シーンは動きがあって良かったのですが、海岸にゴミが散らかってるのは嫌でした。5ツ星がこれだけ並んだし、初日の演出チームへの拍手も大きかったので、良い評価を受けたということでしょうけど。
パフォーマンスは、ピーターの恋人役であるMaria Bengtssonがやや声量不足で一本調子だった以外は、脇役に至るまで皆さん素晴らしかった。特にタイトル・ロールのアラン・クレイトンは、最初はこの役にはちょっと美声過ぎるかなとも思ったけど、圧倒的な歌唱で抜きん出てました。イギリス人のオペラにおける一番上手なテノールと信じてた長年のファンとして、ROHの主役デビュー(マイスタージンガーのDavid役とかで出たことはあるけど)が期待以上に大成功したのは嬉しい限り。4回行ったのも結局は彼を聴きたかったからでしょう。
顔は悪くないのにむさくるしいデブなのが歯がゆいけど、それはもう諦めました。同じくこの役でロールデビューしたカウフマンに歌唱では負けないだろうに(好みの問題です)、これではスター歌手にはなれないでしょ。
テノール好きの私は、John Graham-HallとJames Gilchristにも聞き惚れました。二人とも大好き。特に若い頃は美貌だったグレアム-ホールが中年になっても素敵なのが嬉しいじゃないですか。
重い割には動きは機敏なクレイトン豚
ブリン・ターフェルが脇役って、なんて贅沢。ジョン・トムリンソンもまだまだ健在。