<17th Jun Fri>
気温が32度とかまで上がった猛暑。予定がなかったので涼しいうちに散歩を済ませて、あとは家でごろごろ。夜は寝苦しいかも。
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6月15日はガーシントン・オペラでモンテヴェルディのオルフェオを最前列で観ました。場所の様子は→こちら。
特に好きなオペラではないけれど、一度行ってみたかったガーシントン・オペラで主役が特に大ファンではないけど気になるエド・リヨンなので、切符代高いけど(一番安い席でも185ポンド)行ってみようと。行くこと自体が目的で、正直オペラの出来は二の次だったのですが、これがなかなか良くて、更に素晴らしい日になったのでした。
オルフェオは有名なギリシャ神話で、死んでしまった妻を冥界から連れ戻すことを許されたのに、「途中で決して振り返って妻を見るべからず」という唯一の約束を破ってしまって又離れ離れにという夫婦悲恋。
四百年前のバロック・オペラ初期の傑作で今でも上演される作品の中では最古のオペラで、生で観るのは2度目。ゆったりと優雅で、プロダクションはお金を掛けずに物語を引き立てようと工夫してて好感持てます。
劇場はグラインドボーンよりうんと小さくて、ガラスできっちり囲まれてるわけでもなさそうなので、温度の低い日は夜になるときっと寒いでしょうが、この日は最後まで暖かくて持参したショールは不要でした。今は日が長いので最後までほんのり明るかったですが、観てるうちに黄昏れてやがては暗くなるという半野外オペラの醍醐味を感じることができるのがポイントですね。
普通は舞台と客席の間にオケピットがあるのですが、このオペラは左右に各数人の小編成の古楽アンサンブルだけなので、最前列の私は手を伸ばせば舞台に触れられるほどの近さ。
席に座るとこんな眺め。可愛いオルガン!
「出来れば白とベージュのお召し物で」というリクエストに応えた人が多く、観客席はこんな感じで一体感ありました。
食事を含む長めのインターバル後は、セットは同じだけど、皆さん白から黒に着替えてました。歌手やダンサーたちはストーリーに合わせて最初は白、冥界が舞台の真ん中は黒(オルフェオ以外)、最後は白に戻りました。大きなリングが角度を変えて効果的に使われてました。
大型リュートであるテオルボ奏者が二人いましたが、左側の人は実は一週間前にWigmore Hallのモンテヴェルディのマドリガルのコンサートで聞いたばかり。偶然ですがモンテヴェルディな一週間でした。
詳しいキャストは→こちら。
歌手とダンサー。伴奏がうるさくないので声を張り上げる必要がなく、皆さん無理せず歌ってましたが、実力はまちまち。
エド・リオンは結構何度もあちこちで聴いてますが(例えば最近のROHのテオドーラ→こちら、半年前のWigmore Hallのコンサート→こちら)、今までで一番良かったです。長身で逞しい(上半身裸だとなかなかよ)ハンサムな彼に視線が集中するのですが、それに応えて立派に歌も演技も主役のカリスマがありました。バリトンが歌うこともある役なので必死の高音もなく余裕で、彼の低い声の魅力が初めてわかりました。