<20th Mar Wed>
オペラ界のヨン様こと韓国人ヨンフン・リーYonghoon LeeがROH初登場した今夜のトスカについて、書き殴っておきましょう。
ヨン様とクリスティン・オポライスのチームの初日だったのですが、最初ヨン様はすごく緊張してたようで、力が入り過ぎてゴツゴツの上、高音になると喉が閉じてしまってオケにかき消されたので、「うわ~っ、これが一昨年地震直後にカウフマンの代役で出てきたドンカルロだったなんて、あんまりだわ」、と日本の皆様が気の毒でたまりませんでした
でも、徐々に調子が出てきて、ヴィットリア~~、ヴィットリア~~と歌い上げる部分では実に立派な声量で、彼の名前すら聞いたことのなかったROHの観客も「おおぉ~っ!」、と感心したことでしょう
しかし、ルックスによる違和感のせいかもしれませんが、イタリア語で歌っているようには聞えなかったし、歌い方もなんか変で、演歌テノールと称した方もいたのがすごく納得
この日は客席にかのローゼンブラット歌リサイタルの主催者であるローゼンブラット氏もいて、「よし、俺が気に入ったらうちのWigmore Hallのリサイタルシリーズに招こう」、ともしかしたら思ってたのかもしれないけど、ヨン様、これではちょっと無理かな・・・。
東洋人にしては長身で顔もまあまあなんですが、上背のあるトスカとスカルピアにはさまれてはあまりぱっとしませんでした。でも、そう貧弱に見えなかっただけでも良しとしましょう。
トスカは、最近メトなどで売り出し中のラトヴィア人ソプラノのクリスティン・オポライスKristine Opolaisで、映画女優のクリスティン・スチュワートに似た大変な美人 ラトヴィア人って美しい女性が多いんですね。
2年前にROHのマダム・バタフライで聴いたことがあり、その時は力強い声の立派で美しい蝶々さんだった印象ですが、今日はその時よりも声が乾いてる感じで、特に魅力的な声とは思えず、先回のアマンダ・エチャラズには容姿以外では負けました。
スカルピアは先回チームと同じミヒャエル・フォッレでしたが、いつもは素晴らしい声量なのに、今夜はなんだか精彩なくて迫力不足。
というわけで、パフォーマンスとしては先回ほどのドラマとしての緊張感もなくイマイチでしたが、日本では話題のヨン様をハラハラしながら聴けたのはグー。始終クールな表情でしたが、それでも充分嬉しそうでした。