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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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マイスタージンガーの代役騒ぎx2

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<8th January Sun>

かなり日も長くなり午後4時でもかなり明るい北国で、ダイエットに励む私(昨日開始)。昨夜はお茶漬けの誘惑にも負けずに空腹のまま眠りました。満腹で眠りにつくのを至福の喜びとする私にとっては何よりつらいことですが、折角ここで宣言したので、意地にでも頑張るわ。と言った途端に、今夜は夜遅くにどうしても我慢できなくてポテトチップスを食べてしまった・・。

遅くなりましたが、元旦のマイスタージンガーのことを、パクってきた舞台写真も含め書いておきます。

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そう言えば、去年も年末年始はワーグナー(タンホイザー)だったけど、今年もワーグナーで暮れ、ワーグナーで始った私のオペラ生活。


ワーグナー唯一の楽しいオペラで中世のシンガーソングライターが主役のマイスタージンガーですが、1993年のグレアム・ヴィックスのプロダクションは人もたくさん出てきて賑やかだし、明るくて可愛いセットとまともな衣装でストレートに理解しやすいので、ROHのワーグナーのプロダクションの中では一番好きクラッカー


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

高い席に座るチャンスだお金

私は3回目、トーチャンは2回目なんですが、ストールサークルに座る私たちに案内係が寄ってきて言いました。「ヴァオルター役のサイモン・オニールが風邪ひいてすごく不調カゼなので、声だけの代役になる可能性もあります。その場合でもオニールは芝居はするので、代役は席舞台のこちら側の隅っこに立つわけですが、この席からだと歌手と譜面台が邪魔になってしまいます。ご希望であれば、正面からの席にお座り頂くこともできますが・・・」と。


正面席なんて高いところには縁のない私、席の番号を言われてもどのへんかよくわかりませんが、今日のストールサークル2列目は30ポンドと少々私にしてはお高いけど理想的だし、なんといってもパッパーノ大将の受勲が決まったばかりで今日の主役は指揮者だから、彼を真横からみられる特等席から離れるもんですか。


数人がそのオファーで遠くの席に移っていきましたが、3列目で14ポンドの席をを持ってた友人も移動したところ、なんと後でストールサークル正面の192ポンドの席をあてがってもらえたそうです。ホリディシーズンのため、今日は高い切符が結構残っていたからこんな優遇をしてもらえたわけですが、同じことは時々起こりますが、すみませんと言われたことすらありません。


幻の代役オバケ

で、案内係に聞いたところ、代役はErin Cavesというテノールだということで、早速その場でiPhoneで検索したところ、ワーグナー専門の若いアメリカ人のようです。代役が若い歌手の場合は、それまで大劇場で歌ったことがなくてもこれからの人として期待が持てるわけですから、一気に楽しみになり、隣に座った同じくこれが3回目のブログ仲間と、「もう誰でもいいから他のテノールで聴きたいから代役になってくれたらどんなに嬉しいか」と言い合い、「どうかどうか、オニールが倒れてErin君が出てくれますよう」にと祈りました。

だって、颯爽とした騎士という役には全く似つかわしくないデブであることは我慢しても、。スター歌手は出てない今回の歌手陣の中でも一番の失望はオニールで、あんな硬くて不快な声のオニールを3度も聴くのはかなり辛いんですもんガーン


しかし、目の前に鎮座して邪魔してる譜面台を眺めながら待てども待てどもオニールは頑張り続け、私たちはがっかりしたのでした。ワーグナーでは一番大事な声量が代役君はたとえ乏しくても近い席だから問題ないのに・・。

ひらめき電球速報: 最終日の今日(8日)は私は行きませんでしたが、Eva役が舞台袖での声の代役だったそうです。エマ・ベルの代役が誰なのかわからないのですが、観た人たちの話によると今朝ウィーンから到着した小柄な黒髪の女性で上手だったそうです。残念、元旦に起こればよかったのに。しかし、舞台袖でもし二人並んで歌ったら邪魔だろうなあ。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Die Meistersinger von Nürnberg


Composer Richard Wagner
Director Graham Vick
Designer Richard Hudson
Original lighting design Wolfgang Göbbel
Movement Ron Howell

Conductor Antonio Pappano
Hans Sachs Wolfgang Koch
Walter von Stolzing Simon O'Neill
Eva Emma Bell
London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン) Sixtus Beckmesser Peter Coleman-Wright
Veit Pogner John Tomlinson
David Toby Spence
Magdalene Heather Shipp
Kunz Vogelgesang Colin Judson
Konrad Nachtigall Nicholas Folwell
Fritz Kothner Donald Maxwell
Hermann Ortel Jihoon Kim
Balthazar Zorn Martyn Hill
Augustin Moser Pablo Bemsch
Eisslinger Andrew Rees
Hans Foltz Jeremy White
Hans Schwarz Richard Wiegold
Nightwatchman Robert Lloyd

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
   London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

元旦の風邪ひき男はカゼ

はじまる前に、「オニールは本調子ではないのでご理解を」と、いうアナウンスがあったので、ラジオの生中継でお聴きになった方は、「風邪だからこんなにひどいんだ。元気だったらどんなに上手だったんだろう。残念」と思われたでしょうでしょう。


でも、残念がる必要はありません。常態のオニールは2回とも実はもっとひどかったですから。今日は硬さは同じだけど、まだ輪郭がはっきりして、3回の中では一番良いということで私とそのオペラに詳しい人の意見は一致しました。舞台の袖で待機しているだろう若いテノール君を見ることすらできなくて、フラストレーション溜まりましたが、そんな事情でオニールが怖れたよりうんとましだったのがせめてもの救いでした。


他の歌手たちはかに座

ラジオ生中継だったせいか、他の人たちは皆いっそう張り切り、エヴァ役のエマ・ベルみたいにこの日がベストだったし、主役とも言えるハンス・ザックス役のウォルフガング・コッホは迫力は最後まで出なかったけど複雑な心境の中年男をきめ細やかに演じてなかなか立派だったし、「エヴァはこの人と結婚すべきだ」と思った人も多かったのでは?


その中で一人ちょっとこけたのが、私が冗長なワーグナーに3回も行った理由である愛しいトビー君で、肝心なところで高音が上手く出ず、またもや大事な日に実力が発揮できないという弱点をさらけ出してしまいました。こけたと言ってもその程度で、大したことはないのですが、だからこそファンとしては口惜しくて。折角誉められたのに情けないやっちゃ・・


で、3度聴いて歌手の中では誰が一番良かったかというと、清らかな声自体が大好きなトビー君がもちろん私にはベストなんですが、それ以外では、意外や悪役ベックメッサーのピータ・コールマン・ライトが聞き飽きずに済みました。名前はお馴染みのバリトンなので今まで何度か聴いたことがある筈だけど全然印象に残ってなかい彼は、今回もカリスマ性はないけど変化に富んだ歌唱と嫌味にならない程度の道化ぶりで飽きませんでした。


パッパーノ大将がやんやの喝采を受けた元旦のことは別に記事にしてます→こちら


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