行ったコンサートの全てをブログ記事にするわけではないのですが、12月17日のバービカンのキーシンは飛ばすわけにはいかないでしょう、そりゃ。このブログに迷い込んでいらっしゃる方の検索ワードでキーシンはいつも上位ですしね。日本でいかにファンが多いかと言う事でしょう。
「キーシンってさ、たしかに上手いけど、テクニックばかりって感じで人間味が感じられないよね」、と仰る方もいて、それも理解できるのですが、例え演奏ロボットみたいと言われようと、私はあの神業を目撃するだけで感動します。まさにKey神。たいていは至近距離の鍵盤側で目にも止まらぬ早さの手の動きも横顔も見える席に座れるのもラッキーで(必死で切符取るからですけどね)、今回も斜め後ろから見上げる理想的な席を一年近く前にゲット
この15年間のロンドン公演を見逃したことはほとんどない筈ですが、8年半前にブログをはじめてからのコンサート記事をリストアップしておきましょう。最初の頃はルックスも若々しいですよ。
キーシン 2006年3月 バービカン
キーシン 2007年3月 バービカン
キーシン 2009年6月 バービカン
キーシン 2011年2月 バービカン
キーシン 2012年3月 バービカン
キーシン
2012年11月 バービカン
<with オーケストラ>
キーシン&LSO 2006年9月 バービカン
キーシン & LSO 2007年9月 バービカン
キーシン & Philharmonia 2008年1月 RFH
天才キーシンと言えども、生身の人間ですからいつも安定してるわけではなく、最近はバービカンの切符代がやけに値上がったこともあり、不調の時は「なによお、あれだけ払ったのにこんな演奏ってないわよね。これならもっと安い他のピアニストを聴きに行くほうがいいわ」、と腹立たしい時もあるのですが、でも、やっぱり高くても行ってしまうわけですよ。絶好調の彼を見逃したら口惜しいですから。
で、今回はどうだったかと言うと、
特に好調でも不調でもなく、まあまあの出来だったのではないかしら。
彼はエンジンがかかるまでにちょっと時間が掛かるので最初やけに重くてのろくてオケとも合ってないんじゃないの、とがっかりしましたが、すぐに調子を取り戻し、でも珍しいことに2、3度間違えたりして、これまででベストとは言い難し。演奏中にムフムフプフプフ呟くのもいつもよりちょっと多かったし(至近距離で聴くデメリットはこの雑音でしょう)。
でも、勿論それでも並のピアニストとは比べ物にならないくらい力強くて華麗で、特に私は迫力ある左手に惹かれるんですが、聴き飽きたチャイコのコンチェルトも目の前でキーシンが弾いてくれたら素晴らしく聴こえました。
指揮者のテイルソン・トーマスが後ろを振り返ってキーシンを何度も見る表情もよく見えたのですが、キーシンは指揮者をみることもなく、勝手に自分のペースで弾いているように見えましたけどね。
Rimsky-Korsakov Dubinushka Op 62
Tchaikovsky Piano Concerto No 1 in B-flat minor Op 23
inverval
Prokovief Symphony No 5 in B-flat major Op 100
London Symphony Orchestra
conductor Mickeal Tilson Thomas
piano Evegeny Kissin
キーシンが弾いてくれたというだけで、特に今回は人気コンチェルトですから、当然やんやの喝采でしたが、彼自身の反応は複雑で(顔に出るんです)、嬉しそうな顔もしたけど、ふくれっ面にもなり、やはり会心の出来ではなかったんでしょう。
アンコールは1曲だけスクリャビンのエチュードを弾いてくれました。
今回は人気演目でもあり、LSO値段でリーナブルだったのでずっと前から売り切れてましたが(私のは28ポンド)、次のリサイタル(バービカンで6月10日→こちら )はキーシン相場。最高85ポンドというのはロンドンでは破格ですから、切符は激余り。
、私は最前列を確保してありますが、かつては非営利の椿姫お節介エージェンシーで10枚くらいベストな席を買っておいたこともあるのに、この値段では買ってくれる人を見つける自信はないので、自分の分だけ買いました。