さっき、ロイヤルオペラハウスから帰ってきたところですが、今週は毎晩出掛けて帰りが遅いので、感動を今夜のうちに書き殴っておきます。今回の椿姫シリーズのベスト・カップルですから。
グリゴーロ君はまさに予想通り。
汗だくで唾を大量にはきちらしながら、顔も体もエネルギッシュに動き回り、ぬーぼーと立ってるだけのコステロ君との違いがあまりに大きくて笑いました(私はどっちも好き)。
グリゴーロ君はちょっとでもじっとしてられないタチのようで、第二幕で暖炉の扉まで開けようとしたアルフレードははじめてです(開くわけねえだろ!)
もちろん軽々と美声の出る素晴らしいグリゴーロ君、何度も観てるので新鮮な驚きはないものの、熱くて濃いグリゴーロ君を舞台近くから堪能しました。カーテンコールもいつも通りのはしゃぎぶり。
ウィルスにやられたヤホ嬢は今日も欠場。
代役はスロベニア人のBernarda Bobroという名前も聞いたことのないソプラノだったのですが、こちらは大いなる驚きでとても素晴らしく、クリアで張りのある美声は私好みで、特に高音がきれい。
ウィーンのVolksoperで活躍してる人らしいですが、いきなりROHに無縁の人を引っ張ってきたわけではなく、開演前のアナウンスによると、10月のトラヴィアータのために稽古をしたそうです。ということは、ポプラフスカヤの代役要員だったということでしょうか?
だとしたら、ったく、折角こんな上手な人が控えてるのに、なぜあんな不快なポプラフスカヤを吐き気を抑えながら我慢して聴かなきゃいけなかったんだよ 毒でも盛って欲しかった。
ボブロ嬢はちょっと前にバービカンでやった(私は行かなかったのですが)、オペラと芝居のコラボ作品で米俳優ジョン・マルコヴィッチと共演したんだそうですが、このプロダクションに馴染みがあるかどうかは別として、バルトリを細目の東欧風にしたような容貌で、ちょっと大袈裟気味の演技ながら自信たっぷりで落ち着き払い、かよわいというよりはガッツのあるヴィオレッタでした。
22回の椿姫マラソンもついに明後日で幕が下り、もちろんグリゴーロ君詣でしますが、是非もう一度ボブロ嬢で聴きたいものです。