<27th Apr Sun>
ローゼンブラット・ソング・リサイタル・シリーズはSky Artsという衛星TVで放映されるのですが、昨日は昨年1月のテノールのアントニーノ・シラグーサでした。実際に観に行きましたが(→こちら )、最前列ど真ん中だったので時折画面に映ってまい、それはいいのですが、写真を撮ってるのが丸見えで まずい・・・
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昨日(4月27日)、ロイヤル・フェスティバル・ホールにご贔屓のノルウェー人ピアニストLeif Ove Andsnesを聴きに行きました。
La lugubre gondola
Ludwig Van Beethoven: Piano Concerto No.5 (Emperor)
Interval
Peter Ilyich Tchaikovsky: Symphony No.6 (Pathétique)
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski conductor
Leif Ove Andsnes piano
最初の曲は現代曲で、舞台に登場した作曲家はまだ30代に見える若い男性でした。かなり前衛的ですが決して不快な曲ではないので、曲の説明を読んでおけばそれなりに楽しめたのかもしれませんが、今日の目的はアンスネスだけだったので一切調べてない私にはかなり苦しかったです。拍手は大きかったですが、皆さん理解してのことかしら、それとも「あ~、終わってよかった」、ということ?
アンスネスはここしばらくベートーベンにお熱で、前回(今年3月バービカン→こちら )も前々回(昨年11月カドガン・ホール→こちら )もその前(昨年3月ウィグモア・ホール→こちら )もほぼベートーベンばかり。彼の爽やかな音色はベートーベンにはあまり向かないと思うんですけどねえ・・、となぜかベートーベンはピンと来ない私は不満なんですが、今回はベトベン先生のピアノコンチェルでは最も有名で私も結構好きな第五番「皇帝」。
どうしても比べてしまうキーシンの力強くて重い演奏とは全く違い、軽やかでピュアな音色がキラキラして、まるでモーツァルトのようなベートーベンでしたが、これが彼の個性であり、素晴らしい演奏でした
感動したのはもちろん私だけではなく、長い第一楽章が終わったときには、「まだ途中だからここで拍手しちゃいけないのはわかってるけど、あまりの素晴らしさにせざると得ない」、という感じの暖かい拍手が起こりました
面白かったのは、と言っちゃ失礼ですが、先回のカドガンホールのように自分で指揮もすることの多いアンスネス、弾いてない時に指揮しそうになるのを必死でこらえて苦しそうな表情だったので、私も一緒に握りこぶしに力入っちゃいました
アンコールも一曲弾いてくれたのですが、これがいかにも彼らしいというか、普通だったらぱーっと華やかでテクニックを披露するんでしょうが、眼鏡を掛けて音符を見ながら静かに弾いてくれたのは地味で前衛的な現代曲。
彼が正面の観客に向かって説明してくれたんですが、すみません、後ろからは聞えなかったので、曲名もわからず。でも、さっき前衛的なやつを聴いたばかりなので、「うへーっ、またこんな小難しくてわけわからんのを聴かなくちゃいけないのか・・・」、って誰しも思ったでしょうから、アンコールで盛り下がっちゃいました
コーラス席の私からは鍵盤がほぼばっちり見え、ふにゃーっと柔らかい彼の手の動きもよく見えたのもグー。
正面に座るほうがもちろん音はよく聴こえるのですが、値段も安いし(9ポンド)、この席はピアノ演奏の場合は棄てがたいものがあります。
その上、こうして客席が見渡せるのもなんだか嬉しくて
でも、オーケストラを後ろから見るコーラス席の良いところはなんと言っても指揮者の顔が見えることで、特に今日のような絵になる指揮者であればなおのこと。LPOの常任指揮者であるウラジミール・ユーロスキは、私は好みではないのでときめきませんが、多くの女性が魅力的だと思う個性的な美男子で、大袈裟なアクションや百面相はしないものの、美しい指先とエレガントな動きで、目が離せません。
特にこの「悲愴」はチャイコフスキーの苦悩をユーロスキが全身で体現してるようで、ビジュアル的にも音楽を感じることができて、コーラス席ならではの鑑賞ができました。
このLPOよりもLSOの方がやっぱり上手かなと思いましたけど。