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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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トリスタンとイゾルデ by Wagner 又あのプロダクションのリハーサル

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<3rd Dec Wed>

雪の結晶寒いね~、が今日の挨拶でした。明日は着物で出掛けようと思ったけど、あまりに寒かったらギブアップかも。

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昨日、トリスタンとイゾルデのドレス・リハーサルに行きました。

どんなお話かは以前の記事をご覧下さいですが(→こちら )、要するに、そうとは知らずに惚れ薬を飲んで色情狂になった不倫カップルの猥褻行為と発覚後のなりゆきですから、ワーグナーに陶酔しながらいやらしいことを想像しましょう。キャッ! 但し、ワーグナーを歌うのは大変な声量とスタミナが必要で、若くてほっそりした歌手では無理ですから、目を瞑ったほうがいいかもしれません。目の保養は本来の設定がよくわかるジェームス・フランコ主演の映画でどうぞ(→こちら映画


イドメネオでヘンテコな演出が話題になったばかりですが、5年前にプレミエだったこのトリスタンとイゾルデも、そう言えば当時は騒ぎになったものでしたドクロ


船もお城も出てこないのはいいとしても、アクションが極端に左側に偏ってて見切れすぎるため、直前に慌てて観客を右側に移したり、一部払い戻ししたり(たしか3割)してROHは苦労した筈なのに、今回はしれっと普通に売っていたので、反省してなにか変えたんだろうと思ってました。壁際に張り付いてるチープなテーブルと椅子をちょっと動かせば済むことなので。まあ、話題になることが目的の演出家の一人であろうクリストフ・ロイがおいそれと「あ、いいですよ、少しずらしても」、って許可するとは考えにくいけど。


5年前の騒動と私の怒りはその時の記事(→こちら )でご覧下さいですが、今回観て、最初は左側の壁の角度を少し変えたかもしれないと感じたのですが、後で5年前の写真を見たら、こりゃ同じだわ。舞台に近い左側の人、可哀相。それとも、それは当然知ってて買ってるんでしょ?ってことかしら? たしかに多かれ少なかれ横の席は見切れ度がかなり違うことはあるけど、これはひど過ぎる演出家のエゴプンプン





Music Richard Wagner

Libretto Richard Wagner
Director Christof Loy
Set design Johannes Leiacker
Lighting design Olaf Winter
Dramaturg Marion Tiedtke
Conductor Antonio Pappano
Tristan Stephen Gould
Isolde Nina Stemme
King Marke John Tomlinson
Brangäne Sarah Connolly
Kurwenal Iain Paterson
Melot Neal Cooper
Sailor Ed Lyon
Shepherd Graham Clark
Steersman Yuriy Yurchuk

私はもちろん右側を選び(2回行く予定)、lower slipでしたがばっちり見えて、リハーサルは5ポンドなので大ホクホクだったのは、パフォーマンスが素晴らしかったです。

ワーグナー・ソプラノとしてはトップのニーナ・シュテンメイゾルデが素晴らしいのは誰もが知ってるけど、心配なのはトリスタンよね。 私の知る限りすごく上手なトリスタンは長い間不在だし・・・。でも、まあ先回の歌はヘナヘナな上にまともに歩くこともできなくてヨロヨロしてたベン・ヘップナーよりひどい筈はないでしょう。という程度の期待で聴いたら、全く嬉しい驚きでしたよ叫び

男の子今回のアメリカン人スティーヴン・グールドは、5年前に死の都でまあまあだったけ特に印象に残らなかったテノールですが、(歌唱面では立派なトリスタンに成長してました(ビジュアル的にはベン・ヘップナーそっくりだけど)。

トリスタンだけじゃなくローエングリンやタンホイザーであちこちの一流歌劇場で大活躍なのも当然。二本でも4年前にトリスタン歌ったそうですね。 まだ声が温まってない朝10時半開演で大変だろうに最初からちゃんと声が出て最後までへたばらず迫力を維持したのは立派アップ


しかし、これだけ歌えれば御の字ではありますが、贅沢を言わせてもらえれば、声に個性もなく私好みでもないし太目なのでロマンチックなトリスタンには理想的とは言えず・・ブタ


ああ、金髪をなびかせが美貌のクラウス君(クラウス・フロリアン・フォークト)がいつかトリスタンを歌ってくれたらどんなに嬉しいかラブラブ!  そしたらどこにでも遠征するし、ロンドンでやるなら全部行きますともDASH!  でも、負担の大きいトリスタンをクラウス君はやってくれないかもしれないので、このリハーサル中なるべくクラウス君のトリスタンをビジュアル面だけでなく、歌声も想像しながら聴いてました。

おとめ座イゾルデはプレミエと同じニーナ・シュテンメの再登場ですが、今回は上手なテノールとがっぷり四つに組めてよかったね。でも、再び彼女のコントロール抜群の美声を聴けたのはもちろん嬉しかったですが、今回は違うソプラノで聴いてみたかったような気もします。イレーネ・テオリンとか。ROHは同じ人を再登場させ過ぎるきらいがあるのよねえ。

     

しかし、シュテンメは上手だし滅多に出てくれないからありがたいけど、ROHには出過ぎてる人もいますよね? 今回もそういう人が出てましたよ。マルケ王のサー・ジョン・トムリンソン。バイロイトに呼ばれなくなったのでロンドンでセミリタイヤしてるんでしょうか?まだ充分声が出るのは素晴らしいですが、他の人にチャンスを与えてくれないかな。

イゾルデの侍女ブランゲーネはサラ・コノリーで、おかっぱヘアで女っぽくしてチャーミングでしたが、シュテンメと比較されるわけですからうんと分が悪いですが、声量だけでも雲泥の差。先回のブランゲーネであるソフィー・コッホにも負けてるし、こないだのポッペアの戴冠とか素晴らしかったサラ様はワーグナーなんかやらなくてもいいのでは?


トリスタンの家来クルベナール、先回のミヒャエル・フォッレは威厳があり過ぎましたが、今回のイアン・パターソンは程よい軽さでトリスタンとのバランスぴったり。


パッパーノ大将が振ってくれるのであれば、少々飽きたとは言え、ワーグナーも安心して聴くことができます。 


5日(金)が初日ですが、イエスティン君と重なってしまったので、本番に行くのは来週月曜です。




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