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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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オルフェオ by Monteverdi ROHとRoundhouseの初コラボレーション

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<18th Jan Sun>

ケーキ今日はトーチャンの60歳の誕生日。ミュージアムの梯子してから夜はムスメたちも一緒にレストランでお祝い。ムスメの手描きカードやその時の様子は明日アップしますが、とても寒くてブルブル雪の結晶

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1月13日、モンテヴェルディのオルフェオの初日に行きました。


初めてのロイヤルオペラとラウンドハウスとのコラボレーション、切符をROHオンラインでも売る以外に、セット製作や若手アーチスト提供で協力してるようですが、ROHフレンズ予約で正面席を首尾よくゲットすることができました。


初めて行ったカムデンにあるラウンドハウスは電車のエンジン倉庫を改造したイベント場で1700人収容。私の守備範囲以外なので主にどんなことやってるのか知りませんが、たしか布袋寅泰さんの初ロンドン公演はここでしたよ。


                              カメラ以下の写真はクリックで拡大


   


外観の写真はないのですがレンガ作りでその名の如く円形。ロビーはこんな感じですが、トイレが少ないのとプログラムをバーで買うのでえらく待たされるのが難点。Chalk Farm駅からすぐ近くなので交通の便は悪くないです(この日は運悪くバスのストライキだったので、私たちは路線の違う地下鉄駅まで寒い中20分も歩く羽目になりましたが・・)。


      


中は思い切り倉庫の雰囲気ですが、電車のエンジンを倉庫内の色んな場所に収納するために使われていた丸いターンテーブルをそれをそのまま舞台にしたのはグッドアイデア。柱が邪魔な以外は大き過ぎず小さ過ぎず、なかなか良い感じで、色んなイベントもできそうな空間です。

   

オバケオルフェオは有名なギリシャ神話で、死んでしまった妻を冥界から連れ戻すことを許されたのに、「途中で決して振り返って妻を見るべからず」という唯一の約束を破ってしまって又離れ離れにという夫婦悲恋。


四百年前のバロック・オペラ初期の傑作で今でも上演され作品の中では最も古いこのオペラ、初めて聴いたのですが、ゆったりと優雅。イタリア語だったらもっと美しいのに、英語翻訳だったのが残念。




Music Claudio Monteverdi
Libretto Alessandro Striggio
Director Michael Boyd
Set designs Tom Piper
Lighting design Jean Kalman
Sound design SoundIntermedia
Choreography Liz Ranken
Circus director Lina Johansson
Translation Don Paterson
Conductor Christopher Moulds
Orchestra Orchestra of the Early Opera Company
Orfeo Gyula Orendt
Music/Euridice/Echo Mary Bevan
Silvia (Messenger) Susan Bickley
First Pastor Anthony Gregory
Second Pastor (Apollo) Alexander Sprague
Third Pastor Christopher Lowrey
Charon James Platt
Proserpina Rachel Kelly
Pluto Callum Thorpe
Nymph Susanna Hurrell



家プロダクション


左のセット写真を拡大してご覧頂くとわかって頂けると思いますが、


セットはゼロだけど、傾斜のある花道や上からぶら下がるハーネス状のロープを上手に利用して立体的だったのは大成功。


しかし、サーカスの人たちが人間ピラミッドを作ったり床を転がって三途の川とか表現しようとコンセプトは良かったけどやり方が不味くて動きが素人っぽかったのが残念だわと思ったら、プロの舞台に立つのは初めてという地域のアマチュアさんたちだとか。開演前に素人バンドがロビーで演奏してりもして地元の人による手作りの味を出そうとでも? 時と場合によっては意義ありでしょうけどど、このオペラでそれはしてもらいたくなかったです。プロがきちっとやったら素晴らしかっただろうに、アイデアを上手く実現できませんでしたもんね。


音譜パフォーマンス


オペラには不向きな形ですからマイクロフォンは必要なわけですが、スピーカーからのいかにもという音ではなく、音源(歌手とオケ)からしか音が聴こえてこないのはどういう仕組みなのかわからないけど、とても自然な音で全く気にならなかったのは嬉しい驚きでした。


オルフェオのGyula Orendt はトランシルヴァニア出身の29歳で、心地良いソフトな声と細やかな歌唱で素晴らしかった。二日連続で4回(計8回)歌わなくちゃならないので声をセーブしてるでしょうから、本当に実力はわかりませんが、リセウでフィガロの結婚の伯爵を歌うそうですから、成長株なんでしょう。


エウリディーチェのメアリー・ビーヴァンは、こないだイドメネオに出たソフィー・ビーヴァンの妹で、ENOにはよく(おそらく主役で)出てるらしいですが、この日は精彩がなく、脇役のソプラノに負けてました。いつもこの程度だとするとソフィー姉さんに大きく水をあけられてますが、ほっそりと可憐でビジュアル的にはぴったり。


知名度が一番高いスーザン・ビックリーおばさんは張りのある声がよく通って、さすがの実力と貫禄。


   



私が一番気に入ったのはアメリカ人カウンターテナーのクリストファー・ローリーで、素直で清々しい美声にうっとり。イギリスをベースをしてるようなので、又聴く機会があるといいなあ。


CTはもう一人、上の写真の東洋人がいて、ちょっとだけソロがありました。ギルドホール音楽学校の大学院生だと思うのですが、テクニックがまるで未熟。

新聞批評は4ツ星と3ツ星混ざりで、前者が少し多く、私の評価も3ツ星半ってとこでしょうか。


切符は売り切れだし、これだけ評判が良ければ、大成功だと言えるでしょう。英語翻訳は嫌ですが、マイク使用でもこれだけ自然な音で、この値段ならどんどんやって欲しいです。




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