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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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オルフェオとエウリディチェのもう一人のテノール

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<5th Oct Mon>

また天気が良くなってしまった週末、近所の公園に散歩した以外は家であれこれ捗りましたが、また忙しい生活に戻り、まず今日はコンサートとオペラのダブルヘッダー。

溜まってる記事を手短にどんどん進めようと思ってるのに、ぞっこんのテノールについて書いたら長くなってしまいました。

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聴く度にその美しさと斬新さに魅了されたグルックのオルフェオとエウリディチェ、結局、リハーサルも含めて6回通いました叫び


フローレス王子は当然素晴らしかったのですが、彼をそう何度も何度も聴きたかったというよりは、彼が出ない日に一回だけ出る予定だったもう一人の若いテノール君が目当てだったんです、実は。フローレスが倒れたら、おそらく彼がカバーしてるでしょうから。


残念ながら、フローレス王子は一度も穴をあけず皆勤賞だったので、この影テノールは9月28日に一回しか聴けなくてがっかりでしたがむっ、その分、その一回を全身全霊で集中しましたとも耳


    


イタリア系アメリカ人のミケーレ・アンジェリーニ君がその人ですが、特にハンサムなわけでもなし、惚れてるのは専ら声ですが、強い個性はないので大スターにはなれないかもしれないけど、まんべんなく素直によく伸びる優しい音が私の好みどんぴしゃキスマーク


ロッシーニ等のベル・カント中心に歌ってて、ROHには今までセヴィリアの理髪師(→こちら )とドン・ジョバンニ(→こちら )に出演。 初めて彼を聴いたセヴィリアの理髪師で私はノックアウトされ(知らなかったので2回分しか買ってなかったのが悔やまれるったら)、ドン・ジョバンニはヴィラソンが出ない日2回だけでしたが、もちろん両方行きましたともDASH!  


音譜このサイトにたくさん歌が聴けますから(音源だけ)、私イチオシの彼にご興味ある方はどうぞ(→こちら )。将来絶対有望なことはわかって頂けるでしょうクラッカー 

映画Youtubeに二十代の時のもあります(→こちらこちら )。カツラ被ると素敵。


嬉しいことに、ROHのPrincipal Guest Artistに指名されてるようなので、今シーズン出る予定はなくても、他のテノールが倒れたら彼が出てくれるってことかしら? いや、売れっ子になりつつある彼のこと、そんなヒマじゃない筈だから、一体どういうアレンジなんでしょうね?

 

長身だからサマになるし、角度によっては顔もなかなかグードキドキ



ラブラブOrphée et Eurydice


Music Christoph Willibald Gluck

Libretto Pierre Louis Moline
Director Hofesh Shechter
Director John Fulljames
Choreography Hofesh Shechter
Designer Conor Murphy
Lighting designer Lee Curran
Conductor John Eliot Gardiner
Orphée Michele Angelini  
Eurydice Lucy Crowe
Amour Amanda Forsythe
Dancers Hofesh Shechter Company
Chorus Monteverdi Choir
Orchestra English Baroque Soloists

で、今回のロール・デビューはどうだったかと言うと、
最初すご~く緊張してるのがよくわかる歌唱だったし、演技まで気を配れないんでしょう、突っ立って歌うだけだったので、妻を亡くしたオルフェオの悲しみは伝わってこなくて、その点ではフローレスに大きく負けてましたが(演技はこれまでどれも薄かったけど)、インターバル前の大きな拍手で自信をつけたか、後半は余裕が出て、声もよりスムーズに。
フランス語にやや難ありのようですが、高音がやたら多いこの役はフローレスよりも向いてるんじゃないかと思ったくらい。超高音は完璧とは言えないけど、フローレスだって苦しそうだったんだから、これをパーフェクトに歌えるテノールはいないってことでしょう。
私がテノールに惹かれるのは「さて、次の高音がきれいに出るかな~、こけるかな~?ガーン」、というスリル感が大きいんでしょうが、この日はずっとハラハラして、手に汗握って終わったらぐったり疲れたくらいショック!。 もっとも、このオペラはフローレス王子でもスリル満点なほど難しい役のようで、普通はカウンターテナーかメゾソプラノなのをこのフランス語版はテノールに変更してあるのですが、それでもテノールにはきつそうで、これを上手に歌えるテノールはざらにはいない筈。 敢えてこれに挑戦したフローレス王子には頭が下がるし、この役を歌うのが十代の頃からの夢だったというアンジェリーニ君、実現してよかったね。母さん(私のことです)も嬉しいよ、オイオイあせる

嗚呼、でも、やっぱり、せめてもう一度聴きたかった・・。2回目はきっと肩の力がもっと抜けてうんと上達したでしょうから。



というわけで、テノール好きの私は大スターのフローレス王子と新進のアンジェリーニ君を、途中から放出された舞台横の席から6回も聴けて嬉しかったですが、もちろん人気度は雲泥の差で、アンジェリーニ君の日のステージドアは私たちグループ以外は誰も待ってなかったという今までで最低人数。フローレスの日は行ってませんが、きっと人だかりに違いない。

アンジェリーニ君、しばらく待っても出てこなかったので諦めましたが、初日に一緒に写真撮れたし(→こちら )、カーテンコール写真を送ってあげたら丁寧な返事が来て、さらに高感度アップアップ  


テノールと言えば、今夜はまたフィガロの結婚に行くんですが、このオペラはちょい役にしかテノールがいないのがつまんないんだわ。


その代わり、来週末は一大イベントが控えており、一番の胸きゅんテノールを追っ掛けてベルリンに行きま~すDASH! もちろん、クラウス君ラブラブ! (クラウス・フロリアン・フォークト)。ワーグナーのマイスタージンガーですが、遠征だと一回だけしか聴けないのが悲しいわあ。



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