<28th Nov Sat>
溜まってるオペラやコンサート記事をどんどん消化しないと、今夜から又3連ちゃん 明日はダブルヘッダー
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New Sussex Opera(→こちら )は、グラインドボーン・オペラのあるルイスの街を基点とするコミュニティ・オペラ・グループで、コーラスや裏方を無償でやりソロ歌手やオーケストラは他に頼るというスタンスのようですが、コーラスはなかなかのレベルで感心しました。いかにも素人っぽい人が楽しみながらやってるのも微笑ましかったし。
プロのお雇い歌手のレベルはまちまちで、「こんなに上手なのに、どうしてもっと有名なオペラハウスで歌わせてもらえないの?」という人から、「もうちょっと上手な人は簡単に見つかるんじゃないの?」、という人まで玉石混合。
舞台セットや衣装はお金を掛けずにベストを尽くした努力のあとが見られ、皆で相談するのも楽しかったでしょうね。後ろの席の男性は、「知り合いがコーラスで出てるし、親父の古いスーツケースも利用してもらってるんだ」、と嬉しそうでした。
- Victoria Simmonds Mignon
- Ruth Jenkins-Róbertsson Philine
- Ted Schmitz Wilhelm Meister
- Adrian Powter Lothario
- Christopher Diffey Laerte
- Nicholas Jenkins conductor
- Harry Fehr director
- Eleanor Wdowski designer
- New Sussex Opera Chorus
- St Paul’s Sinfonia
ゲーテの「君よ知るや南の国」は、私が小学生の頃に大好きだった可愛くて心温まる小説で、幼い時に誘拐されてドイツのサーカス団で虐げらてる少女ミニヨンが、救ってくれた美青年と恋に落ち、彼女を探して今は浮浪者だか本当はお金持ちの父親とも再会するというシンデラレ・ストーリー
ミニヨンが故郷イタリアを思って歌う「君よ知るや南の国」はゲーテのイタリアへの憧憬から書かれた詩ですが、私のイタリアへの憧れもこれがきっかけでしょう
ずっと観たかったので、初めて観られて嬉しかったのですが、テノールの有名アリアもあるトマの愛すべき作品なのに、カドガン・ホールは字幕装置がなさそうだし仕方がないとは言え、フランス語ではなく英語だったのが残念。
これは私の思い入れによる希望なんですが、イタリアの明るい陽光がポイントなので、実写映画オペラにしたら素敵なのでは? ミニヨンはやっぱり少女であって欲しいしね。
ソロ歌手の経歴は→こちら ですが、
中でもびっくりする程上手だったのが、恋敵で女優のフィリーン役のルース・ジェンキンス・ロバートソンで、輪郭がはっきりした張りのある心地良い声で聞き惚れました 華やかなコロラチューラ満載なこの役で彼女が聞けただけでも行った甲斐があったのですが、これほどのソプラノがこんな地方オペラで勿体ないったら。
フィリーンの一番華やかなアリアは当然ナタリー・デセイで聞いて下さい(→こちら )
これを探してたら、ナタリーとミシェル・ルグラン(シェルブールの雨傘とかの作曲家)のベルサイユ宮殿野外コンサートを見つけたのですが、とても素敵でした(→こちら )。ミニヨンと両方で新旧のナタリーが楽しめます。
ミニヨン役のヴィクトリア・シモンズは名前知ってたし、歌も聞いたことあるのでしょうが、今回も充分合格点だけど特に印象には残らず。ミニヨンはタイトルロールだけど、歌の美味しいところはフィリーンとテノールに持ってかれて、地味だしね。
テノールのテッド・シュミッツは、ミニヨンにとっては白馬の騎士に相応しい魅力的な容貌と演技で、歌は凄く上手いわけじゃないけど、こういう物語要素の高い舞台では総合的に高得点。今年、グラインドボーンのサウルで魔女役で代役出演もしたそうです。私の好きなテノールのアリアは私にはお馴染みのアラーニャでどうぞ(→こちら )。やっぱフランス語でなくちゃね。
カドガン・ホール近くのスローン・スクエアは程よい暗さでクリスマス・イルミネーションがロマンチック
オペラやコンサート終了後にこういう場面に出くわすと、幸せ度アップ
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