<5th Dec Sat>
溜まった音楽鑑賞記事を順番に書いてると全てが遅れてしまうわけで、たまには早いレポートも書きたいですから、他を飛ばして昨夜のコンサートのことを先に片付けるのはどうかしら?
下の方にイエスティン君の来日公演の日程も書いておきますので、行って下さいね。
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昨夜(12月4日)はWigmore Hallでテノールとカウンターテナーのジョイント・リサイタルがありました。
イエスティン君が舞台で「一ケ月の間に二度もデュエットするなんてね!」、と言ってた通り、11月19日(
→こちら )に先輩カウンターテナーのアンドレアス・ショルとやったばかりなのに又?って感じですが、どちらの相棒も私の好きな歌手なので、私はハッピー。 ピアノ伴奏も最近活躍目覚しいジェームス・ベイリュー君だし、3人の若さと熱気で素晴らしいコンサートになりました。
今回は17世紀のパーセルの曲も現代作曲家のアレンジだったし、ウィグモア・ホールがコミッションしたニコ・ムリーの世界プレミエもあったりして、全体としては現代的なプログラムでしたが、古いものと新しいもののバランスも良かったし、水増しゼロでて全て歌だった上に二人の歌手の声の相性もよくて美しく混じり、声量のバランスも良かったので、全体としてはショルとのコンサートよりずっと良かったです。私の席も、今回は隅っこじゃなくて2列目の真ん中近くでストレートに聴けたのも最高だったし、大満足
Iestyn Davies countertenor
Allan Clayton tenor
James Baillieu piano
↓青(イエスティン)、黒(クレイトン)、ピンク(デュエット)
Henry Purcell (c.1659-1695)
Music for a while Z583 (arr. Sir Michael Tippett)
Sweeter than roses Z585 (arr. Benjamin Britten)
Full fathom five Z631 (arr. Thomas Adès)
Benjamin Britten (1913-1976)
Canticle I: My beloved is mine Op. 40
Thomas Adès (b.1971)
The Lover in Winter
Benjamin Britten
Canticle II: Abraham and Isaac Op. 51
Interval
Lorne ys my likinge (world première)
Samuel Barber (1910-1981)
3 Songs (James Joyce) Op. 10
Rain has fallen
Sleep now
I hear an army
Nico Muhly
Four Traditional Songs
Benjamin Britten
Sally in our Alley
The Plough Boy
I wonder as I wander
Oliver Cromwell
Henry Purcell
Lost is my quiet forever Z502 (arr. Benjamin Britten)
Sound the trumpet Z323 (arr. Benjamin Britten)
アンコールは、“The Deaf Woman’s Courtship”で、「お婆さん、お婆さん」とからかうユーモラスな子供の唄なんですが、ご愛嬌でちょっとだけ役割交換してイエスティンが地声、クレイトンが裏声で歌って大受け イエスティンの地声歌唱は初めて聴いたけど、テノールとバリトンの中間くらいかな?
二人とも絶好調でソロもデュエットも全て聞き惚れましたが、こうして聞き比べると、やっぱりテノールの方が全ての面で歌い方に変化を付けやすいのがよくわかり、カウンターネナーの限界を感じてしまいます。
リリカルな美声のクレイトン君、2009月12月のバービカンのオテロ(→こちら )以来のファンで、機会があれば必ず行ってます。彼を聴くために嫌いなENOにも行くし、記事にはしてないけど今年5月のWigmore Hallのコンサート(→こちら )もかぶりつきで楽しみましたが、特に今回は素晴らしい出来で、間違いなく彼は英国人テノールのトップの一人だと確信
しかし、この出っ腹体型はなんとかならんものか・・・。 小柄ではあっても整った顔立ちの彼、この歌唱力なんだから、痩せたら花形テノールとしてビジュアル的にもイケルのにねえ。
イエスティン君とクレイトン君の共演、来週も聴きに行きます。バービカンのメサイヤ(→こちら )。
それは同じ日に重なったワルトラウト・マイヤーのWigmore Hallのリサイタルを蹴ってまで行くことにしたのですが、実はとても迷っていることがあります。
12月18日にKings Placeに彼が出るんですが(→こちら )、なんとバービカンのチェチリア・バルトリと重なっちゃうんですよね、これが
バルトリがロンドンに来てくれるのは久し振りなので聴きたいんですが、共演が盛りを過ぎたロランド・ヴィラゾンってのが大問題・・。 オマケなんて要らないのに。
で、イエスティン君がKings Placeで歌うのは知らない曲ばかりなので、あまり出番が少なかったらバルトリに行こうかなと思って、昨日楽屋裏で本人に尋ねたところ、「結構歌うから、来る価値あると思うけど」、ですって。 ますます迷うじゃないの! 恵まれ過ぎてるロンドンならではの贅沢な悩みですけどね・・。
以下の写真はクリックで拡大しますが、なんなの、最初の写真はピンボケじゃん
はい、そうなんです、イエスティン君が舞台の上から私に気付いてくれることがあるのですが、「ほら、あそこに僕の写真係がいるよ」、ってことになると緊張して手が震えるのかボケちゃうんですよね
さて、
来年2月にイエスティン君が日本で3回コンサートをやってくれます。夏にグラインドボーンで彼自身が「マスタークラスもやるんだよ」、と言ってんですが、それは実現しなかったようで、いつものお相手トーマス君のリュート伴奏によるイギリスっぽい古い曲のリサイタルのようです。
2月4日(木)夜 武蔵野 →こちら
2月6日(土)夜 宗次ホール(名古屋) →こちら
2月7日(日)午後 鵠沼(くげぬま)(湘南) →こちら
2月と言えば、私たち親子3人で日本に行くことになってて、4日はおそらく東京にいるので武蔵野のコンサートには行けなくもないわけですが、ロンドンでたくさん機会のある私が貴重な切符を分捕ってはいけないと思って遠慮してるんです。日本の皆様に聴いて欲しいですから。
でも、日本ではカウンターテナーのイメージがイマイチなんでしょうか、まだ切符が残ってるので、「うーん、やっぱり行こうかな・・」と少し思ったりもしちゃうじゃないですか・・・。
家族を巻き込んだら申し訳ないですから、私をこれ以上迷わせないように関東地区の皆様、早く売り切れにして下さいませ (もちろん、名古屋の方も湘南の方も行って下さいね。空席があったらイエスティン君ががっかりしますから)
カウンターテナーに興味はなくても、「400年の時を超え、イギリス・ルネサンス期の大作曲家、ジョン・ダウランドの心を歌う。清らかな歌声が心に響きわたる。声楽ファン全員必聴!」、と武蔵野文化事業団さんが仰ってるように、逃したら勿体無いコンサートですからね
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