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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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リゴレットのリハーサル

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<27th March Tue>晴れ


イギリスではあり得ない程の眩しい日差しの夏が続いてますが、今日はROHのリゴレットのドレス・リハーサルにトーチャンと行ってきました。新オペラMiss Fortuneでこけてから2週間ぶりの生オペラです。


とは言っても、今日は仕事を丸一日休むわけにはいかないので、私だけ途中で抜け出すという悲しい事態しょぼん


11時開始で1時近くまで、ということは3分の2観たのですが、4ポンドですからお金は惜しくないけど、平日悠々としてられらる人が羨ましくて溜まらず、又いつもの早くリタイヤしたい病にかかってしまいそうですむっ

カメラカーテンコールまでいられなかったので自分では写真撮ってませんが、Primroseさんがお撮りになったものを拝借させて頂きます。動画も投稿なさったので、ご覧下さい→こちら



London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン) London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

リゴレットって?


リゴレットはヴェルディの名作。オペラってものを一度観てみたいなと思ってる方には良い機会で、3月30日から4月14日までやってて、日によっては切符はたくさん残ってますから(安い切符はなさそうですが)、是非どうぞ。


詳しい椿姫的解釈は→こちら をご覧下さいですが、要するに、


ヴィクトル・ユーゴーの原作が、オペラではどれだけ変わっているのかは知りませんが、せむし男のリゴレットは公爵家の道化役。自分が仕える好色な公爵に娘ジルダを手篭めにされ、復讐に殺し屋を雇って公爵暗殺を諮りけど、裏切られても公爵を愛するジルダはその陰謀を立ち聞きし、自ら身代りになって殺されるという父娘の悲劇。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
音譜パフォーマンス


しっぽフリフリ公爵

私のおめあては勿論若い熱血テノールのヴィットリオ・グリゴーロなんですが、ロンドンに住むようになったこともあってか、最近はよく出てくれて、これがファウスト、トラヴィアータに続き今シーズン3度目。(嬉しいことに、来シーズンも2度、ラ・ボエームとつばめに出てくれます)


今日も当たり前のように熱い歌と演技をみせてくれて元気一杯、安定したいつものグリゴーロ節を聴かせてくれてうっとり聴き惚れましたがキスマーク、ちょっとだけ残念だったのは、最初は張り切り過ぎて力が入りすぎたのか、のっけのアリアはあまりにも弾み過ぎてぶつぶつ途切れてしまったこと。普通に平坦にした方が彼の美声が映えると思うのですが。

キャラ作りとしては、(最後のシーンは見てないけど)ことさら冷淡さを強調してるようで、何人のも一流テノールが歌ってくれたこの役、今までとは違うクールで残酷な公爵になりそうで、本番が楽しみ。


おやっと思ったのは、公爵の衣装が最初の2幕は今までと違ってたことで、理想体型でハンサムなグリゴーロ君はどれもよく似合ってましたが、これは特別扱いなんでしょうか(ゲオルギューやネトレプコで実例あり)、それともこれからはこれにするのかしら?


ネコジルダ

エカテリーナ・シウリーナはこの役で何度も聴いてるので、今まででベストな素晴らしい可憐なジルダではあるけれど、そろそろ違うソプラノでも聴いてみたいな、と。例えば、私の大好きなクルチャクは他のところではジルダもやってるのに、なぜかROHではコメディ専門。きっと素敵なのに。一回だけLucy Croweがジルダだけど(2回の間違い)、その日(14日と21日)の切符は買ってないのが残念。


クマリゴレット

公爵とジルダが上手なのはわかってるけど、主役3人のうち2人を有名歌手にすればROHとしては充分と思ってるのか、リゴレットのバリトン、ディミトリ・プラタニアスって、一体誰ですか? 


という不安を皆が抱いていたと思うのですが、この若いギリシャ系テノール、よく通る声がなかなか良くて一安心。やはり一番大切なのはこの役だし、下手くそを何度も聴くのはあまりにも苦痛ですから。歌手のことはあまり知らなくて白紙状態で判断できるトーチャンに「誰がベスト・シンガーだと思う?」と尋ねたら、「リゴレット。彼が一番拍手もらってたしね」、と言ってました。


拍手が一番大きかったのは期待が低かったせいもあるかもしれないとしても、たしかに歌は良かったんですが、演技面はペケ。近くで見ると若そうだけど老けてる顔だし、小柄で小太りで全然美男子じゃないので素のままでリゴレットにはぴったりなんだけど、このリゴレットは杖を2本持ってて、体を少し折り曲げるだけで初老の醜いせむし男の悲哀が出るようになってるわけだから、それを有効活用しなくちゃ。

顔の表情も乏しくて、目つきだけで全てを語るレオ・ヌッチの貫禄と存在感の足元に及ぶには軽く10年は掛かるとしても、もうちょっとなんとかならんものか?

でも、肝心の歌は合格点だし、本番を何度かやってるうちに演技もこなれてくるかもしれない期待できる新人ですから、今回のリゴレット、なかなか良さそうです。


ひらめき電球

今日はいわば予告編ですから、他の人たちについては又追々書きますね。私は初日をはじめ、本番には4回行きますので。

グリゴーロ君が一回だけキャンセルした日の代役フランチェスコ・メリも大好きなので、それも楽しみ。途中で誰か体調崩す可能性は大いにあるけど、リゴレットの代役にあの巨顔バリトンのガヴァネッリおじさんだけは出ませんよう・・・。ディミトリ君、体調維持には充分気をつけるんだよ。


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