<2nd Mar Wed>
今月はほぼフルタイム出勤で余裕がない上に明日から4日間リスボン旅行。その前に昨日のコンサート記事を片付けるとすっきりするので、殴り書きして旅立ちましょう。 北海道はもう少々お待ちを。
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昨夜(3月1日)、バービカンでヘンデルのオルランドのコンサート・オペラがあり、かぶりつきで聴きました。
登場人物のところにざっと説明しときましたが、騎士オルランドが惚れた女に振り向いてもらえなくて怒り狂い、彼女が惚れてる男もろとも殺してしまうという一見過激なお話。でも、魔法使いが二人を生き返らせたりオルランドも正気に戻してあげて最後はとりあえず収拾が着くという「結局、なんなの?」、という内容ですが、ま、お話はどうでもいいんです、ヘンデルの美しいバロック音楽がたっぷり聴けて、5人の歌手が延々と歌合戦をしてくれますから。
Handel Orlando
The English Concert
Harry Bicket conductor
Iestyn Davies Orlando 騎士オルランドは気が狂うほどアンジェリカ姫に惚れてるが振られてばかり
Erin Morley Angelica 中国のアンジェリカ姫はオルランドを無視してメド-ロ王子に首ったけ
Carolyn Sampson Dorinda 健気な女羊飼いドリンダもメドーロ王子にハートマークだけど想いかなわず
Sasha Cooke Medoro もて男アフリカの王子メドーロはアンジェリカ姫と両思い
Kyle Ketelsen Zoroastro 進行係の魔法使いゾロアストロがいないと話が都合よく進みません
どうでもいいと言いながら、字幕を読むと面白いんでしょうが、最前列の私の席は前に歌手が立つと見えなくなってしまったのは残念。でも、目の前で聴けるのは迫力だし、コンサート形式と言いながら結構お芝居もしてくれたので臨場感ありました。
5ツ星レビューまで出て(→テレグラフ紙 )評判は良かっただけあって楽しめましたが、タイトル・ロールのイエスティン君、ちょっと声が乾いてて絶好調でなかったのが残念。それでも充分上手いのですが、彼が本調子だったらどんなに素晴らしいか・・・。でも、カーテンコールで私にウィンクしてくれたし、こっち目線の写真も撮れて写真係としての義務も果たせたので、いいことにしましょう。眠いのに帰宅してすぐに写真選んで送ってあげたら待ってたみたいに喜んでくれたしね
「写真いつもありがとう。今夜も待ってるね」って言ってるようなイエスティン君の視線。プレッシャー・・
でも、ボーイッシュで優しい声の好青年であるイエスティン君はビジュアル的にも歌唱的にも恋に溺れる勇者の役には向いてないような・・。
激しく怒る場面はやっぱりビジュン・メータの力強い声で聴きたいし、ビジュアル的にはマッチョなクリストファー・エインズリーがいいかも。こないだのサウルもそうだったけど、イエスティン君はやっぱり先月日本でやったようなリュート・ソングが一番向いてるかな。
とは言いながら、絶好調でなくてもイエスティン君の大熱演を延々とまじかで聴けて幸せな夜でした
イタリア語ですが歌手は全員英米系で、もう一人のイギリス人はキャロリン・サンプソン。彼女も本当はもっと上手なのを知ってるので、今夜はちょっと声が濁ってて残念な気がしましたが、イエスティン君同様、後半は改善して実力の9割を出したってとこでしょうか。
バス・バリトンのカイル・ケテルセンは脇においといて(ちょい役だし、何度聴いても惹かれないの)、両思いのカップルを演じたアメリカ人女性二人は素晴らしくて、TVダウントン・アビーのLady Maryのようなルックスと振る舞いで美人じゃないけど女王様然としたエリン・モーリーの軽やかで濁りのないコロラチューラも、ズボン役の金髪メゾソプラノのサッシャ・クックの迫力の低音も魅力的で、名前も知らない二人だったんですが、私にとっては昨夜の大ヒット イギリス勢二人の不調(というほど悪くはないけど)を吹っ飛ばしてくれました。
ヘンデルには珍しい三重唱もあり、女性3人のハーモニーの美しかったこと
バービカンでやってくれるヘンデルのコンサート・オペラはなによりの楽しみなんですが、また思い出に残るパフォーマンスを聴けて大満足 ビケットさん、ありがとう、又来てね。
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