以下の写真はクリックで拡大します。 眩しいライトが邪魔で困りましたが。
3月29日のローゼンブラット弁護士のリサイタル・シリーズは、さすがシーズンの目玉である花形テノールのホアン・ディエゴ・フローレスだ、どでかいロイヤル・アルバート・ホールで行われました。
この会場でフローレスが歌うのはこのシリーズでは3回目ですが、今回は10ケ月近く前から切符を売ってた割には空席が目立ち、いくらオペラ界では大スターのフローレス王子でもこれですから、いかにオペラがマイナーかってことですよね。
Mozart Die Zauberflöte – Ouvertüre
Mozart Die Zauberflöte – Dies Bildnis ist bezaubernd schön
Mozart La Betulia Liberata – D’ogni colpa, la colpa maggiore
Rossini Il Barbiere di Siviglia – Overture
Rossini Il Barbiere di Siviglia – Cessa di più resistere
Verdi Nabucco – Overture
Verdi Ernani – Mercé, diletti amici
Interval
Rascel Arrivederci Roma
Di Lazzaro Chitarra romana
Kreisler Prelude and Allegro
Donizetti Amor marinaro “Me voglio fa’ ‘na casa“ (Avital – Sidorova)
De Curtis Torna a Surriento
Leoncavallo Mattinata
Monti Csárdás (Avital – Sidorova)
Tosti L’alba sepàra dalla luce l’ombra
De Curtis Non ti scordar di me
Juan Diego Flórez
with Avi Avital (mandolin), Ksenija Sidorova (accordion), Ivan Gambini (percussion), Jean Gambini (double bass), Roberto Gargamelli and Luca Pecchia (guitar)
Christopher Franklin Conductor
Filarmonica Gioachino Rossini Orchestra
アンコールは6曲。ヴォラーレVolare、マレキアーレMarechiareをオーケストラと、ベサメ・ムーチョを自身のギタ-とマンドリンとアコーディオンで、マラゲーニャを自身のギター伴奏で、女心の歌とオーソレミオをオーケストラと。
ローゼンブラットさんの好みなのでしょう、このシリーズはナポリ民謡やカンツォーネを歌うことが多いのも私には楽しみなんですが、今日はフローレスが大サービスしてくれたこともあり、歌謡ショーみたいだった後半の方がうんと盛り上がりました。
準備周到とは言えないコンサートで、色んな面でもたつきましたが、一番まずかったのはスピーカー問題。 一曲目は耳をふさぎたくなるくらいのボリュームで、「うるさーい! 目の前の席の私には生の声と跳ね返ってくる声が微妙にずれて二重に聞えて不快! 65ポンドも払ったのにこれじゃあかぶりつきの意味ないじゃないの。こなきゃよかった・・・」、と最悪のスタート。オケも下手だし・・。
フローレス自身もまずいと気付いたようで、2曲目、3曲目と段々マイクから遠ざかって歌ってくれてすこしましになりましたが、その後ついに彼が音量係に向かって舞台から「うんと下げてよ! ほとんど効かないくらいで良いんだから」、と指示。そうよ、ポップ・コンサートじゃないんだからさ。
その後は改善して私の席からはほぼ生の声だけ聞えるようになったので、絶好調のフローレス王子を堪能できました。
後半はマンドリン、アコーディオン、ギター等の数人だけの伴奏で始り、特に最初の映画「恋愛専科」のアリヴェデルチ・ローマは、トロイ・ドナヒューがチャーミングで大好きな映画を思い浮かべながらうっとりし、さっきまでとはころっと変わって「高いけど、来てよかった」、とホクホク
更に、なんとフローレス自身がギター伴奏をしてくれて、それを近くで見られたのは大収穫
その前に、椅子の移動とかの手際が悪くて曲と曲の間に手間取ったときにフローレスが間を持たせるためにアドリブで語った「昔、アメリカ留学時代は貧乏だったけど、ギター弾きながらバスキングしたら儲かった」、という話から上手くつながったし、ギターの腕目はすごいわけではないけど歌の伴奏には充分で、「そりゃ、これだったら道行く人は大喜びでたっぷり恵んでもらえるでしょうに」、と納得。
マラゲーニャは珍しい裏声もたっぷり聴けたし、ナポリ民謡やカンツォーネはフローレスらしい高音で味付けもしたユニークさが素晴らしかったです。彼自身も上機嫌で盛り上がり、カーテンコールにも何度も出てきてくれて、3時間も掛かりました。
マンドリンのイスラエル人のお兄さんはアンドレアス・ショルのコンサートでも出てたし、美人アコーディオン弾きのおねえさんのリサイタルにも行ったことがあり、珍しいコンビの水増し演奏はなかなかのレベルでした。
半分くらいしか埋まってないのが残念で、それなら半額にすれば満席にできたかもしれないのに、と思ったりもしましたが、大損しながrもやってくれたローゼンブラット氏に感謝です。
ところで、
フローレスは無名の時からコンサートに行ってますが、ブログを始めてから行ったコンサートの記事をまとめておきます。日付けをクリックすると記事に飛びますが、徐々に年を取っていく様子がわかります
2006年12月 バービカン
2007年10月 カドガン・ホール
2008年7月 バービカン
2010年5月 バービカン
2011年1月 ロイヤル・フェスティバル・ホール
2012年5月 ロイヤル・アルバート・ホール
2014年4月 バービカン
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