根性のない私は海外遠征の場合はご一緒する方にすがることが多いのですが、世界の主要オペラハウスのネット切符取得については皆さん苦労なさってて、色んなドラマがあるわけです。
そんな中、最近オペラ仲間がスカラ座の超人気演目の切符に挑戦した時のことを、お役に立つかもしれないからとご親切にこのブログのために書いて下さったので、ご紹介します。
まあ、椿姫さんったら、人のふんどしで相撲をとるなんて
はい、その通りなんですけどね、スカラ座に限って言えば、一昨年行って色々と懲りてしまった私(→こちら )、もう二度と行くことはないかもしれないので自分で体験記は書けないだろうし、でも凄く観たいものがあれば又トライしてみる日があるかもしれないのでその時は参考にさせて頂けるし、はたまた、そうでなくても、一瞬が勝負のオペラ切符争奪はそれだけでハラハラどきどきの緊張ドラマですから、この方が大変な苦労の末に貴重な切符をゲットできた顛末を、私と一緒に疑似体験させて頂こうではありませんか。証拠写真も入った読み応えのあるレポートですよ。
題名: 今シーズンのスカラ座開幕の新演出のドンジョヴァンニ(ネトレブコ出演日)のチケット獲得までの過程
スカラ座は12月7日がシーズン開幕日。今シーズンの演目は、新演出のドンジョヴァンニで(椿姫注:こないだ私が感激したリナルドと同じ気鋭のロバート・カーセン)、しかもネトレブコのスカラ座デビューと話題性十分(→こちら
)。Barenboim指揮で、ネトレブコ以外のキャストも豪華で、マッテイ、ターフェル、ダルカンジェロ、フリットリなど。12月7日~1月14日の上演で、指揮者を含めてダブルキャストになっています。
一般チケット発売日は11月7日午前9時。スカラ座サイトで前夜からチケット残席数(写真①、②)と残席状況(写真③)が閲覧可能で、見てびっくり 驚きのあまりスクリーンショットで状況を撮影しました。何と目当ての12月20日(ネトレブコ出演日)は残席がたったの135席!しかも平土間席は1枚もありません。ロイヤルオペラの公平さに慣れている私にとっては、スカラ座の不公平さに憤死寸前。スカラ座のfacebookのウォールを見たら、怒った人々がウォールに書き込みをしていて、「スカラ座は自身で運営してるのだから、チケットを好きに扱える。とはいえ、このドンジョヴァンニの状況はひど過ぎる」とあり同感。
① ②
③ (写真はクリックで拡大)
オンラインチケット発売開始時刻は、あいにく都合が悪かったため、一緒に鑑賞予定の友人にチケット獲得を頼みました。しかし友人は、チケットをホールドすることはできたけど、バスケットに入れようとしたら画面がしばらくフリーズしてしまい、その間にそのホールドしたチケットは消えてしまったそうです(画面フリーズのためチケット購入できなかった話は他の友人たちからも聞いたことがある)。そして初日(特別価格で平均1000ユーロ以上)を除く全日程のチケットは完売となり、あいにく発売日にはチケット確保はできませんでした
聞いた話ですが、なぜか発売日午後3時頃、ネトレブコ出演日(12月7日~23日)以外の日のチケットが放出されたようです。発売日夕方にスカラ座サイトを見たら、確かにネトレブコ出演日以外の日のチケットはありました。しかし12月20日分については、親切なミラノ在住の友人が、スカラ座のオフィシャルエージェント(スカラ座ボックスオフィスではありません)に電話で問合せてくれたけど、そこでも完売。
しかし、オフィシャルでない数カ所のエージェント(1つはロシア語サイトだった)では、オンラインで2~3倍の値段でチケットが豊富に販売されていたのです!この状況にも憤死寸前。ミラノの友人によると、今回の件(一般予約は少しのみ販売で、オフィシャルでないエージェントで数倍の値段で豊富に売られてるという事実)について、良識ある新聞が問題視して記事にしたそうです。これは社会問題です!さらに友人の知り合いのオペラ出演者に近い関係者もチケット入手できない状況と聞き、驚きました。
さすがにオフィシャルでないサイトで販売されているrestricted viewの席に300ユーロ近く払う気はなかったので、オフィシャルサイトでしか購入しないことに決心し、ネトレブコ人気を恨みつつ、いつまで続くか分からないチケット探しの日々が幕開け。私の目的はネトレブコではないけど、自分の日程都合上、ネトレブコが出演する12月20日以外は鑑賞不可能なのです。
発売開始日から1週間後頃にチケットが放出されることがある、と聞いたことがあったので、その頃に気合いを入れてサイトをチェックしていたら、希望日のチケットが2枚出没 速攻で購入画面に進みましたが、既に誰かに取られてしまい、チケットは出没後1分以内に消失。プロも参戦しているのか?と思い、それ以降は、座席購入画面も別のウィンドウで開いて待機。あっという間にチケットが消えた事実を目撃したので、時間のある時は30秒毎にスカラ座のサイトを再読み込みしていました。遂に努力が実り、発売日から約2週間後にチケットを入手! このチケットは180ユーロですが、ロイヤルオペラの同じ場所ならStalls Cirlcle B列で60ポンド位(約75ユーロ)です。
椿姫さんともよく話しますけど、様々なオペラハウス遠征をした後に思うことは、座席の費用対効果はロイヤルオペラが世界一。基本的に「公平」なオペラハウスですし、私たちはロイヤルオペラのフレンズになっているから優先予約もできますし。結果的に、公平で安い値段設定のチケットがたくさんあるロイヤルオペラの街に住んでいる幸せを再認識できました。
うわ~っ、凄まじい長期戦だったんですね。お疲れ様~~
根気のない私にはとてもできる芸当ではありませんから、闘志の記録を読ませて頂くだけでも感激です。でも、ハッピーエンドで良かったです、本当に。後はお目当ての歌手がキャンセルしないことを祈るだけですね。投稿して下さった御礼に、私も一生懸命念じます。
しかし、商魂逞しいと言えば聞こえはいいけど、スカラ座、あまりにも手口が汚いぞ! 翻弄されるオペラファンの身にもなってみろ! 仰る通り、これに比べれば、ロイヤルオペラハウスは色んな面でリーズナブルだし、切符争いだってかわいいもんですね。