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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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スミ・ジョー 韓国人コロラチューラ・ソプラノがやっとロンドンに来てくれました

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溜まってるうち、ROHのさまよえるオランダ人や夢遊病の女はどんなに遅れても書こうと思っているのですが、その前に、昨夜のまだ記憶に新しいコンサートのことを書いてしまいましょう。


11月25日、スローンスクエアのカドガン・ホールで韓国人コロラチューラ・ソプラノのスミ・ジョーを生ではじめて聴きました。ロンドンには滅多に来ない人なので、最初で最後かも。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

       London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


49歳になったばかりのスミさんは、ハングルでは조 수미(チョ・スミ)、漢字だと曺 秀美なのですが、きっとお国では大スターなんでしょうね、コンサートホールであんなに韓国人をたくさん見たのは初めてでした。普段コンサートとは縁がない人が多いみたいだったし、小さな子供たちまで来てて、これではまるで同じカドガン・ホールでもあり、葉加瀬太郎のコンサートにそっくりな雰囲気ではないか!


なんて言ったら国際的知名度は問題にならない程高いスミさんに失礼でしょうか? ←なんて言ったら、葉加瀬太郎さんにはもっと失礼でしょうか?にひひ ハカセさんは順調にロンドンでコンサートを重ねてらっしゃるので、きっと今ではコンサートはほぼ日本人観客だけという状態からは脱却したかもしれませんしね。私は彼のロンドンデビュー以来聴いてないのですが、いつか死ぬほどヒマだったり、タダ券が回ってきたりしたら、久し振りに行くかもしれません。


話をスミ・ジョーに戻し、


このコンサートは彼女のリサイタルではなく、イギリスでは有名な古楽オケであるAcademy of Ancient Musicのコンサートにゲスト出演しただけなので、7、8割はオケだけの演奏でスミ嬢の出番は少なく、やっと彼女が出てきた時におぉ~っと観客がどよめいたのは、スターのオーラ星もさることながら、全身ラメのきらびやかなドレスキラキラも理由だったのではないかしら。まるでクリスマスツリーのてっぺんに飾る天使のように白くてキンキラ金で、おまけに、ドレスに隠れて見えないけどきっとうんと高いヒールを掃いてるに違いなくて、異常に背が高く見えて、ドレスがますます引き立ちましたアップ


それに、すらっとした素敵なプロポーションで、肌もきれいなので、「やっぱり、東洋人女性って中年になっても若々しくて美しいだわ~?」、と誇らしくなった私。見渡せば、たくさんいる韓国人も美人ばかり。(整形なのかもしれないけど)、この夜の東洋人の美人度はかなり高かったです。


そして、ドレスに拘るらしいスミ嬢のこと、きっと後半は違うドレスで、しかももっと凄いデザインで登場するに違いないとワクワクしてたら、


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


おおぉおお~っ! 目


これ以上はゴテゴテにはできまいショック!と思うほどのover the topのケバケバしさは私の期待を上回る派手さで、つい小林幸子さんを思い浮かべてしまいましたが、素晴らしいメリハリ・ボディのスミ嬢にはとてもよくお似合い。このデザインを着こなせる東洋人女性はそうはいないでしょう(ワンピースではなく、上下分かれてます)。


グリーンのネックレスがtoo muchでセンスを疑いましたが、お客様は神様、ビジュアル的にもベストを尽くして喜んで頂こうというサービス精神には感謝で、バシャバシャと重い付けマツゲも重いだろうに、嫣然と微笑むスミ嬢は、整った美人ではないけれど、スター然とした長年の余裕の振る舞いで、やんやの喝采クラッカー


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)    London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
目の保養は充分させてもらったし、2列目の席だったんですが、幸い前の席が空いてたので写真もばっちり撮れてしめしめだったのですが、で、肝心の歌はどうだったかと言うと、


Academy of Ancient Music
Sumi Jo sings Mozart


Richard Egarr conductor
Sumi Jo soprano

Programme:
Mozart: Overture to Le nozze di Figaro
Mozart: 'Martern aller Arten' from Die Entfuhrung aus dem Serail
Mozart: Entr'actes from Thamos, Konig in Agypten
Mozart: 'Vorrei spiegarvi, oh Dio'
Mozart: Maurerische Trauermusik
Mozart: 'Se il padre perdei' from Idomeneo
Mozart: Symphony No. 31 in D major 'Paris'
Mozart: 'No, che non sei capace'


スミ嬢のアンコールは2曲で、夜の女王(例のキンキンアリアではないけど)と、フランス語のキラキラ星変奏曲。


録音で聴くスミ嬢は金切り声とイメージであまり好きではなかったのですが、録音と同じでも実際に聴くと、特に中音が声量もあって素晴らしかったと思います。美声ではないけれど、彼女の顔やボディのように日陰っぽい猥褻さというか、これも東洋人女性の持つ魅力かも。


但し、超高音になると声量がうんと乏しくなってしまい、今日は絶好調ではないのか、或いはもう全盛期は過ぎたのでこれで今は精一杯なのかはわかりません。私はすぐ目の前だったのでそれでもよく聴こえましたが、後ろの席の人はちょっと不満だったかも。    

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

    London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


モーツァルトばかりのプログラムで、他の歌手でお馴染みの曲ばかりだったので、スミ嬢バージョンがベストとは思えなかったものの、すでに衰えた中年コロラチューラ歌手かもしれないと期待度は低かったのですが、これならまだいけるスミ嬢を理想的な位置で聴けて、オペラだと彼女はルックスだけで違和感あるでしょうけど、こんなコンサートであればスミ嬢の素晴らしいエンターテイナーぶりが際立って、とても楽しめました。特に最後のキラキラ星変奏曲のフルートとの掛け合いでは声もソフトで転がしも上手くいき、なによりもお茶目な動作がすごく可愛くてチャーミングでしたキスマーク


このオケはあまり聴いたことがないのですが、コンサート前のトークで指揮者があれこれ説明してくれたし、そりゃモーツァルトですからそれなりに楽しめたんですが、お昼にプールで泳いだ疲れが出てウトウトとしちゃtったし、スミ嬢目的で来てるコリアンお客にとっては長い水増しでかなり辛かったかも。


指揮者のRichard Eggar氏の指揮を見るのははじめてですが、彼は今年はじめのウィグモア・ホールでのIestyn Davies(CT)のチャンパロ伴奏が抜群に上手だったので(→こちら )、指揮ばかりしてちゃ勿体無いです。でも、今年春に一緒に韓国、中国、台湾をツアーしたスミ嬢をロンドンに引っ張ってきてくれてありがとう。


おまけですが、→こちら のYoutubeで、興味深いカラヤン帝王とスミ嬢のやりとりが見られます(日本語字幕付き)。怖いマエストロにいきなり夜の女王を歌えと言われて真っ青になる若くて付けマツゲもないスミ嬢の横にはチェチリア・バルトリも佇んでます。


カチンコところで、そのイエスティン君の来週のNYメト・デビューのロデリンダの生中継にはやっぱり行くことにしました。会員割引のきくバービカンではずっと売り切れてたんですが、とても良い席のリターンが拾えたのは、ウフっ、やはり縁かしら、愛かしら。それに、イエスティン君以外にもベテランCTのショル兄と長身ハンサムのテノール(ジョセフ・カイザー)も出るから、ラジオではあまりにも淋しいですもんね。



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