「安い値段で超一流の演奏家が聞ける素晴らしいプロムス」、という謳い文句は嘘ではありませんが、安いのは立見席だけですから、前に立ってる人の頭が邪魔にならないくらい背が高くて、ずっとトイレに行かなくても大丈夫というのでなければ良さを享受できません。それ以前の問題で、当日販売の立見だとまず中に入るまでに長時間並ぶ場合がほとんどなので、体力ないとそれだけで疲れちゃうしね。更に当然たくさんの人でごった返してるし、ロイヤル・アルバート・ホールは駅から遠くて不便だし、切符の買い方よくわからないし、音楽には不向きのでか過ぎる空間だし・・という多くの理由で私はプロムスが好きではありません
ですが、なんと今年は終盤になって3日連続で行っちゃいました(最後のは別の会場ですが)。来年は行かないかもしれないので、折角写真も撮ったことだし、ざっと記録しておきます。
まず、9月3日はベルリン・フィル。これは知り合いが行けなくなってのを譲って頂いたもので、コーラス席の上の方で37ポンドは高いかなと思うし、ここからだと音のバランスも悪いかもしれませんが、天下のベルリン・フィルだから仕方ないですね。
舞台前のアリーナに立ってる人たち、一体何時間並んだのだろう・・
Julian Anderson b.1967
Incantesimi UK premiere (8 mins)
Antonin Dvorak 1841–1904
Slavonic Dances, Op 46 Slavonic Dances, Op 46 Also known as: 8 Slavonic Dances, Op 46 (36 mins)
INTERVAL
Johannes Brahms 1833–1897
Symphony No 2 in D major Symphony No 2 in D major Also known as: Symphony No 2 in D major, Op 73 (41 mins)
Sir Simon Rattle conductor
Berlin Philharmonic
一曲目は新曲ですから当然「よくわからん」のですが、もっと前衛的でぐにゅぐにゅビシャーンだと面白かっただろうに、意外にまともでちょっとつまらなかったかも。ま、短いからそう言えるわけですが。
お馴染みのドヴォルザークのスラブ舞曲、Sirサイモン・ラトルはほとんど動かずニコニコしながら見守ってるだけ。 まあベルリンフィルにとってはお茶の子さいさいでしょうし、もちろん心地良く美しいのですが、もっとチャレンジングなのをやってもらいたかったかも・・。
メインはブラームスの交響曲第二番。 ブラームスのシンフォニーの中では一番つまらない曲かもしれないばかりじゃなく、軽くて明るい感じはこの重厚なオケの良さを充分に引き出すとも思えなかったのですが、さすがベルリン・フィル、飽きさせない素晴らしい演奏で、こんな良い曲だったんだ、と・・。 暗譜のSirサイモンは体中を使って(顔も)すごく嬉しそうに、でも絶大なコントロールでベルリンフィルらしく一糸乱れずきっちりと丁寧な演奏でした
この席からは指揮者の表情が見えるのが良い点ですが、コンマスの樫山大進さんは演奏中もよく見えました。穏やかな感じで格好良いです。
ラトル指揮のベルリン・フィルを聴くのはこれが最後になるかもしれませんが、彼がロンドンに戻ってくるのが楽しみ。コンサートホール新築も彼がプッシュしてくれるでしょうしね。