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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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ラ・ボエーム by Puccini カレヤの一人舞台

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
<6th May Sun>

日中でも10度以下という寒さの中、3連休の初日の昨日はトーチャンと映画を観に行きました。私は特に観たくないんだけど、独立したムスメの代わりに私が付き合わなくては申し訳ない気がして。

Marvel Avengers Assemble、数人のコミック本のヒーローが協力して悪者を退治するという話なんですが、異なる得意技を持つ特殊な人たちがワイワイがやがや盛りだくさんなのは賑やかで良いんですが、3Dで迫力あるアクション場面は素晴らしいけど多過ぎる。山場は絞らないと。今日はムスメがランチに来てくれるので、牛丼作りましょう割り箸

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   London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

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24回のマラソン公演のラ・ボエーム、第一チームにはもう一回行くつもりですが、4月30日の初日と5月3日に2回観た感想を書いておきます。


プッチーニの人気オペラがどんな内容かとか、このプロダクションについては以前の記事をご覧下さいですが(→こちら 。あの頃はヒマだったのね、こんなに書いて)、要するに、パリの屋根裏に住む貧乏な若者たちのお話で、人気テレビ番組フレンズの19世紀貧乏悲劇版ってところでしょうか。


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)     London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


ストーリーは単純で、詩人ロドルフォと恋仲のお針子ミミが結核で死ぬだけなんですが、男性は詩人、画家、音楽家、哲学者の卵という自称芸術家のプータロー4人組、女性二人はお金や看護が必要なときは金持ちの愛人になったりもする不良娘なんですが、甘美な音楽のおかげで、青春の息吹を感じさせるロマンチックなお涙頂戴物語に仕上がってます。


 London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

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40年も使ってるこのプロダクションはおそろしくまともでわかりやすくて且つ豪華なので初心者にも安心してお勧めできるし、ヘンテコなのが多い今ではこの古めかしさが新鮮なROHのドル箱で、今回も確実に稼ごうと24回もやるわけです。

Director

John Copley
Designs Julia Oman
Lighting design John Charlton after William Bundy
Conductor Semyon Bychkov
Mimì Carmen Giannattasio
Rodolfo Joseph Calleja
Musetta Nuccia Focile
Marcello Fabio Capitanucci
Colline

Matthew Rose (Yuri Vorobievの代役)

Schaunard Thomas Oliemans
Benoît Jeremy White
Alcindoro Donald Maxwell


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歌唱面ではテノールが最重要なこのオペラ、今回もカレヤ、ヴィリャソン、アラーニャ、グリゴーロと揃えてくれたのはありがたいことで、聴き飽きたオペラも期待が持てるわけですが、まず一番手のジョセフ・カレヤは大当たり。


何度も聴いているのでカレヤの伸びやかでスケールの大きな美声は当然なんですが、今回感心したのはお芝居が上手だったこと。アラーニャやグリゴーロのように大袈裟な演技ではなく自然な感じで好感度大。更に嬉しいおまけとして、デブというイメージだったのに飢えてる貧乏詩人という役のために努力して体重落としてくれたのか、かなりほっそりして、更にカツラで薄いオツムを隠したら、あら、なかなか良い男じゃないのラブラブ!


歌は上手なのに容姿で損してると思っていたのですが、できればもう少し痩せて、いつもカツラ被ってれば、背は高いんだし、総合点でグリゴーロにも負けない花形テノールになれるかも。今回のボエームで更に私の評価が上がったカレヤは今のままでも大好きなテノールの一人だけど、ビジュアル的にも二枚目役になれるよう頑張ってね。

来年1月のロイヤル・フェスティバル・ホールでのリサイタルもかぶりつき席を確保できてるし、楽しみにしてます。カツラか帽子被ってもいいからさ、マジで。
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ミミ役にカレヤと同レベルの一流ソプラノが出てくれたらよかったのですが、アーニャ・ハルテロスがキャンセルしてしまい(ROHからの連絡では、リハーサルに出られないからという、わけわかんない理由で)、二転三転して結局若いイタリア人のカルメン・ジャンナタシオがROHデュー。小柄でほっそりしてるカルメン嬢、でかいクマゴローのようなカレヤに抱きすくめられると更に華奢に見えて、肺病で死に掛けてるミミにはぴったり。


でも、芝居ははかなげでも、歌は元気に声出して欲しいのに、残念ながら、高音は少々くぐもり気味、低音は全く魅力なしで、期待はずれ。もっとも、ミミはソプラノの魅力を引き出す役ではないのか、今までで素敵なミミを聴いたことはほとんどなく、他のオペラでは素敵でもこの役になると皆さん冴えないので、カルメン嬢も今回だけで駄目だと決め付けるのはフェアじゃない気がします。


カルメン嬢本人はとても満足だったのか、初日のカーテンコールは深々とお辞儀をした後、足ががくがくして立っていられなかったのか、床に手をついて感激にむせんでました。残念ながらピンポケですが動画でどうぞ。



というわけで、カレヤとカルメン嬢は、声量をはじめ歌唱力はちぐはくだけど、ビジュアル的にはお似合いで、17日の大スクリーンでは素敵なカップルに見えるでしょう。


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マルチェロのファビオ・カピタヌッチは凄く上手なんだけど、ぱっとしない容貌のせいか全く魅力なくて、華のある人が沢山いるバリトン界ではあまり話題にならないかもしれないけど、脇役で光る人。

ムゼッタのヌッチア・フォッシーは前にもこの役で出たし、何度か聴いてるベテランで、歌も芝居も上手だけどなぜか好きになれないので、彼女のような余裕と貫禄は不要だから、若くてフレッシュなソプラノにチャンスを与えて欲しかったです。

コリーネは代役で、「又、お前かよ!」と死ぬ程飽きてるマシュー・ローズ。いや、歌は下手じゃないので文句は言いませんが、ヌーボーとでかい彼は、元々笑っちゃう衣装が余計格好悪く見えてしまい・・・。

ショナール役は元々影が薄いのに、トーマス・オリーマンスはよく見るとハンサムだけど声が弱いので印象に残らず。


と、カレヤだけが突出してバランスの取れない歌手陣でしたが、今回は指揮者は豪華で、何をやっても手堅く上手なセミオン・ビチコフ。へえ、プッチーニまでやるんだ、と意外だったけど、ありがちなチャンチャンチャンと浅くて安っぽいプッチーニじゃなくて、わあ、ちょっとワーグナーみたいだ~、という重厚な部分もあって、プッチーニを見直してしまいました。


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初日は、ROHで演出家として50周年を迎えたJohn Copleyのお祝いスピーチが舞台であったので、写真を少し追加しておきます。


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(追記)今夜テレビでメトHDのルチアが放映され、はじめて観たけど、カレヤが素晴らしかった。ボエームなんかよりも生ルチアで聴きたいぞ。でも、そう言えば、ROHでルチアは10年近くやってない。現代に設定されてるのはまだいいとしても、ルチアがなぜかスーツケースを運びながら歌うという最悪のプロダクションだったから、一回でお釈迦になったに違いなくて、ROHのレパートリーにはないもんなあ。





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