<2nd May Wed>
いつまでたっても冬が終わってくれないロンドン。まさかオリンピックまでこのままじゃあ・・・(ちょっと可能性あり) 今月は仕事も忙しいし、緊張するイベントもあって、私には勝負の月なので、お天気なんかどうでもいいんですけどね。オペラやコンサートもどっさりで、明日は又ラ・ボエーム。
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4月26日、はじめての所にコンサートに行ったのですが、とても素敵な建物だったので、ロンドンの奥深さを更に認識
かつては新聞社が軒を連ねたフリート・ストリートにある最高裁判所とテンプル駅の間にあるMiddle Temple Hallはエリザベス1世時代に法律家によって1562年に建てられたホールで、当時は女王様も頻繁に食事に訪れたという由緒正しく美しい歴史的スポットです
今では晩餐会等のイベント会場としてでなく、法律関係の人たちによって日常的に集会所として使われているそうですが、建物の周辺の石畳の通りや広場もとても素敵で、フリート・ストリートはバスでよく通るけれど、一歩奥に入るとこんな静かな中世風の街並みがあるなんて知りませんでした。法律関係の人が多いので知的な雰囲気も漂ってるし、良いわあ~ (クリックで写真拡大)
↑ 私の席からの眺め
2階のギャラリーからの眺め →
ここは、値段によってセクションが決まっているだけで席は早い者勝ち。はじめてなので一番高いセクションを奮発し(45ポンド)、かぶりつきに座ろうと早くから並んだのに、正面の良い席はごっそり招待客のためにレザーブされてて、結局近くに座れなかったのでがっかり これなら安い席でにすればよかった・・・
でも、良いコンサートで、場所の雰囲気は抜群だったし、休憩時にはワインも飲み放題。今日は特別なのか、いつもワイン付きなのかはわかりませんが、私はここに来る前にすでにワインとビールを飲んでたけど、折角だからワイン2杯頂きました
で、
私がそんなに張り切って出掛けたコンサートはなにかと言うと、大好きなカウンターテナーのイエスティン・デイヴィスと、これまた注目のアラン・クレイトンという私好みのイギリス人の若い男性二人の共演でした。でも、どちらも楽しみにしてたのに、なんと2日前になってクレイトン君が病気でダウンというお知らせが・・・ こないだのENOのラモーのオペラ(→)も体調悪くて肝心なアリアを省略したし、健康管理がなってませんね。
代役は聞いたこともないアイルランド人のロビン・トリッチュラーといういテノールで一気にがっがりですが、まあイエスティン君さえ出ればいいや・・・
Iestyn Davies counter-tenor
Robin Tritschler tenor (Allan Claytonの代役)
Julius Drake piano
Purcell (arr Britten) from Harmonia Sacra
Lord, What is Man?/In the bleak dismal dungeon of despair/Evening Hymn
Purcell (arr Britten) from Orpheus Brittanicus
Lost is my Quiet/Sound the Trumpet
Britten Winter Words
At Day-close in November/Midnight on the Great Western (or The Journeying Boy)
Wagtail and Baby (A Satire)/The little old Table/The Choirmaster’s Burial (or The Tenor Man’s Story)/
Proud Songsters (Thrushes, Finches and Nightingales)/At the Railway Station, Upway (or The Convict and Boy with the Violin)/Before Life and after
Schubert: Five songs
Der Jüngling am Bache [Erste Fassung] (Schiller) D30/Liebhaber in allen Gestalten (Goethe) D558/
Frühlingsglaube (Uhland) D686/Wehmuth (Collin) D 772/Der Einsame (Lappe) D800
Britten Caticle 2: Abraham and Isaac
そしたら、この長身で赤毛のロビン君、容姿も歌唱も端正で、なかなか良いじゃないの!
特にシューベルトが素晴らしくて、彼の方がイエスティン君よりうんと出番も多く、後半はまるでロビン君の歌曲リサイタル。最後に又イエスティン君が出て来た時に「ああ、そうだった、今日は彼を聴くために来たんだったわ」、と思ったのは私だけではないでしょう。
もちろん好調のイエスティン君は期待通りでうっとりでしたが、一番良かったのは二人のデュエットで、テノールとカウンターテナーの二重唱がこれほど美しいとは! 特に最後のブリテンとアンコールで繰り返してくれたパーセルのSound the Trumpetがハイライトでした。
Temple Musicシリーズの存在は知りませんでしたが、今日の伴奏者ジュリアス・ドレイクが音楽監督で、有名歌手は滅多に出ませんが、今年はあとジェラルド・フィンリー、ダニエル・デニース、ミア・ペルソンが予定されてます(詳しくは→こちら
)。フィンリーが歌うシューベルトの冬の旅は残念ながらカウフマンのトロヤ人の初日と重なってしまうので行けなくて残念。ここにはもう一度是非行きたいので、好きじゃないデニースはパスして、スェーデン美人のペルソンかな。
この日はイエスティン君は脇役気味だったけど、彼のおかげでこんな素晴らしいホールを発見できたわけで、感謝。5月7日にはウィグモア・ホールで単独リサイタルもあり、メチャ楽しみ~