<10th June Sat>
昨日今日は爽やかな晴天でしたが、暗雲立ち込めるイギリス政治界。選挙ってのは予想と違う結果になると思うべきなんでしょうかね。予想は心理的に影響するわけだし。税金は納めても選挙権のない私は傍観するだけですが。 ニュースで暗い気持ちになってるヒマがないのは幸いで、昨日はオペラで遠出して午前1時半過ぎに帰宅してからカーテンコール写真を数百枚の中から選んで3時過ぎにご贔屓歌手に送ってあげました。一番ご苦労様だったのは往復で5時間も運転してくれたトーチャンですが、おかげで素晴らしいお天気と雰囲気で気が晴れました。
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6月7日のアシュトンのミックス・バレエはベテランのプリンシパル、ゼナイダ・ヤノウスキーのロイヤルバレエからの引退公演という特別の日だったので、なんとトーチャンと二人分オーケストラストールを奮発しましたことよ。引退公演なんて滅多にないし(ブログ開始してからは吉田都さん→こちらとタマラ・ロッホ→こちら)、久し振りに水も滴る良い男のロベルト・ボッレも出るしね、ってんで。ミックスバレエの切符代はうんと安くてオペラの約三分の一、2列目の真ん中で僅か70ポンドだから出来たことですが、つま先が見えないのでベストな席ではないとは言っても(だから更に安い)、私は近くで見るのが好きです。
ミックス3演目の最初の2つは別の機会にすることにして、今回はゼナイダの最後のマルグリットとアルマンだけに絞りましょう。バレエに疎くて説明出来ないので主に写真だけですが、幸いなことにカーテンコ-ルはのっけから総スタンディングオベーションだったので床に散らばるフラワーシャワーの花も見えたし、前の席の人が最後の方まで座ったままだったので、邪魔なしで写真が撮れたんです。
マルグリットとアルマンは、デュマの「椿姫」ですが、ジャンプやスピンはなく芝居が大事な演目なので、存在感と演技力を兼ね備えたゼナイダにぴったり。最後に死んじゃうのも引退公演向きかも(ロッホもこれが引退演目)。
でも、ロベルト・ボッレには大失望
数日前に私服姿を目撃した時に既に「まあ、老けちゃって、輝くような美貌も終わったわね」とがっかりして覚悟はしてたのですが、それでも上手ならまだしも、踊りは硬くて一本調子だし、わざとらしい笑顔で演技力も大いに疑問。実は今夜(10日)同じ演目を違うダンサーで観たのですが、ロシア人のシクリャーロフは踊りも演技も実に素晴らしくて、それに比べるとボッレがいかに下手だったかということがあらためてよくわかりました。
これなら、わざわざ他所からボッレを招かなくてもロイヤルバレエで大躍進中の若手リース・クラーク君でよかったのでは? ボッレよりも背が高くてゼナイダとのバランスも良いし、バレエファンの間ではこれは「年上女性と年下男」というパターンが定着してるようなのでその点でもぴったり。 しかも、新旧交代を象徴するのも引退公演のポイントなわけだから、将来有望なリース君の抜擢は彼の励みにもなるし意義ありだったのに・・。そして、他の演目で7日はムンタ君(ヴァディム・ムンタギロフ)、今夜はリース君の片肌脱いだピチピチの体を見たばかりでもあり、「やっぱり男子ダンサーは若いに方がええ」、としみじみ。
7日の引退公演の様子は日本でも秋にシネマ上演されるそうですが、この演目の踊りの部分だけ今夜のオシポワ/シクリャーロフ組のに取り替えられたらいいのに・・。折角のゼナイダの大切な日のパフォーマンスのレベルがうんと落ちたのは残念です
まあ、それはそれとして、もちろんフラワーシャワーもあった最後のお別れは感動的で、ザナイダが皆に好かれていた様子がよくわかりました。ちょっと前に彼女のトークに行きましたが、明るくざっくばらんな人ですしね。
トーチャンと二人で張り切って撮りまくったので、たくさんの写真を縮小版で並べておきますが、お好きなのをクリックで拡大してご覧下さいね。 花束&ハグのシーンで写真を載せた以外に出てきた人は、Gary Avis、Ed Watson, Kish, リカルド・セルベラ、Liam Scarlett, Wタケット、ティアゴ・ソアレス、ケヴィン・オヘア、だと思います。
予想外だったらしいカルロス・アコスタ フェデリコ・ボネリ
平野亮一さん 「ほら、見てこの子!」とゼナイダが言ってるリース・クラーク
重鎮ゲストはSirアンソニー・ダウエル
というわけで、期待通りの感動シーンが見られて満足ですが、ゼナイダは踊るのを止めるわけではなさそうで、16日にGrange Park Operaに出てくれるのを観に行きます(→こちら)。