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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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ザザ by Leoncavallo @久し振りのホランド・パーク・オペラ

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<9th Aug Tue>

珍しくずっと雨が降り続いてうっとおしい一日でしたが、ムスメが遊びに来てくれたので親子でまったり過ごしました。来週からムスメは出稼ぎで、暫く会えないのが淋しいですが、遠くではなく、又北アイルランドのベルファストですからちょくちょく戻ってこられるかな?

オマケであるバレエ記事が続いてますが(今週もマリインスキー・バレエに3回行くんです)、一応オペラのブログですから、先月行ったオペラのことも書かないとね。

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7月20日、ホランドパークの半野外オペラに行きました。

以前は値段も安くて直前でも良い席が買えたのでちょくちょく行ってましたが、数年前に修復してからなぜか人気上昇。有名歌手が出るようになったわけではないのにね。先回行ったのはいつだったから思い出せないくらい久し振りでしたが、いつも買いそびれてるお得切符(脇2列は18ポンド)の販売日を今年はちゃんと覚えてて、ここには行ったことがないトーチャンも連れてってあげました。

 

 

地下鉄駅から近くないのも足が遠のいてた理由ですが、ホランドパーク駅からの豪邸エリアを歩くのも楽しいですよ。

オペラ会場のすぐ隣にはKyoto Gardenという日本庭園。

     

 

こじんまりした公園で観光客はあまり来ないし洒落た感じもして良い雰囲気です。

 

    

 

バラ園もありますが、さすがにもう終わり掛けてました。

   

 

 白いテントが夏だけのオペラ劇場です。

グラインドボーンやグレンジ・パークのように正装ピクニックはしなくて、カジュアルな服装でオペラを観に来るだけです。 なのでタキシード拒否のトーチャンも行く気になったのですが。

 

 

 

椅子は新しくてふかふかだし、横降りの雨でも濡れないように改善してました。以前は簡易移動式だったトイレもちゃんとしたのが出来てたし、飛行機や子供が外で騒ぐ騒音も減って随分快適になったものです。18ポンドのinspire ticketが買えれば来年は全演目行こうかしらと思うくらい(既に2018年のラインナップが出てます→こちら)。因みにお値段は演目によって多少違うようですが、70~80ポンドから50ポンド前後。

いらっしゃるのであれば、あったかい格好で行って下さいね。夜は冷えますから。たしか最高20度以上はあったこの日、私は昼間は「馬鹿じゃないの」と思われるような厚着でしたが、それでちょうど良かったですよ。

 

今シーズンは→こちらですが、夜のオペラはドン・ジョバンニ、つばめ(プッチーニ)、カーチャ・カボノヴァ、ザザとある中でZazaを選びました。一昨年バービカンでコンサート形式で初めて聴いてなかなか良かったので。

 

演技派ソプラノのエルモネラ・ヤホが熱演したコンサートの様子は→こちらですが、どんな話かと言うと、「旅芸人ザザは恋人が結婚してるとわかって彼の家に乗り込み、妻と娘に会うが、幼い娘に辛い思いをさせてはいけないと身を引く」というお話で、誰も死なないし、どこにでもある日常的不倫のオペレッタ並みの軽い内容。 ザザが少女の時にきっと父親が母親を捨てて他の女に走ったに違いなくて、同じ悲しい思いを恋人の娘にさせるわけにはいかないと身を引くところは感動的です。

救いは、ザザが妻に暴露したと思い込んで責めた男に「そうよ、もちろん奥さんにばらしたわよ」、と嘘を付いたら、男は怒ってザザを売女呼ばわりしたことで男の本心がわかって諦めるのがうんと容易になったことでしょう。 最後のザザの「嘘よ、奥さんは何も知らないわ」と言う捨て台詞に男の未練が復活すれども自業自得という小気味良い終わり方に観客も一安心。 元々はザザがその気のない男を誘惑したわけで、その前に結婚してるかどうか調べなくちゃ駄目でしょ!、とかまるで身近な人のことのように現実的なのもヴェリズモ・オペラの真髄か? 

 

賑やかでよく工夫された良いプロダクションだし、これで主役のカップルが華やかな美男美女だったら文句ないのですが、残念ながら写真でご覧の通りパッとしないおじさんとおばさんで、歌が凄く上手なら文句言いませんが、これくらいの歌唱力ならもうちょっとビジュアル的に惹かれるテノールとソプラノはいるだろうに・・、と思うレベル。 でも、まあ、決して下手ではないし、甘美な音楽のおかげで充分恋愛ドラマとして楽しめました。 ここはたまにそこそこ知名度のある歌手も出るけど、誰か一人上手な人がいたらラッキーという感じで、この日はザザの元愛人の仕事仲間のカスカール役のバリトン(ハゲ)がびっくりする程上手かったので救われました。

このオペラは当初は人気だったそうですが、既に人気復活の兆しもあるわけで、これからは上演の機会も増えるでしょう。 アンジェラ・ゲオルギューがやったら素敵ですよ、きっと。 

 

 

 

 


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