<29th Nov Wed>
ハリー王子の婚約者の諸々の問題が取り沙汰されてますが、全て承知で結婚を許した女王様の判断を信じましょう。あり得ないと思われたチャールズ皇太子の再婚だって結局は幸せになってるわけだし、本人同士の気持ちが大事。
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1年半前のプレミアで物議を醸し出したランメルモールのルチアの初リバイバルに2回行ってきました(10月27日のリハーサルと11月20日のBチーム)が、墓場でのセックスシーンとルチアの妊娠&流産というショッキングなルチアだったのに大幅に緩和されてすっかり毒気がなくなってました。 2016年4月のプレミエはダムラウとカストロノーヴォ(→こちら)、同じ年の5月のクルチャクとコステロ(→こちら)
Lucia di Lammermoor
Music Gaetano Donizetti
Libretto Salvadore Cammarano
Director Katie Mitchell
Designer Vicki Mortime
Lighting designer Jon Clark
Movement director Joseph Alford
- Conductor Michele Mariotti
- Lucia Lisette Oropesa
- Edgardo Ismael Jordi/ Charles Castronovo (rehearsal)
- Enrico Ashton Christopher Maltman
- Raimondo Bidebent Mirco Palazzi /Michele Petrusi (rehearsal)
- Normanno Andrew Tortise
- Arturo Bucklaw Konu Kim
- Alisa Rachael Lloyd
ルチアの妊娠と流産はそのままですが、いやらしい場面は普通のラブシーンに変わってたので、「えーっ!二人はそんなことしてたんだ・・」と初めて見る人はそこで驚くわけですが、これじゃあつながりが悪いしインパクトも弱いぞ。普通は出てこない新郎殺害場面もやけにあっさりになってて、前はナイフだけではなかなか死ねなくてのた打ち回り最後は枕で窒息死したのに今回はナイフで一突き。どちらも大勢に影響はないのでどっちでもいいですが、それならもうひとつ是非変えて欲しかったのは、お風呂の水をジャージャー垂れ流す音。テノールの一番良いアリアが水の音で台無しになるって、オペラに対して一番失礼じゃないの?
The Stage ★★★★★
Times (£) ★★★★
Express ★★★★
Guardian ★★★★
Evening Standard ★★★★
Arts Desk ★★★★
WhatsOnStage ★★★★
プロダクション自体は評価されずパフォーマンス重視のリバイバルで4ツ星が並んだのは、ルチア役の若い無名のソプラノのおかげでしょう。小柄で可憐でか細くてまさに周囲の人々に翻弄されるルチアそのものリセット・オロペサは、印象が地味で声量もちょっと不足気味だった部分もあったけど、細い高音がきれいに出てとても良かったです。今後はもっとゆったり大袈裟に振舞って魅せ方をマスターし、大舞台での求心力を増しスターの貫禄を付けて欲しいものです。
恋人エドガルド役は二人いて、先回と同じチャールズ・カストロノーヴォのバリトンみたいな野太い声よりも、テノールらしい細い声のイスマエリ・ジョルディの方がずっと好きですが、これに関してはカストロノーヴォの余裕ある歌唱と演技が客観的にみて勝ってました。私が聴いた日のイスマエリ君は声がずっと硬くて演技も照れてるように見えてしまいましたから。
ルチアのお兄さん役は実力派クリストファー・マルトマン。凄みのあるギョロ目と楽々と出る深い声で先回のテジエに負けてませんでした。
ということで、随分穏やかなプロダクションになってしまいましたが、楚々としてルチアにはこの方が合ってるし、肝心のルチアの歌唱力は魅力的だったので良いことにしましょう。有名な狂乱の場面が今回はグラスハーモニカではなくフルートだったのは凄く残念だったけど