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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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サロメ by R Strauss ちょん切られた首が血だらけ~

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<6th June Wed>

フィリップ殿下は順調に回復されてるようで、今日は女王様もお見舞いにいらしたそうです。ダイアモンド・ジュビリーのいくつかのイベントはフィリップ殿下なしで行なわれたわけですが、やっぱり女王様お一人ではいつもと様子が違って妙な感じ。 特に昨日の馬車パレードでは代役として隣にカミラが座ってしまい、これからずっとこの絵が歴史として残ってしまうなんて・・・。いっそお一人の方がよかったのに。ともあれ、いなくなってあらためてわかるエジンバラ公の価値。それにしても、86歳の女王様のタフさは驚異的で、今日もお休みになるどころか、英連邦の偉いさん方と公式ランチ。老人に励ましと望みを抱かせて下さる女王様は偉大です。

週末のジュビリー・イベントは大成功でしたが、ロンドンの弱点である交通機関はやっぱりガタガタだったようで、帰宅するのに大苦労した人がたくさんいたようです。それなんですよね、私が嫌なのも。30年以上も前にチャールズとダイアナの結婚式前夜にハイドパークの花火を観に行った後が大変だったのがトラウマになってるのかも。

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London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)


London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
明後日からの旅行の準備もしなくちゃならないので、5月31日に観たサロメについては写真とパフォーマンスの感想だけ殴り書きしときます。


プロダクションについては2008年3月のプレミエ(→こちら )、パフォーマンスについては2010年7月のリバイバル(→こちら )をご覧下さいですが、椿姫的あらすじだけだけ又繰り返しましょう。



クリップ(登場人物はヘロデ(古代パレスチナ王)、ヘロディアス王妃(ヘロデの妻。前はヘロデの兄と結婚していた)、サロメ(ヘロディアス王妃の娘)預言者ヨカナーン(キリストに洗礼を授けた預言者で捕らわれの美男子))

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サロメ 「いやだわ、継父のヘロデ王のエッチな目つきったら。パーティから抜け出しちゃおうっと。ほれ、家来ども、井戸にとらわれてる妙な男、王が恐れているようだけど、一体どんな人?醜い爺さん?」

家来 「サロメ王女、救世主がどうとかこうとかわけのわからんことばかり言う囚人はまだ若い男でありまする」

サロメ 「声が素敵だわ。その男に会わせておくれ。すぐ連れてくるのよ」

ヨカナーン 「汚れた異教徒の女なんか見たくもないぞ、俺は。シッシ、あっち行け~」

サロメ 「まあなんて美しい男! 気に入った! ねえ、キスして頂戴」

ヨカナーン 「お前の母さんで~べそだぞ、どいつもこいつも堕落してやがる。救世主に救いを求めななさい」

サロメ 「ねえ、キスしてったら~~、して~、して~、イケメーン」

ヨカナーン「わしはイケメーンではなくてヨカナーンじゃ。やな女だな、シッシ、」


ヘロデ王 「サロメちゃーん、こんなところに隠れてたのね。どうじゃ、わしのためにストリップしてくれたら、なんでも欲しいものあげるよーん」

サロメ 「何でも欲しいものを? 本当ね。 わかったわ、パパ、踊ってあげる」

ヘロデ王 「キャヒーン、グフフ、興奮~DASH! 」


     (チャンチャラチャーンと官能的な「七つのベールの踊り」)


ヘロデ王 「サロメちゃん、最高! さあ何欲しいの? 宝石かな、ドレスかな?」

サロメ 「この銀のお盆にヨカナーンを首をのせて持ってきてちょうだい」

ヘロディアス王妃 「おお我が娘よ、よく言った!私の悪口ばかり言うあの男には死んでもらったほうがいいわ」

ヘロデ王 「ぎょっ、そ、それは勘弁してくれんかの。異教徒であっても聖人を殺したら災いが起きると困るし」

サロメ 「エロ親父、何でもあげるって言ったじゃんよ~。ヨカナーンの首が欲しいったら欲しい!頂戴!」

ヘロデ王 「仕方ない。首をちょんぎって、サロメに渡すように」

サロメ 「わーい、ヨカナーン、やっと私のものになったのね、これでキスできるわ。ブチュブチュブチューキスマーク

ヘロデ王 「こ、怖い変態女め。死刑!」ドクロ

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)
Director David McVicar

Revival Director Bárbara Lluch
Designer Es Devlin
Lighting design Wolfgang Göbbel
Choreography Andrew George
Revival Choreographer Emily Piercy

Conductor Andris Nelsons
Salome Angela Denoke
Jokanaan Egils Silins
Narraboth Will Hartmann
Herod Stig Andersen
Herodias Rosalind Plowright
First Soldier Scott Wilde
Second Soldier Alan Ewing
First Jew Peter Bronder
Second Jew Hubert Francis
Third Jew Timothy Robinson
Fourth Jew Pablo Bemsch
Fifth Jew Jeremy White
First Nazarene Andrew Greenan
Second Nazarene ZhengZhong Zhou
Page Sarah Castle
Cappadocian John Cunningham
Slave Madeleine Pierard

      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

サロメは題材がショッキングなだけでなく、音楽も斬新でドラマチック。それだけに、下手な歌手だったら聞いちゃいられないでしょうが、幸い今回は、これ以上望めない、という程ではないにせよ、総合点としてはなかなかの高水準だったと思います。


まず、このオペラの出来はほぼサロメ一人に掛かってるのですが、超一流のアンゲラ・デノケですから、立派なものでした。
先回も彼女だったのですが、その時は、プレミエのナジャ・ミヒャエルのワイルドさと比べると、デノケは上品過ぎて物足らなかったのですが、今回は慣れたせいかこういうサロメもありかも、と思いました。しかに顔の造作も大きくて派手な美人であるナジャがくねくね熱く演じて多少音は外しても激しく吼えてたのは印象的でしたが、なんと言っても歌唱力はデノケの方がうんと上なので、わかりやすい迫力には欠けるものの、正確で透き通った美声は魅力的。
ちょうど双眼鏡で彼女を観てた時だったのですが、スリップのストラップがずれて、ぽろっとオッパイがはみ出てしまったのも楽しいアクシデント目

サロメの母親役はいつも素晴らしいメゾソプラノが出るのですが、今回は真打登場とも言えるロザリンド・プラウライト。いつもの立派な声量と艶のある声と存在感はさすがで、彼女には誰も太刀打ちできません。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)       London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

サロメに言い寄られてもきっぱり断る預言者ヨカナーンは、この前さまよえるオランダ人に代役で出た
Egils Silinsでしたが、前回前々回のミヒャエル・フォッレとヨハン・ロイターに比べると線が細くて小粒なので、大編成のオケに掻き消されてました。出番は多くなくて、ちょん切られた首として歌わない(そりゃ歌えないでしょう)場面が多い脇役なのでいいんですが、今回折角他の人は良かったのに、少し足を引っ張った人がいるとすれば彼です。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

スケベ義父ちゃんのヘロデ王は、スティッグ・アンデルセン。聴くのははじめてですが、ブログ仲間のstarboardさんから話はよく伺ってたので、楽しみにしてました。小柄で恰幅良くて、ルックス的にはちょっとイメージと違ってましたが、張りのある高音が美しく響き、ちょっと情けない雰囲気がサロメ母娘に翻弄される役柄にぴったり。

London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)      London Opera-loving Kimono-girl (着物でオペラ in ロンドン)

意外に良かったのが、サロメ王女に想いを寄せるナラボス役のウィル・ハートマン。最近よく声が出てる彼は、そう言えば割と最近もなにかで聴いて素晴らしかったな。なんだったか思い出せないけど。以前はペケ印だったけど、見直してちゃんと注目しようと思う中堅テノールです。

そうだ、足を引っ張ったのはもう一人いて、指揮者アンドリス・ネルソンスが未熟だったせいか、オケがふにゃふにゃしてたのはかなり残念。リヒャルト・シュトラウスはオケが一番大切で、一糸乱れない緊張感が必要なのに・・。

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