<30th July Mon>
こないだの記事でロンドン塔の近くにジュリアス・シーザーの像を見つけたと書いたのですが(こちら)、「ジュリアス・シーザーではなく、シーザー(皇帝)の一人であるトライヤヌス帝だよ」、とトーチャンから指摘されました。たしかに像の下にそう書いてあるわ。早合点ですみません。でも、ジュリアス・シーザーの像inロンドンって検索するとこの像が出てきたわけよ。
時間が出来ると、「ブログ書こうかな、それともYoutubeでヒデキ聴こうかな」と迷い、結局ヒデキの誘惑に勝てない時が多いのですが、今日は眠いけど(昨夜のYoutube疲れ)、溜まってるネタを一つ片付けましょう。
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7月21日のファルスタッフは12時開演のマチネ。前日5人着物(→こちら)でグラインドボーンを賑わした方とご一緒で、日本からの3人はまた着物でいらっしゃるということだったので、私も着ようかなと思っていたのですが、暑かったのでギブアップ。
ヴェルディには珍しい喜劇オペラのことやプロダクションについては、2012年のプレミエ(→こちら)の記事をご覧下さいですが、要するに
エリザベス一世時代のウィンザーが舞台で、サーの称号はあるもののスカンピンの騎士ファルスタッフは中産階級の奥方たちを金づるにしようと、百貫デブの我が身も省みず、アリーチェとメグの二人に同じ文面の恋文を送り、呆れた彼女たちがファルスタッフを懲らしめようとするヴェルディには珍しいドタバタ喜劇オペラ。ヴェルディらしい重厚で美しい旋律も有名アリアもなく、アンサンブル歌唱中心のこの作品、ヴェルディ最後のオペラですが、名作とは言い難く、何度も聴きたいとは思わないので、今回は一回だけ。
Music Giuseppe Verdi
Libretto Arrigo Boito
Director Robert Carsen
Set designer Paul Steinberg
Costume designer Brigitte Reiffenstuel
Lighting designers Robert Carsen and Peter van Praet
- Conductor Nicola Luisotti
- Sir John Falstaff Bryn Terfel
- Alice Ford Ana María Martínez
- Ford Simon Keenlyside
- Nannetta Anna Prohaska
- Fenton Frédéric Antoun
- Mistress Quickly Marie-Nicole Lemieux
- Meg Page Marie McLaughlin
- Dr Caius Carlo Bosi
- Bardolph Michael Colvin
- Pistol Craig Colclough
↓クリックでレビュー記事に飛びます。
Evening Standard ★★★★
The Stage ★★★
Telegraph ★★★
先回に比べれば豪華な顔ぶれで、特にイギリスの重鎮とも言えるバリトンとバスバリトンでサーの称号を持つ二人の共演なのに、カーテンコールのサイモン・キーンリーサイドの全く笑わない表情が示すように、なんかぱっとしなかったんですよね(まあ普段からカーテンコールではクールな人だけど)。上手にやっても面白くないオペラなのに、連日のオペラ三昧の疲れが出たのか、うとうとしてしまったじゃないの。
ファルスタッフ役のブリン・ターフェルはデブなのに詰め物でますます誇張した巨体で、コミカル演技のタイミングもなかなかの当たり役。リングのヴォータンよりずっと合ってて良かったです。サイモン・キーンリーサイドは熱い演技で大真面目に怒る場面が彼らしかったし笑いも取ってたのに、なにが気に入らなかったんでしょうね。彼の笑顔を狙ってたくさん撮ったのに・・。
おばさん連中がぱっとしなかったのは残念で、私が嫌いなアンナ・マリア・マルチネスと上手だけど前回も出てたので新鮮味がなかったマリー・ニコール・レミュー。 かつては素敵な椿姫で最近は脇役でそれなりに光ってるマリー・マッコークリンは全く影が薄かった。
女性で唯一良かったのは、ナンネッタ役のアンナ・プロハスカ。こんなちょい役に出てくれてありがとう。可愛くて軽やかで彼女の出番は清涼剤でした。 貴重なテノールで恋人役のフレデリック・アントゥーンには失望。実は「連隊の娘」でフローレスが出られない日に一度だけトニオを歌ったことがあり、それが素晴らしかったのでそれ以来「あ、彼だ」と期待するのに何度も裏切られたので、私の注目テノールリストから外します。
指揮は、ドン・ジョバンニでは燕尾服だったのに今回は背広に格下げしたけどカッコよいニコール・ルイゾッティ。ブリンの演技に笑いながら振ってました。
ロバート・カーセンのプロダクション、フォード邸のカラフルなキッチンが明るい気分にさせてくれるので好きです。