<30th Dec Sun>
今月中旬の旅行記事の間にロンドンでのオペラやコンサート記事も挟みます。
そうだ、そろそろ今年の回数も数えないといけないし、忙しい年末です。
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12月17日と18日、フンパーディンクのヘンゼルとグレーテルを右からと左から一回づつ観ました。
グリム童話との違い等、前プロダクションを観た時の記事をご覧下さいですが(→こちら)、10年前もたしか新プロダクションだったのに一回でゴミ箱行きになったのは、やっぱり超リアルな子供のマネキンがたくさんロープでぶら下がっていたグロテスクな場面がまずかったのでしょうか? そこさえ変えれば安普請であってもなかなか幻想的で素敵だったのに、他のオペラでもそうですが勝手にちょっと変えるわけにはいかないのが不便。
今回は拍子抜けする程まとも過ぎて面白味のないプロダクションで、ディズニー風のキャラ達も登場して子供受けする安心なセットや衣装でした。しかし、私が常々「演出家のエゴで読み替えたりしてヘンテコにするなよなあ!」、と言ってるのにも拘わらず、ここまでリアルで古めかしいのは、いくらなんでも創作意欲の欠如。
子供向けということでこういうことになったのなら理解できますが、そもそも子供にオペラを見せることには反対の私、無知な親がクリスマスのパントマイムと同じだろうと思い込んで連れてきたのでしょうが、これドイツ語よ。小さい子に字幕読めってのか? よく知られたストーリーだから字幕なしでも構わないってことならそこは百歩譲ったとしても、このちょっと前衛的な音楽を静かに聴けというのは子供には残酷。すぐに退屈して辛そうな子供目立って気の毒でした。子供向けと銘打つのであれば、英語版にしてやれ! (私は翻訳オペラは大嫌いですが時には必要だと思う)。
Hansel and Gretel
Music Engelbert Humperdinck
Libretto Adelheid Wette
Director Antony McDonald
Designer Antony McDonald
Lighting designer Lucy Carter
Movement director Lucy Burge
Conductor Sebastian Weigle
- Hansel Hanna Hipp
- Gretel Jennifer Davis
- Witch Gerhard Siegel
- Gertrud Michaela Schuster
- Peter James Rutherford
- Dew Fairy/Echo Christina Gansch
- Sandman Haegee Lee
- Echos Catherine Carby/Jacquelyn Stucker/Hongni Wu
10年前は子供二人がアンジェリカ・キルヒシュラーガーとディアナ・ダムラウという超一流の有名歌手だったのに、今回はうんと格下げして無名の元ROH若手アーチストだったので、全体のレベルがぐんと低下
グレーテルのジェニファー・ディヴィスは今年の夏のローエングリンのヒロインに代役で大抜擢された時はなかなか良かったのに、今回は声量不足だしぱっとしない。ヘンゼルのハナ・ヒップに至ってはほとんど声が聞えず、若手アーチスト時代に何度も聴いたはずなのに覚えていないってことはその頃からぱっとしなかったメゾ・ソプラノを主役に据えるってROHは客を馬鹿にしてるのか? 例え観客が子供と想定しても、芝居は上手でも歌が聞えなかったらはオペラの良さは伝わらないでしょ? お母さんはシュスター、もお父さんはラザフォード、魔女はリングのミーメでお馴染みのシーゲルと揃えて文句なし。10年前より良かったです。
レビューは、まあこんなものですかね? クリックで記事に飛びます。
Time Out ★★★★
The Stage ★★★★
Bachtrack ★★★★
Guardian ★★★
Independent ★★★
Metro ★★★
Times (£) ★★★
Broadway World ★★★
Telegraph ★★
Sunday Times (No star rating, very positive)