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Channel: 着物でオペラ in ロンドン
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椿姫(La Traviata) by Verdi 今回はBチームだけ  

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<27th Jan Sun>

黒猫今日から1週間トーチャンはまたネコ当番。午後4時から始まるコンサートに行くために今日はネコの世話は途中で放り出したようですが。

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銃ナイフ

まず、1月23日はROHのClore Studioクロア・スタジオでInsights: Behind the Scenes – The Armoury(→こちら)というイベントにトーチャンと行きました。要するに銃やナイフ、剣という武器全般を責任持つ人達のトークですが、話も上手だったし、うちのムスメがやってることにかなり仕事なので、興味深かったです。普段あまり気に留めない武器小物、結構出番は多いのに、フルタイムが3人の小さなチームで賄っているようです。作るだけじゃなくて、空砲を撃つのも彼らの仕事。これから舞台で武器に目がいきそうです。

 

椿姫La TraviataはROHのオペラの中では上演回数がもっとも多いオペラではないかしら? 1994年に大抜擢されて一躍有名になったアンジェラ・ゲオルギューが初演してから今年で25年目ですが、どんな無名で下手くそが出ても売れ行き上々のこのプロダクションはROHのドル箱$。 しょっちゅうやるのでさすがの私も全キャスト観るわけではなく、今回はAチームを蹴ってBチームに一回だけ行きました。1月24日の真正面立ち見。

私が無視したAチームは誰だったかと言うと、ほっそりして病死するにはぴったりの容貌と抜群の演技力で間違いなく観客の涙は絞るけど声がすかすかで艶がないエルモネラ・ヤホ、野太い声がまるでバリトンのチャールズ・カステルノーヴォ、お父さんがドミンゴ先生。3人とも何度も聴いて飽きてるし魅力を感じません。

主役の二人は隣り合って立って下さいよね。これじゃあ真ん中のおねえさんがヒロインみたいじゃんむっ

Music Giuseppe Verdi

Libretto Francesco Maria Piave

Director Richard Eyre

Designer Bob Crowley

Lighting designer Jean Kalman

Conductor Antonello Manacorda

Violetta Valéry Angel Blue

Alfredo Germont Benjamin Bernheim

Giorgio Germont Simone Piazzola

Annina Gaynor Keeble

Flora Bervoix Hongni Wu

Baron Douphol Germán E Alcántara

Doctor Grenvil Simon Shibambu

Gastone de Letorières Konu Kim

Marquis D'Obigny Jeremy White

 

   

ヴィオレッタはROHデビューで初めて聴くアメリカ人のエンジェル・ブルー。がっしりした体格はとても肺病で死ぬ人には見えないし、他の人たちとのケミストリーも感じられませんでしたが、しっかり実の詰まった豊かな声と繊細さを兼ね備えた素晴らしい歌唱でした。当然の大拍手のカーテンコールに涙ぐんで嬉しそうでした。また来て下さいね。もっとヘビーな役で聴きたいです。

第一幕の終わりにヴィオレッタだけのちょっとしたカーテンコールがあるのですが、写真撮り忘れました。あのドレスはほっそりした人しか似合わないので撮らなくてよかったかもですが。

フランス人テノールのベンジャミン・ベルンハイムにも聴き惚れました。 以前一回だけづつとかラ・ボエームで2度出た時は都合がつかず見逃して、去年10月のレクイエムはぱっとしなかったけど(→こちら)、今回は上品な容姿もテノールらしい甘い声も真摯な演技も全てどんぴしゃなアルフレード役で、ファンになりました。貴方もまた来て下さいね。パリにたくさん出るのであれば、私の方から出向くし。

   

     パパ・ジェルモン                指揮者

お父さん役のシモーネ・ピアツォーラも悪くなかったです。他でも聴いたことある筈なのに覚えてない地味さですが。

フローラ役のホンギー・ウー(って読むの?)はここの若手アーチスト一年目(任期は2年)の中国人メゾ。 去年のメトのNational Council Auditions優勝者だそうですから道理で上手いわけで、去年彼らのコンサートで聴いたときにすらっと綺麗で声も素敵だったので期待してたのですが、今回は華やかなドレスもぴったりでカーテンコールで真ん中に立っちゃってもサマになる舞台映えのする容貌と存在感で、将来有望。2年間楽しみにしてますからね。 

 

今、Jette Parkerアーチストは女性のレベルが高くて嬉しいんですが、テノールはいつも人材不足。韓国人のキム君も頑張ってはいるんだけど。

女中さんアニーナ役のガヴノー・キーブルの悲しくて暖かい表情は、後ろに立ってるだけでもヴィオレッタの悲しい最後を見事に表現して、今思い出しても涙が出ます。 脇の男性二人はぱっとしないJette Parkerアーチストの低音歌手。

 

というわけで、Aチームの切符が買えないから仕方なくBチームに来た人たちも満足したに違いないレベルの高いパフォーマンスでした拍手


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