<1st Feb Fri>
雪が降るぞーと言われてたけど、やっと昨夜から降り始め、今朝我が家の辺りは3,4センチの積雪。夕方帰宅したらほぼ解けちゃってたけどね。
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1月27日の日曜日、行けなくなった方からセミステージのワルキューレの切符を頂きました。
このLPOのリングサイクル、切符代が結構高いけどワーグナー好きのトーチャンを置いてくわけにはいかないので先シーズンのラインの黄金は二人でけちってうんと後ろから観たら、ご存知の通りなんでも近くで観るのが好きな私にはあまりに遠くてぴんと来ませんでした(ブログ記事にもせず)。
なので、隅っこから2番目ですがロイヤル・フェスティバル・ホールのH列で聴けたのは嬉しくて、しかもなかなか良いパフォーマンスで楽しめました。来シーズンのジークフリートは、誰が歌うかにもよりますが、かぶりつきを奮発しようと思ったことでした。来シーズンのラインナップは今月18日発表になるそうですよ。
音符みながら突っ立って歌うだけではなく、セットも衣装もないけど(小道具はヴォータンの杖のみ)、感情込めた演技はしてくれて、オケの後ろのコーラス席を使って工夫が感じられました。こないだのチャイコフスキーがわんさか登場して邪魔くさかった「スペードの女王」(→こちら)みたいなのより、このすっきりした形式の方がずっと良いです。全てこれでも良いと思うくらい。だって、私にとってはオペラは要するに歌ですもん。
London Philharmonic Orchestra
Vladimir Jurowski conductor
Stuart Skelton tenor, Siegmund
Markus Marquardt bass, Wotan *
Ruxandra Donose mezzo-soprano, Sieglinde *
Stephen Milling bass, Hunding
Claudia Mahnke mezzo-soprano, Fricka
Svetlana Sozdateleva soprano, Brünnhilde
Kai Rüütel mezzo-soprano, Waltraute *
Sinéad Campbell-Wallace soprano, Helmwige
Alwyn Mellor soprano, Gerhilde
Gabriela Istoc soprano, Ortlinde
Hanna Hipp mezzo-soprano, Rossweisse
Angela Simkin mezzo-soprano, Siegrune
Rachael Lloyd mezzo-soprano, Grimgerde
Susan Platts contralto, Schwertleite
満席の大きな会場は盛り上がったし、レビューも上々(クリックで記事に飛びます)。
The Guardian ★★★★
The Telegraph ★★★★
Bacjtrack ★★★★
The Arts Desk ★★★★
The Times ★★★★
全員がうんと上手だったわけではなかった中、私とトーチャンが同意したベストシンガーはジークリンデのリュクサンドラ・ドノセ。 張りのある優しい声で変化に富み安定度抜群。若くはないけど清楚で、グレーのドレスに金髪で素敵。軽い役では何度も聴いて好きなメゾソプラノですが、ワーグナーまで歌うとは知らなかったし、今回は代役だったのです(当初予定はMichelle DeYoung)。
次に良かったのがジークムントのスチュアート・スケルトン。特に個性はないしそんなに好みの声質でもないけど見事に響き渡って一番拍手が大きかったし、ROHで去年の秋にやったリングサイクルでワルキューレだけ聞き逃した時もスケルトンだったので、今回聞けてよかったです。ジークムントは途中で死んでしまうので、フォークト様(クラウス・フロリアン・フォークト)をこの役で遠くまで追っ掛けてまで聴いたことはないのですが、長いオペラだから途中で消えても歌う部分が多いし、情感込めて歌える素敵な恋する男の役だから、やっぱりこれは生フォークト様で聴きたいものです。今度歌ってくれたらどこんでも行きますとも!
フンディング役で不敵な面構えのステファン・ミリングはもちろんぴったりですが、ROHでもいつもこの役は彼なので新鮮味はなし。
今回一番揺れたのはヴォータン役で、目玉だったマテアス・ゴルネが降りて、エフゲニー・ニキーシンに交代したけど結局彼もキャンセルし、出たのはマーカス・マルカールトというドレスデンのアンサンブルで端役やってるうんと格下のおじさん。小柄なので偉そうに見えないし、時折声量がしょぼかったけど、慣れたらそう悪くなくて、ゴルネの輪郭のないぼやけた声よりもこっちの方が好き。
ブリュンヒルデには失望。モスクワ、ヘリコンオペラ出身でこの役はおそらく初めてらしいスヴェトラーナ・ソゼダテレヴァは声が澄んでないのが私好みではなかったし、歌いかタがワイルド過ぎて駄々草に聞えてしまい・・。
もっと不快だったのがフリッカのクローディア・マーンケ。澄んだ美声と立派な声量なのに、音程が外れっぱなし。実に惜しい。
ユーロスキー指揮のオケは、ROHでやる時よりも人数が多くて迫力充分。