<5th Mar Tue>
昨夜のコジ・ファン・トゥッテ、切符持ってたけど結局行かなかったのですが、始まって20分くらいで電気系統の故障でドカーンという音がして停電になり、自家発電で復活したけど、空調も字幕もセット交換もなしで、後半は短縮するという珍事が起こったそうです。払い戻しのオファーがあったのは良心的。
私が行った初日は全てスムーズでした。
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2月25日はコジ・ファン・トゥッテの初日でした。
どんなお話かは、以前のブログ記事でご覧下さいですが(→こちら)、要するに、
「女なんて誰でも浮気者さ」という哲学者のおじさんに対し、若い男性二人が「いや、僕たちの恋人たちだけは違うよ」、と言い返し、じゃあ賭けをしようということで、姉妹である恋人たちの女中も協力してあの手この手で誘惑し、結局二人ともころっと心変わり。 軽薄な話だけど、「浮気した恋人を許せるか?」という興味深い葛藤もあって味わい深いストーリーだと思います。上手な歌手が揃えば歌合戦みたいで聞きごたえも充分。
プレミエは2016年9月で、その時のブログ記事は→こちらですが、好き嫌いが分かれるプロダクションで5ツ星から2ツ星まで評価が分かれた上に有名歌手は出ないので大幅ダンピングになったのでした(→こちら)。
最初のリバイバルである今回は主にパフォーマンスに対するレビューで、やっぱり有名歌手は出てないけど(トーマス・アレン爺ちゃん以外は)、皆さん上手だったので、なかなか良い点数がつきました。切符の売れ行きも上々。
Times (£) ★★★★
Evening Standard ★★★★
Broadway World ★★★★
Music OMH ★★★★
The Upcoming ★★★★
Arts Desk ★★★
The Stage ★★★
The Prickle (No star ratings, positive)
Yahoo Style (No star ratings, mixed)
Opera Today (No star ratings, mixed)
Music Wolfgang Amadeus Mozart
Libretto Lorenzo da Ponte
Director Jan Philipp Gloger
Set designer Ben Baur
Costume designer Karin Jud
Lighting designer Bernd Purkrabek
Dramaturg Katharina John
Revival Director Julia Burbach
- Conductor Stefano Montanari
- Ferrando Paolo Fanale
- Guglielmo Gyula Orendt
- Don Alfonso Thomas Allen
- Fiordiligi Salome Jicia
- Dorabella Serena Malfi
- Despina Serena Gamberoni
でもねえ、たしかに皆さん上手だったのですが、なんか華のないチームで、恋愛の熱気もときめき感も感じられなかったので、一回だけでいいやとなった次第。
セレーナ・マルフィ(藤色ワンピ)はきっちり上手なのに、おしとやか過ぎて、セヴィリアの理髪師の時の溌剌さが感じられず、一番残念でした。サロメ・ジチア(ゴールドのドレス)難しいアリアをたくさんこなして立派だったけど、ミトリダーテの時同様、声にも容姿にも魅力を感じられず。
今回一番楽しみにしてたのは、2016年のザルツブルグのドン・ジョバンニ(→こちら)でとても良かったテノールのパオロ・ファナーレ君。若くて溌剌として、ほぼ期待通りだったけど、他の日に持ってたのは立見席だったので、長いオペラで彼のために立つ根性があるかと言われると・・・。
バリトンのGyula Orendt(ピンクのネクタイ)は、聴く度に上手になってて、今回は彼のコミカル芝居が一番サマになってたけど、私はバリトンには興味ないので。
女中のセレーナ・ガンベリーニ(黒のスケスケブラウス)は有名テノールで私も大好きなフランチェスコ・メリの奥さんで、上手だし熱演賞を差し上げます。
哲学者は又トーマス・アレン。何年もこの役で嫌と言うほど見てますが、先回やっと違う人だったので、「よかった、アレン爺ちゃんはやっとリタイヤしたんだ」、と喜んでたのに、まだ歌ってるんですね・・。 芝居に味はあるけど飽き飽きだし、声は貧弱。
プロダクションについては、あまりにも色んなアイデアを盛り混み過ぎてしつこいし、分かり易いけどダサイので、好きではありません。女性たちが魅力的に見えないのはつまらない衣装のせいだしね。
というわけで、私の評価は★★★かな。
2016年秋にパリのガルニエで観たコジは最悪のプロダクションだったけど、歌はそっちの方が楽しめました(→こちら)。