<15th June Sat>
オペラ演出家/映画監督のフランコ・ゼッフィレリが96歳で亡くなったとのニュース。ROHで一番有名な彼の演出は勿論40年続いたトスカで、私も何度か観たことありますが(奇しくも、今日はその後の新演出のトスカ上演日)、マリア・カラスが着た深紅の衣装は今でも目立つ所に飾ってあります(今日も拝んできました)。 もっと長い間忘れららないのは、初めての衛星生放送で流れた映画「ロミオとジュリエット」を演出する姿。愛らしいオリヴィア・ハッセーのこの映画は私が一番好きな映画の一つでもあります。イギリスではシェークスピア作品での功績を認められて、名誉サーの称号も与えられたそうです。
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6月10日はバービカンのピアノ・リサイタルに行きました(→こちら)。
2010年にショパン国際ピアノコンクール第3位、2011年にチャイコフスキー国際コンクールで第1位かつ全部門のグランプリに輝いた28歳のロシア人、ダニール君。
いかにもコンクール受けしそうな華麗なテクニックで、若い時から注目してますが(以前のブログ記事→2012年と2014年)、久し振りに聴いたら更に進化してました。基本キーシンと同じタイプだけど全く異質のアンスネスの透明感も兼ね備えて(最高の褒め言葉よ)、これはもう世界のトップのトップだわ
小手調べのベートーベンに続いたシューマン、こんな超技巧の曲もあったのかとびっくりでしたが、そりゃこんなの弾ける人滅多にいないでしょうから聴く機会もないわよね。 1時間15分くらいも弾いて長かった前半と後半の更に凄まじいプロコフィエフ。最前列の斜め後ろからは指の動きがまじかにばっちり見えて、「天才の演奏を見てるんだ、今」、と震える思いでした。
アンコールはまずラフマニノフのヴォッカリース。静かなのを最初にやって、その後パーッと華やかなので終わるよくあるパターンなのかなと期待したけど、残念ながらこれは大外れ。激しいプロコフィエフから急にしっとりするのは難しいのか、なんかゴツゴツしてて、時折「うーん、ちゃんと覚えてないのかな・・」、と思った程。
でも、あれだけ凄まじい演奏をたっぷり聴かせてもらえれば大満足で、一生忘れないリサイタルです。 ガーディアン紙の5ツ星も当然の評価(→こちら)。
6月2日のLSOとの共演のベートーベンの「皇帝」も素晴らしかったそうで、フランクフルトに行ってたので聞き逃したのは残念ですが、なぜか用事と重なっていけないことが多いダニール君、今後は最優先することにします。