<10th July Mon>
「寒いですねえ」、というのが挨拶言葉になってるグレーなロンドンで、昨日、シティのさる広場でビキニのモデルたちが写真撮影してました。「寒いのに可哀相に・・・」という視線(男性からはそれだけじゃないだろうけど)を浴びながら、長い間ポーズ取ってたみたいで、私がジムに行く時も帰る時もいたから、一時間は立ってたんでしょう。なんの撮影か知らないけど(サマー・フェスティバルとか書いてあるような)、モデルも大変ね。写真を拡大すると、東洋人が一人いるのもわかりますよ
6月は旅行の他にもコンサートやバレエに結構行ったのですが、全部について書くヒマはなく、どれを端折ろうかまだ迷っているんですが、ウィーンフィルとかLSOのハイティンクとか、私が書かなくても他の日本人の方がとっくにレポートしてらっしゃるでしょうから、今日は私が書かなきゃ誰が書く?的なマイナーな歌のリサイタルについてにしましょう。
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6月20日、トーチャンと二人で、ウエストミンスターに行きました。
国会議事堂のお膝元の威風堂々とした雰囲気で、国会議員が多く住んでるに違いない紳士フラットも立ち並ぶまっとうなこの辺りを歩くのは大好き。
ここに来るのはSt. John Smith Squireで行なわれるさるコンサートの時だけと言ってもいいくらいなんですが、これからはもう来る機会がほとんど無いかもしれません。だって、Rosenblattの歌リサイタルシリーズがここを使うのはこれで最後ですから。(来シーズンからはWigmore Hall)
このリサイタル・シリーズは金融街シティで弁護士事務所を経営するIan Rosenblatt氏が道楽でやっていて、良心的な値段なのに切符が(フローレス以外は)売れなくて損ばかりしてるようですが、最後のコンサートということでまず挨拶に立ったローゼンブラット氏が、ここで軽く百回以上(120回とか言ってたような)やったので思い出がたくさんあると感慨深く仰ってました。私だってイギリスではほとんど知られてなかったフローレスをここで聴いたこともあるし、一抹の淋しさを感じる常連客は多いでしょう。
無名時代のグリゴーロ等、なかなか先見の明のあるローゼンブラット氏の発掘能力は素晴らしいと思うので、知らない歌手でも都合がつけばなるべく行くようにしています。
この日はシルヴィア・シュウォルツという若いソプラノで、ロンドン・デビューのようです。
「こんな名前だから当然ドイツ人と思われていやになっちゃうんだけど、私は純粋なスペイン人なのよね~」、と、丸っきりイギリス人みたいなきれいな英語で話すシルヴィア嬢は中肉中背で凄い美人じゃないけど好感の持てる容姿でオペラでは応用も効いて舞台映えするでしょう。
SYLVIA SCHWARTZ Soprano
Simon Lepper Pianist
PAISIELLO Nel cor piu non mi sento
PARISOTTI Se tu m’ami
GLUCK O del mio dolce ardor
HANDEL Giulio Cesare/Piangero la sorte mia/Da tempeste
BELLINI La Sonnambula/Ah! non credea mirarti
INTERVAL
ROSSINI La pastorella delle alpi/L'invito/La promessa
GURIDI Seis Canciones Castellanas/Alla Arriba, En Aquella
Montana/!Sereno!/Llamala con el panuelo/No quiero tus/avellanas/Como quieres
que adivine/Mananita de San Juan
LUNA El Nino Judio (zarzuela)/De Espana vengo
GIMENEZ El Barbero de Sevilla (zarzuela)/Me llaman la primorosa
前半はオペラのアリア、後半はスペインの歌を色々歌ってくれたのですが(プログラムの中で一番楽しみにしてたセヴィリアの理髪師の有名なアリアを歌ってくれなかったのはがっかりだったけど)、中低音は滑らかで本当に美しく、すっかり聞惚れてしまいました
でも、残念乍ら、高音になると少々不快な声になってしまい、そういう歌手は多いですが、ソプラノはやっぱり高音が出てなんぼですから、大劇場の花形ソプラノになれるかと言うと、うーん、ちょっとね・・・。いっそ、メゾソプラノに転向したほうがいいのではないかしら。
しかし、耳の肥えたローゼンブラット氏のおめがねに叶ったわけだし、生ものであるオペラ歌手を一回だけで判断してはいけないので、彼女がオペラに出てくれたら期待して観に行きます。
一方、ピアノ伴奏者は一回で採点しても良いと思うのですが、サイモン・レパーって経歴は立派なのにひどかった・・・。音楽学校のマスタークラスとかで伴奏した学生演奏者の方がずっと上手。ローゼンブラットさん、こいつはもう二度と雇わないで下さいね
さて、ウィグモア・ホールに引っ越す来シーズン、すでにいくつかの切符は売ってて、私は2回分、かぶりつき席を確保してあります。
リストは→こちら をご覧下さいですが、4つ発売になった中で私が買ったのはソプラノのディミトラ・テオドッシュウとテノールのファビオ・アルミリアート(ちょっと前にドタキャンした)。