<14 Mar Sun>
イギリスも予想通りコロナがエスカレートして、感染者は千人超え。来週末から劇場も閉鎖されることになるであろう中、行ける時に行かなくちゃと、私は今日もオペラハウス(椿姫の初日)。これで4夜連続だったけど、来週末から夜は超ヒマになっちゃうのかなあ・・。
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溜まってるネタをすっ飛ばして、感動が冷めないうちにまず昨夜のコンサートを。
ウィグモア・ホールは、百席以上残ってると開演一時間前から60歳以上にはその日の最低料金(アーチストによって値段は違うけど一番安いのはいつも18ポンド)で売ってくれるというありがたいシステムになってて、昨夜はそれで最前列が買えました(→こちら)。
マーティン・ミッテルルツナ-(って読むのかしら?)は、去年5月にフランクフルト歌劇場で観たヘンデルのロデリンダ(→ こちら)で気に入ったオーストリア人のテノールで、期待はそれなりに高かったのですが、それをうんと上回る素晴らしいコンサートでした。客席がガラガラだったのが勿体なかったけど、後半は後ろの席の人が前に移動して賑やかになったかな。
個性はないけどノーブルでしゃきっとした甘さの声が素敵で、歌曲なのに割とオペラのアリアっぽい歌い方も好き。「猫も杓子もシューベルト・・」、と思ったけど、こんな歯切れが良くて変化に富んだシューベルトは滅多に聞けるものではありません。
インターバルに舞台横で漏れ聞いたところ英語が凄く流暢なのに(ブリテンを英語で歌ったし)、スピーチは全くせず、アンコールのメンデルスゾーンの歌の翼にで余韻の残る爽やかな終わり方。子供の頃大好きだった「歌の翼を借りてゆかな~」と口ずさみながら、仕事のごたごたや疫病のことをしばし忘れて、スキップしながら幸せな帰り道でした。
フランクフルト歌劇場によく出てるから、又チェックしてみよう。あ、今年はグラインドボーンにも出るじゃないの(モーツァルトの後宮からの逃走)。カリスマ性に欠けるのでスター歌手にはなれないでしょうけど、立派な歌唱とニヒルな容貌で重宝されそうなテノールです。